あたまを使う/英語 2018.10.12

英語で話すのが楽になる! 「英語フレーズ」をマスターするために必要な、たったひとつのこと

田中茂範
英語で話すのが楽になる! 「英語フレーズ」をマスターするために必要な、たったひとつのこと

日常的に使われるフレーズ・熟語である「慣用表現」。前回は、その重要性と分類方法についてお話ししました慣用表現が上手に使えるかどうかが英語力アップの鍵であることは、間違いありません。

8つの領域に分けられる、慣用表現。多すぎて、お子さんに教えるには難しいのでは、と感じた親御さんもいらっしゃるかもしれませんね。でも、心配はいりません。ある工夫で、とても覚えやすくなるのです。

コツは、それぞれの領域の表現を、「ネットワーク」として結びつけること。「関連する意味の表現」としてまとめることで、記憶に残りやすくなるのです

1杯、2個、3切れ……数量詞のネットワーク

例えば、モノの数や量を伝えるための「数量詞」の慣用表現。日本語でも、1杯、2個、3切れ……のように、様々な数え方をしますね。同じように英語でも、数えたり計ったりするモノによって、多岐にわたる表現が存在します。

ここでは「数えられない名詞」と学校で習う、“water” や “paper” などを計量する表現に注目してみましょう。3つの観点から整理し、ネットワークを作ることで、ぐんと覚えやすくなりますよ

A. 容器

・バケツ1杯の水(a bucket of water)
・1杯のコーヒー(a cup of coffee)
・グラス1杯のワイン(a glass of wine)
・1袋の小麦粉(a bag of flour)

B. 分断

・1個の棒状のチョコレート(a bar of chocolate)
・ひと切れの肉(a cut of meat)
・ひと切れの肉(a cut of meat)
・ひと切れのハム(a slice of ham)

C. 単位

・ひとかたまりの氷(a block of ice)
・ひとかたまりのチーズ(a chunk of cheese)
・1個の角砂糖(a cube of sugar)
・1個の石けん(a cake of soap)

3つに分類し、整理したこのネットワークを見ているだけで「覚えやすくなった」と感じるでしょう。さらに、意味的に関連したネットワークとして覚えておくと、実際にこれらの表現を使って英語を話すときにも、使い勝手がよくなりますよ

会話をスムーズに! 機能的慣用表現のネットワーク

依頼・約束・提案・同意・反論する」ような行為を「言語機能」と言い、その多くが慣用化された表現だと前回お話ししました。

これらの慣用表現を使いこなすことができたら、会話もディスカッションもとてもスムーズに進みます英語力アップのために、ぜひ覚えておきたいフレーズばかりです。

これらを覚えるときにも、「ネットワーキング」が有効です。この一工夫により、それぞれの行為を表す表現を整理し、表現のレパートリーを広げていくことができます。

例えば「話に割り込む」場合はどうでしょうか。実際に起こりうる行為に注目して、ネットワークを作ってみましょう。

●他人の会話に割り込む

話の邪魔をして申し訳ないけど…(I’m sorry to interrupt you, but …)

●相手が話している最中に、質問やコメントをする

質問していいですか?(May I ask you a question?)
一言いい?(Can I say something?)

●直接的に割り込む

ちょっと待って!(Hold it! / Wait a minute!)
でも、ママ…(But, Mom…)

●他人からの割り込みを避ける

ちょっと待ってね。(Hold on a minute.)
最後まで話を聞いてよ。(Let me finish this. / Hear me out, please.)

次に、「なぐさめ」に関する表現を整理してみましょう。

●なぐさめの言葉を言う

残念だね。(That’s too bad. / I’m sorry.)
なんてひどい!(That’s awful!)
気持ちはわかるよ。(I know how you feel.)

●なぐさめの言葉を受け入れる

ありがとう。(Thank you.)
優しいね。(That’s very kind of you.)
世の中そんなもんさ。(Oh, well, such is life.)

●なぐさめの言葉を受け入れない

ほっといてよ。(Oh, leave me alone.)
同情はいらないさ。(I don’t want your pity.)

これらの表現をバラバラに丸覚えするのと、意図に応じて整理した形で覚えるのとでは、大きな違いがあります

ポイントは、話題を決め、その話題の中でどんなやりとりが展開するかを想定すること。そしてそれを、複数のグループに分け、ネットワークを作ること。

これにより、現実世界での言語使用に即した形で、慣用表現を整理できます。

英語で話すのが楽になる! 慣用表現のプレハブ効果

たくさんの表現がある「文法慣用構文」(詳しくは前回の記事【8】なつかしい? 学校で習う「文法的慣用表現」をご覧ください)。

これらの構文の型を利用しつつ、具体的な中身だけを入れ替えることで、英語表現を楽に作り出すことができます。

これが、慣用表現の「プレハブ効果」。一例をご紹介しましょう。

・スーパーマンだったらいいのに。(I wish I were Superman.)
・もっと頭が良かったらいいのに。(I wish I were smarter.)
・お金持ちだったらいいのに。(I wish I were much richer.)

文法的な慣用表現には、いろいろな表現を作り出す力があります。覚えておくと表現が広がり、ラクに英語を話せるようになる便利なフレーズなのです。

慣用表現力は、語彙力と文法力と並んで、英語力の要。意識して英語を勉強すれば、きっと英語力が高まるでしょう。