教育を考える 2019.5.29

陳列から売上集計までやってみよう! 学びの場としての「MOTTAINAIキッズフリーマーケット」

長野真弓
陳列から売上集計までやってみよう! 学びの場としての「MOTTAINAIキッズフリーマーケット」

“モッタイナイ”

何気なく使っている言葉ですが、その意味について深く考えたことはあまりないのではないでしょうか。そんな、日本人には馴染み深いその言葉に、深い感銘を受けた外国の方がいました。環境分野初、そしてアフリカ人女性として初のノーベル平和賞を受賞されたケニア人、ワンガリ・マータイさんです。

世界共通語として ”MOTTAINAI” を広めるムーブメントは共感を呼び、日本では大手企業や文科省、金融庁も支援するようになったその活動は、子どもの学びの場としても広がっています。このすばらしい取り組みについてご紹介します。

ワンガリ・マータイさんとMOTTAINAIプロジェクトについて

ワンガリ・マータイさんは、グリーンベルト運動創設者、ケニア共和国の元環境・天然資源省副大臣であり、生物学博士です。国連平和大使も務め、ノーベル平和賞、旭日大綬章を受賞されています。グリーンベルト運動は環境保護と女性の社会参加を植樹を通して推進する運動で、政府の弾圧にも負けず、植えた苗木はこれまでに5,100万本にもなるそうです。

そんなマータイさんが2005年に来日した際、出会った言葉が “MOTTAINAI” でした。彼女はそこに、こんな意味を見出しました。

環境3R + Respect = もったいない

Reduce(ゴミ削減)、Reuse(再利用)、Recycle(再資源化)という環境活動の3Rをたった一言で表せるだけでなく、かけがえのない地球資源に対するRespect(尊敬の念)が込められている言葉

(引用元:MOTTAINAI|MOTTAINAIについて

サスティナブル(持続可能)な社会や暮らしの実現のために、環境を守るアイコトバとして、“MOTTAINAI” はマータイさんによって世界に発信されたのです。

【MOTTAINAIキャンペーン活動】
日本では、毎日新聞社、伊藤忠商事、イオンなどの企業の賛同と協力を得て、次のような活動が行われています。

MOTTAINAI GREEN PROJECT
マータイさんの意志を継いだ、環境保全のためケニアでの植林活動。
フリーマーケット
限りある資源の有効利用を目的に、毎週末東京近郊を中心に行われている。収益金はグリーンベルト運動、教育支援金(アフガニスタン、パキスタン、スーダンなど)、エコバスの燃料などに活用。
オリジナル商品の販売
プロジェクトの理念に基づいた商品を販売。得た収益は環境保護活動のために寄付。
イベント開催(MOTTAINAIキッズタウンTOKYO、富士山ゴミ拾い大会)
MOTTAINAI活動の認知度を高め、子どもたちに「お金の大切さ」や「モノを大切にする心」を学んでもらうためのイベントを定期的に開催。

売るのも買うのも子どもだけ! キッズフリーマーケット

活動の中で興味深いのはMOTTAINAIキッズフリーマーケットです。

2017年、2018年に池袋で行われた際には、小池百合子東京都知事も視察に訪れています。また、文部省、金融庁も支援するこのイベントは、大人はいっさい関わらず(サポートスタッフ以外)、売るための商品選びから値段決めなどの準備から販売、売上集計まで、全て子どもが行います

会場に入れるのは子どものみ。お買物も子どもが自分で好きに行うのです。決まりごとは次の通りです。

出店料:300円(一部がグリーンベルト活動に寄付されます)
出店対象:小学3〜6年生
価格の上限:500円(カードゲームは300円)
売ってはいけないもの:たべもの、のみもの、モデルガン、壊れているもの、くじ引き、福袋
お店を出すときに用意するもの:床に敷くビニールシート、袋(お客さん用)、お金を入れるポーチやポシェット、お釣り、電卓、メモ帳とペン(売上記録用)
☆売る側も買う側も入場は子どものみ!(大人は柵の外から見学ができます)
☆出品商品は自分の持ち物または手作りのものから選びましょう

「お店屋さんごっこ」の延長として楽しみながらも、実際のお金の受け渡しが伴うことで、貴重な社会体験の場となります。

そして、商品を選んだり、作ったりするときは、お客さんの喜ぶ顔を想像しながら、売るための陳列やPOPの工夫、値段づけにも頭を使うでしょう。そのうえ、現場で商品を売るときは、値段交渉をしたり商品の使い方を説明したりすることでコミュニケーション能力が全開になり、最後に売上集計をすることでお金の扱い方を学びます

「自分のおもちゃを手放す寂しさ」「自分がいらないものでも、ほかの子が喜んでくれる嬉しさ」「お金を稼いだ達成感」など、さまざまな感情を体感した喜びは格別のようです。実際参加したことのある子どもたちは、帰り道にフリマのことを興奮して話してくれるそうのだそう。

また、お買い物する側も、予算の中でいかに自分の欲しいものを得るか考えます。いつも隣でアドバイスしてくる親はいないので、何を買うかは完全に自由! そんな体験は滅多にないでしょうから、それも貴重な機会ですよね。これは、大人が思っている以上に、子どもには特別な体験のようです(お買い物は低学年のお子さんでも可能です)。

「お金の大切さ」「稼ぐことの大変さ」「モノを大切にする心」「コミュニケーション力」などを実体験として学べるキッズフリーマーケットは、関東近郊を中心に頻繁に行われています。地方で行われることもあるようですので、こちらでスケジュールをチェックしてみてください。

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当日は保護者が関われないということで、大人のほうがドキドキしてしまいそうですが、これまでたくさん行われたイベントでも、子どもたちだけで立派にマーケットは成立しているようです。親が子どもの成長に感動する場ともなりそうですね。

(参考)
MOTTAINAIキッズフリーマーケット
MOTTAINAI
OZONE|キッズフリーマーケット
伊藤忠商事|循環社会型環境ブランド『MOTTAINAI』の展開
ウィキペディア|もったいない