あたまを使う/国語 2018.3.30

国語力アップの鍵はやっぱり読書だった! 将来のために今、本を読むべき理由

編集部
国語力アップの鍵はやっぱり読書だった! 将来のために今、本を読むべき理由

本を読むことはいいこと」漠然とそう思い込んでいる親御さんは多いはず。でも、今やインターネットでさまざまな文章に触れることができる時代です。わからない単語は検索したらすぐに調べられますし、小説のあらすじが簡潔にまとめられているサイトでは、本を「読んだ気分」を味わうこともできます。

そもそも実際に「本を読む」という行為は膨大な時間を費やすため、忙しい現代人にとっては効率が悪いという人もいるでしょう。しかし、読書によって豊かな心や感受性が育まれ、内面的な成長を手助けしてくれることは、本を読んで感動したことがある人ならわかるはず。

さらに読書が子どもの国語の成績に影響するならば、それはとても嬉しいことですよね。ここでは、さまざまなデータや実験結果から、多角的な視点で「読書と国語力」についてお伝えします。

「習慣化」した読書は国語の成績に影響する

一般的に、たくさん本を読む人は国語が得意だと思われがちです。もちろんまったく読まない人に比べると、活字や文章に対する抵抗感は少ないかもしれませんが、実際に子どもの読書量は国語力を構築するのにどれくらいの影響を及ぼしているのでしょうか。

フィリピンの小学校100校を対象にした興味深い実験があります。

まず、対象となった100校をランダムに2つに分けます。半数の学校では4年生約2900人に対して、31日間の読書マラソンを実施しました。一方で、残りの半数の学校の4年生約2600人には実施しませんでした。

読書マラソン期間中毎日1時間、NGOから寄付された本を読んだり単語ゲームをしたりした子どもたちのグループは、読書マラソンを実施しなかったグループに比べて、一ヶ月間で平均7冊本を多く読みました。さらに、この実験が終わった後も読書を続けていること、そしてプライベートの時間でも読書量が増えたことも明らかになっています。

たとえきっかけは「実験」という強制的なものでも、一度身についた読書習慣が継続していることがわかりますね。

では次に、国語の学力への影響を見ていきましょう。

読書マラソン後、国語の標準テストをおこなった結果、読書マラソンを実施したグループの子どもたちは実施しなかった子どもたちに比べて、偏差値が0.13高かったのです。そのテスト内容をさらに詳しく分析すると、単語力読解力が強化されていたことが判明しました。

この結果は、読書と国語の成績を関連づけるのに充分有意であると言えるでしょう。

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数年後必ず身につく読解力を今から鍛える

教育社会学者の舞田敏彦氏は、PISA(国際的な学習到達度に関する調査)の2009年における調査結果から、読書頻度と学力平均点の関連を導き出しました。それが下の表です。

15歳生徒の読書頻度と学力平均点の関連
(引用元:日経DUAL|舞田敏彦  データで読み解くDUALな疑問|子どもの読書習慣 新聞を読むと学力に好影響

特筆すべきは、フィクションを読む生徒ほど読解力の平均点が高い傾向にあるということ。「ほとんど読まない」グループに比べて、「週に数回読む」グループは、平均点がなんと70点以上も違うのです。驚くべき結果だと思いませんか?

この調査は15歳の生徒を対象としているため、小学校低学年くらいの小さな子どもには関係ないと思うかもしれません。しかし、いずれ中学生になったとき、日頃から読書などしないのにいきなり習慣づけることは難しいでしょう。

幼い頃から読書をする習慣を身につけること。それが将来必ず子どもの読解力に結びつくのだということを忘れずに。

本を読むべき理由2

読書によって伸びる能力は学年に応じて変化する

次に子どもの読書量語彙力・文章理解力の関係性について見ていきましょう。

「児童教育の基盤となることばの教育に関する研究の部」が調査した「小学校低学年児童における読書量、語彙力、文章理解力の関係」によると、読書量と語彙力、文章理解力の関係性において、それぞれが互いに強く影響し合っていることがわかります。

ただし、学年によってその関係性は微妙に変化していくようです。低学年のうちは読書量に応じて飛躍的に語彙力が伸びるものの、文章を理解する能力の向上にはそれほど貢献しません

しかし、この時期に語彙力を確保することで、中学年・高学年へと進級したときに、文章理解力の向上につながっていくのです。このことからも、読書は早い時期から語彙力に影響し、そのときに得た言葉の知識は学年が上がるにつれて色濃く反映されることがわかります。

すぐに結果が出るものではないですが、長期的な視点で見てみると、国語力を上げるために読書が有効であるということは明確でしょう。

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これらのデータや実験結果から、私たちが思っている以上に「国語」と「読書」の関係は深く、本を読むことが学力アップにつながっていることがわかりますね。子どもたちがたくさんの良い本に出会うきっかけを与えてあげるのは、私たち大人の役目です。ご家庭でもぜひ「読書時間」を作ってみてはいかがでしょうか。

(参考)
リクルートマネジメント ソリューションズ|読書は子どもの学力を上げるのか?
日経DUAL|舞田敏彦  データで読み解くDUALな疑問|子どもの読書習慣 新聞を読むと学力に好影響
児童教育の基盤となることばの教育に関する研究の部|小学校低学年児童における読書量、語彙力、文章理解力の関係