あたまを使う/教育を考える/国語 2019.9.2

「言葉遊び」で生涯年収が上がる!? 語彙がどんどん増える楽しい遊び5選

編集部
「言葉遊び」で生涯年収が上がる!? 語彙がどんどん増える楽しい遊び5選

子どもが言葉を覚え始めると、たくさんの言い間違いをしたり、大人が思ってもみない考え方で言葉を新しく作ったりすることがありますよね。このような言葉への関心が高まっている時期に「言葉遊び」をすると、語彙力アップにもつながります。

私たちが普段使っている日本語は、ひらがなとカタカナは文字と音がリンクしていますし、同じ音でも違う意味になる言葉(同音異義語)が多いため、しりとりやダジャレなどの言葉遊びにぴったりです。今回は、親子で楽しめる「言葉遊び」を5つご紹介します。

何歳になっても語彙力アップにつながる言葉遊び

おしゃべりができるようになった子どもは、さまざまな言い間違いや造語をするようになります。お子さんが、とうもろこしを「とうもころし」、くつしたを「つくした」となる音を入れ替えて発音したり、コップを「ポック」、たまごを「たがも」と母音と子音が入れ替わったような言い間違いをしたりした経験はないでしょうか? または、「来る」の活用を知らないために「おばあちゃん、まだ来(き)ないねえ」と言うこともあったかもしれません。

言葉を話し始めた2歳頃から、発音のしやすさによって文字や音が入れ替わる言い間違いは増えてきます。また、文章で言葉を組み立てられるようになる頃には、子どもが自分なりのルールを見出して言葉を整理しだすことで、ユニークな表現も多くなってくるでしょう。

東京大学総合文化研究科教授で言語学者の広瀬友紀氏によると、これらの言い間違いは訂正する必要がないのだとか。子どもは自分の中で言語の規則を組み立てている段階であり、「親が訂正しなくてもいつかは規則が完成する」と現状を楽しむことが大切だそう。

このような言葉の感受性が高まる時期に、お子さんと一緒に言葉遊びをすると、音や言葉への意識や関心を高めることができ、語彙力アップにつながります。また、言葉遊びは言語習得が始まる幼児期を過ぎてからも、年齢に関係なくいつまでも楽しみながら語彙力を増やし、言葉のセンスを磨いてくれます。もちろん私たち親も、子どもと一緒に遊びを通して語彙力のブラッシュアップができますよ。

言葉遊びでアップした語彙力は、生涯年収をも左右する

日本語は言葉遊びをしやすい言葉です。英語の「A」は後ろに続く言葉によって「ア」「エイ」「アイ」と読みが変わりますが、「あ」はいつでも「ア」です。文字と音が1つずつ対応しているので、同じ音でも違う意味になる言葉(同音異義語)がたくさん存在しています。同じ「あめ」でも「雨」と「飴」、「はな」は「花」と「鼻」、「かみ」は「紙」と「髪」「神」のように、意味が2つ以上になるものが多いのです。子どものころ、皆さんもこうした言葉遊びを楽しんでいたことでしょう。

言葉遊びは「遊び」ですから、相手やグループ間でのコミュニケーション力も育まれますし、語彙力がアップすると、言葉への関心も高まり、読書への興味文章読解力の向上にもつながります。さらに、明治大学文学部教授の齋藤孝先生によれば、語彙力が増えると生涯年収にも影響があるのだそう。

「(省略)大学には、能力的に似ている人たちが集まりますが、生涯年収は“どこに所属するか”で決まります。転職や起業で年収が伸びる人は少ないので、だからこそ、一般論で言うと、最初の就職が肝心。就職活動のわずか3カ月くらいで、だいたいの生涯年収が決まってしまうわけです。そこで一番最初に問われるのが、語彙力やコミュニケーション能力。言葉やコミュニケーションで円滑にやりとりができないと、面接にすら通りません」

(引用元:ママテナ|齋藤孝教授が語る【語彙力と生涯年収】の意外な関係

言葉遊びが生涯年収を左右する一因になるとなれば、早いうちからどんどん取り入れておかない手はないですね。

言葉遊び03

おすすめの言葉遊び5選

文字と音が対応している日本語は、言葉遊びもバリエーション豊かです。ここでは、子どもの成長に合わせて親子で楽しめる、5つの言葉遊び「同じ音で始まる言葉探し」「しりとり」「逆さ言葉」「連想ゲーム」「早口言葉」を紹介します。

同じ音で始まる言葉探し

「『あ』から始まるものなーんだ?」と質問を投げかけ、できるだけたくさんの言葉を探します。ルールがシンプルなので、年齢の低いお子さんでも参加しやすいのが特徴です。ママと子どもの1対1だけでなく、パパや兄弟姉妹、おじいちゃん、おばあちゃんも加わると語彙の幅がぐんと広がります。

「あ」以外の文字で遊ぶことはもちろん、語尾の文字を指定すると語彙力がアップします。また、「ほかの人が言った言葉はNG」というルールを決めると、自分以外の人の言葉に耳を傾けるトレーニングにもなりますね。

 

しりとり

「しりとり」も定番の言葉遊びで、年齢を問わず考える力や語彙力をアップしてくれます。教育指導に携わっている高橋 公英氏によると、見聞きした言葉をしりとりで実際に使うことによって「使える言葉」として定着し、語彙力が上がるのだそう。

しりとりに慣れてきたら、「言葉のジャンル指定」「文字数しばり」といった条件をつけても楽しめます。親御さんの言った単語に対して、お子さんが「それってどういう意味?」と反応してきたら図鑑で調べたり、インターネットで画像を見せたりして説明してあげると、さらなる学びにつながりますね。

 

逆さ言葉

「コップ」が「プッコ」になるだけで楽しめる「逆さ言葉」も、子どもたちが大好きな遊びです。最初は、子どもの身近にあるものの名前をどんどん逆さにしていきます。慣れてきたら、少し文字数の長いものにチャレンジしてみましょう。

また、「トマト」「しんぶんし」など、初めから読んでも終わりから読んでも同じ言葉(回文)を探す逆さ言葉も子どもたちは大好き。昔からある「たけやぶやけた」「わたしまけましたわ」といった回文も、子どもたちは新鮮に感じて喜びますよ。「話すスキル」の学習として、小学校の授業にも取り入れられている回文、音読の際はいつもより盛り上がるのだとか。

 

連想ゲーム

単語での言葉遊びに飽きてきたころ、おすすめなのが「連想ゲーム」です。「白くてやわらかくて甘いもの、なーんだ?」(答え マシュマロ、綿菓子など)のように、ヒントを出してクイズを出してみましょう。その際、「アイスクリーム!」「パン!」など、親御さんが想定していたものとは違う答えが出ても正解にすることが大切です。お子さんに自由に想像させてあげましょう。

また、「連想ゲーム」の発展型として「私は誰でしょうゲーム」もおすすめ。「私はとても大きな動物です。私は灰色です。私は長い鼻を持っています」と、少しずつヒントを与えて正解を考えさせるゲームです。進研ゼミの国語教材開発担当者によると、このゲームを通して語彙力だけでなく論理的思考力も鍛えることができるのだそう。

 

早口言葉

皆さんお馴染みの「生麦生米生卵」や「赤パジャマ黄パジャマ茶パジャマ」「東京特許許可局」など、言いにくい言葉をなるべく早く言う「早口言葉」も、子どもたちが大好きな遊びです。日頃、使わない語彙も多いですが、発音しにくい音が並んでいるので、言い間違えないようにするには集中力が必要となり集中力アップが期待できます。また、滑らかに言えるように何度も繰り返す練習が、粘り強さを身につけることにもつながりますよ。

 

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言葉遊びは、子どもの語彙力アップだけでなく、コミュニケーション力、集中力、粘り強さなど学力では測れない非認知能力も高めてくれます。また、「いつでも」「どこでも」「誰とでも」できることも、優れた点のひとつです。長旅の車内や病院の待ち時間など、退屈になりやすいときこそ、親子で楽しんでイライラ解消と語彙力アップに活用してみてくださいね。

(参考)
STUDY HUCKER|語彙を増やして知性を磨く。語彙力を高めるのに効果的な3つの習慣
学研おやこCAN|子育て情報 家庭でできる簡単文字・言葉遊び
ベネッセ教育総合サイト|語彙力につながる「言葉遊び」
いこーよ|子どもの世界を広げる「ことばあそび」【あそびのたね連載】
いこーよ|車や電車の移動時間は親子で「ことば遊び」を楽しもう
ママテナ|齋藤孝教授が語る【語彙力と生涯年収】の意外な関係
Gymboree|子どもの思考力を伸ばす! 「言葉遊び」を楽しむためのアイディア5つ
WEDGE Infinity|子どもの「言い間違い」は直さなくても大丈夫?『ちいさい言語学者の冒険』広瀬友紀教授インタビュー
ベネッセ教育情報サイト|遊びのヒント
All About|幼児から小学生まで遊べる しりとりで語彙力UP!