あたまを使う/国語 2018.6.21

小学校入学前にどこまで必要? 自宅で教える「ひらがな」の読み書き

編集部
小学校入学前にどこまで必要? 自宅で教える「ひらがな」の読み書き

入学目前の秋から冬にかけて行われる小学校の入学前説明会では、「入学するまでにできるようにしておいてほしいこと」について、校長先生や教頭先生または現1年生の学年主任の先生から話を聞く機会があります。

おそらく、話の中身は、着替え、ボタンの付け外し、トイレなど身の回りのことができるようにしておく、自分の持ち物がわかるようにしておくなど、生活面での「できること」が多く、学習面では「自分の名前がひらがなで読めるように」「1から10までの数が読めるようにしておく」くらいに留まることが多いようです。

とはいえ、現代の子どもたちは保育園や幼稚園の就園率が高く、すでに園でひらがなや数字の読み書き、10までの足し算や引き算まで学んでいる子が多いのも現実です。そのため、小学校でのひらがなや数字の練習はじっくり時間をかけるというよりは、さらっと進んでいくことも多くなっています。

初めてのひらがなを学ぶとき、子どもがそのスピード感に乗り切れず戸惑わないよう、入学する前にはある程度のひらがなの読み書きはできるようにしておく必要があるようです。

ひらがなを読めれば、必ず書きたくなる!

まずは、ひらがなを1文字ずつ読めるようにすることから始めましょう。いきなりひらがなを書かせようとしても、子どもにとって読み方(意味)がわからなければ、文字は絵と同じ存在です。読めるようになってくると、子どもは次第に書くことへも興味を持ち始めます。

ひらがなの教材は生活の中にあふれています。絵本の文字、お菓子の袋、買い物に出かけた先のスーパーの棚、バスや電車の中などお子さんが興味をもちそうな場面で、一緒に読んでみたり、これは何て書いてあるんだろうと一緒に読んでみたりして、ひらがなにふれる機会を多くします

さらに、子どもたちは早ければ年中児の年頃になると、ひらがなで手紙を書いて友だちとやりとりすることがあります。お子さんが園のお友だちから手紙をもらってきたならば、ひらがなを学び始めるための絶好のチャンス到来です。お子さんとお友だちの名前に加え、2~3語の簡単な文章が添えられたお手紙をもらったら、一緒に読んでみましょう。どんなことが書いてあったのかがわかったうえで、「お返事を書いでみようか」と促してみて興味があるようだったら、ひらがなを書くきっかけになります

いきなり文字を書くのは至難のワザ。まずは鉛筆の使い方から

ひらがなを書く前に、まずは鉛筆を正しく使えているかチェックします。

また、鉛筆が正しく持てるようになるためには、順序だった発達過程を経ることが大前提です。鉛筆の持ち方にこだわる前に、はしがきちんと持てているかを見てみましょう。はしが正しく持てるようになれば、鉛筆も正しく持てるようになります。

(引用元:ベネッセ教育情報サイト|小学校入学準備「文字と数の学習。本当に必要なこと」

正しく鉛筆を持つためには、スプーンを親指、人差し指、中指で支えて持てることが前提となり、そこから鉛筆や箸の正しい持ち方へ発展させます。

鉛筆が正しく持てるようになったら、次は、筆の運び(運筆)に慣れさせます。ひらがなを構成する直線や曲線、「はね」や「はらい」を繰り返し書いて練習します。グルグル円を描いたり、ジグザグのZ線を書いたりしても良いでしょう

文字を習いたてのころの子どもの筆圧は、驚くほど弱いものです。直線を書かせてもブルブルとふるえていることがあります。まっすぐ書けるようになるのが目標ですが、最初の線がまっすぐ引けなくても焦らせず、徐々に指の力がついてくるのを見守ってください

最初の1文字は「あ」からスタートしない

鉛筆が正しく持てるようになったら、文字を書く練習を始めます。ひらがなは「あいうえお、かきくけこ……」で始まるので、ついつい「あ」から順番に始めようとしがちですが、最初は画数が少ないものから始めます。

「つ」「く」「し」「の」は1画で書ける簡単な文字です。まずは、この3文字から書けるように教えましょう。「さ」と「き」、「は」と「ほ」、「ね」と「わ」、「ぬ」と「め」、「と」と「を」などよく似ている文字は、セットにして覚えさせたくなりますが、別々に練習してからよく似たペアを見せて「気づき」を与えると子どもは目を輝かせて、「間違い探し」楽しむようになります

終盤には「あ」「な」「ふ」のような画数が多く、バランスを取りにくいひらがなを練習します。「がぎぐげご」「ぱぴぷぺぽ」「きゃきゅきょ」などは、一通りの清音(「゛」や「゜」、小さい文字以外)を練習してから取り組むと分かりやすいです。

小学校入学前に覚えておきたいラインとは?

1年生になると、学校の机やいす、靴箱にひらがなで名前が書いてあります。幼稚園や保育園のように、ひとりひとりが区別できる動物や花、食べ物などのシールが貼られているわけではありませんので、学校で子どもが困らないよう「自分の名前が読める」ラインまではおさえておきたいものです

また、1年生の国語の授業では、先生がほとんどの子がひらがなの読み書きができていると判断すれば、あまり時間をかけて指導をしないかもしれません。そのため、すべてのひらがなを読み書きできていないと、そのスピードについていけないこともあります。

しかし、チャイルド・ラボ所長で「日本子ども学会」常任理事の沢井佳子先生は、次のように指摘しています。

ある研究では、幼稚園年長組の時点で読み書きの習得状況に大きな差があった子どもたちも、小学校1年生の9月には、子どもたちの読み書きの技能(スキル)には差がなくなっていたという結果が出ています。ですから、読み書きの技能はいずれ身についていくものととらえて、あまりこだわりすぎないことが大切です。

(引用元:ベネッセ教育情報サイト|ひらがなカタカナの読み書きや、言葉の理解のために、こんな工夫をしました

入学前の子どもには、学習意欲をそぐことのないよう楽しみながら、ひらがなを身近な存在に感じさせることを第一に考えて、学びの機会を与えることが大切といえるでしょう

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幼稚園や保育園で、お子さんのお友だちがひらがなを読み書きできているのを見ると、親は焦りを感じやすいものです。それでも決してお友だちと比べることはせず、お子さん自身のペースで覚えられるよう見守りましょう

(参考)
All About|入学前にひらがなの読み書きは必要?
ベネッセ教育情報サイト|小学校入学準備「文字と数の学習。本当に必要なこと」
ベネッセ教育情報サイト|ひらがなカタカナの読み書きや、言葉の理解のために、こんな工夫をしました
『はじめてのひらがな1集 (もじ・ことば 1)(2歳~)』,くもん出版.
文化庁|かなの教え方について(報告)