世界に羽ばたいてほしい! そう思って、我が子に地球儀を買い与える親御さんは多いでしょう。せっかく買ったその地球儀、うまく活用できていますか? 何回か眺めたけれど、いつの間にかただのオブジェに……なんてことになってはいませんか?
地球儀は、使い方次第で子どもの興味関心を大いに広げる可能性を秘めているもの。教育者として有名な陰山英男先生も、子どもの知的好奇心を刺激し満たすのに地球儀は最適だと言います。
今回は、子どもの学びにつながるような、地球儀の上手な活用の仕方を解説します。
地球儀の豊富なラインナップ
地球儀とひとことで言っても、さまざまな種類があります。ここからは地球儀のタイプをいくつかご紹介しましょう。
地球儀には、大きく分けて「地勢型」と「行政型」の2種類があります。
地勢型
標高の高い場所を茶色、低い場所を緑色で色分けし、山岳や平野などの地形を表現したもの。地形を学ぶのに向いています。
行政型
国別に色分けされ、国の大きさや形、位置を分かりやすく表現したもの。国名から子どもの興味をひきやすく、子ども向け地球儀、初めての地球儀としておすすめ。
他には、特産品や世界遺産が記された地球儀や、衛星写真を使用して宇宙から見た地球を表現した地球儀、付属のタッチペンを使い音声で情報を聞くことのできる地球儀などもあります。子どもだけでなく親も楽しめそうですね。また、洗練されたデザインで見た目の美しい地球儀も数多く登場していて、近頃はインテリアグッズとしても注目を浴びているそうですよ。
地球儀は何歳から与えるべき?
子どもに地球儀を買ってあげるとしたら、何歳ぐらいからが適切なのでしょうか。
文部科学省の学習指導要領によれば、小学校の授業に地球儀が登場するのは小学校5年生から。では、5年生より小さな子どもには地球儀はまだ早いのかといえば、そんなことはありません。地球儀は、幼児期からでも十分に学びにつなげられる学習アイテムです。
中学受験教育を専門に手がける小川大介氏は、著書『頭がいい子の家のリビングには必ず「辞書」「地図」「図鑑」がある』の中で、辞書、地図、図鑑と並んで地球儀が、子どもの学力を伸ばすための重要なツールなのだと言います。地球儀が家庭にあると、生活の中に学びを取り入れやすくなるのだそう。
茶の間でうっすらと得た知識が小学校、中学校の社会や理科の授業と結びついたとき、「あ、これ知ってる!」となるでしょ。知っていることは嬉しいし、先生や友達に「すごいね」と褒められる。自信がついて、さらに勉強が楽しくなる。これが頭のいい子のサイクルです。「勉強せい」と言うなら、リビングに地球儀を置いてほしいですね。
(引用元:ココチモ|「勉強しなさい」という代わりに、リビングに地球儀を置いてください。中学受験のカリスマ小川大介さんインタビュー)
地球儀をくるくる回して、聞いたことのある国を探す。これだけなら、地球儀にまだ慣れていない小学校低学年の子どもでも難しくなさそうです。ニュースで見たり聞いたりした国名も、耳で聞くだけでなく地球儀に触れて自分で探したという体験があれば、知識としてより記憶に残りやすくなるでしょう。
「うちの子にはまだ地球儀は早いのでは?」と思っている未就学児の親御さんもいるかもしれませんが、そんな心配は要りません。地球儀は、遊びながら学習できる道具。また、年齢が低いほど、地図や地理に対する苦手意識がありませんから、遊び感覚で地球儀からいろいろなことを学ぶことができますよ。地球儀をおもちゃ代わりにして遊んでいるうちに、興味が広がって学習にもつながるのだとしたら、こんなにうれしいことはありませんよね。
学びに効果的な地球儀の使い方
ではここからは、子どもの年齢や興味別に、楽しみながら学べる、地球儀の効果的な使い方をご紹介しましょう。
未就学児の子どもにもおすすめ…親子で国名あてっこゲーム
これは小川さん推奨の地球儀活用法。地球儀をくるっと回して、手でぴたっととめた時に指が触れた箇所の国名を当てっこする、というゲームです。まだあまり多くの国名を知らない小さなうちは、アメリカ、中国、オーストラリアなど、有名で面積の広い国を狙ってクイズを出してあげてください。太平洋などの海洋名に興味を持つきっかけにもなりますよ。
テレビをつけていると、「アメリカ合衆国のトランプ大統領は……」「ロシアで開催されているサッカーワールドカップで……」など、世界を舞台にしたニュースが数多く流れてきますね。そんな時、「アメリカってどこ? どうやって行くの?」などと聞いてきたら、さあ地球儀の出番です。 受験アドバイザーの和田秀樹さんは陰山先生との共著書の中で、スポーツなどを題材にすれば、低学年の子どもでも興味を持つことができるし、親の海外旅行の経験を話してあげるのもよいと言います。2020年には東京でオリンピックが開催されます。ますます地球儀が活躍する機会が増えることでしょう。 地球儀は、地球上の地理だけでなく、宇宙における地球について学ぶのにも役にたちます。 「あ~暑い! なんで夏って暑いの?」「夜と昼があるのってどうして?」などと子どもが質問してくることがあるでしょう。そんなときは、地球は軸が傾いた状態で太陽の周りをまわっていることや、1日1回自転していることなどから、四季が生じたり昼と夜ができたりするのだと説明してあげてください。懐中電灯を太陽に見立てて地球儀に当ててみれば、体験しながら学ぶことができ、より興味をひきますよ。 *** そして、地球儀は必ず、リビングなどすぐに手を伸ばせる場所に置いてくださいね。お子さんの興味関心が、グローバルに広がっていきますように。 (参考)理科に関心がある子どもにおすすめ……昼と夜があるのはなぜ? 四季はどうしてできる?
地球儀をすでにお持ちのご家庭は、さっそく今日から実践してみてください。そうでないご家庭は、この機会に1つ、地球儀の購入を検討してみてはいかがでしょうか。
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