「ねるねるねるね」という名前に懐かしさを感じる人も多いことでしょう。粉と水を混ぜて練っているうちにできあがるお菓子を自分で作って食べる、あのワクワク感を思い出しますね。
皆さんが子ども時代に遊びながら食べた「ねるねるねるね」は、現在、「知育菓子®」という名前でシリーズ化され、子ども向けお菓子の新ジャンルを形成しています。今回は、代表的な「ねるねるねるね」をはじめとする「知育菓子®」を4つ取り上げ、それらのどの部分が「知育」になるのか考えてみます。
「知育菓子®」とは、子どもの成長に大切な力を育むお菓子
「ねるねるねるね」は1986年に発売されると、子どもたちの間で瞬く間に大人気のお菓子となりました。駄菓子屋でおなじみの水で溶いて作る粉ジュースをもともとクラシエフーズが生産販売していたことにルーツがあるそうで、今でも「粉と水」にこだわって商品を開発しています。粉に水を入れて練れば練るほど色が変わる、固まる、膨らむ――その変化を子どもはおもしろがり、興味をもったのでしょう。
しかし当時、「スーパーのお菓子売り場で、親にねだってねだってようやく買ってもらった」という記憶を持つ方もいるかもしれません。親御さんの中には、食べ物で遊ぶことに抵抗感を感じたり、「色が変わったり膨らんだりするなんて、何が入っているのかわからない」という先入観から子どもに買い与えたくないと考えたりする方も多かったはず。
この「食べ物で遊ぶこと」への親の抵抗感を払しょくするのが、クラシエフーズが2005年に名付けた「知育菓子®」というコンセプトです。
「おやつの時間に夢中で作る。そんな楽しい体験を通して、
子どもの成長に大切な力を育むお菓子。」
知育菓子®はそうした存在でありたいと願っています。
(引用元:ねるね研究室|知育菓子®について)
今の子どもたちは、おやつにお菓子をお腹いっぱい食べることよりも、楽しい体験ができるおやつを求めているという傾向をつかんだクラシエフーズは「知育菓子®」を打ち出し、さらに、商品には保存料や合成着色料は含まれていないという点をわかりやすくパッケージに表示しました。
知育とは、記憶力・思考力・判断力・イメージ力
ところで、「知育菓子®」の知育とは具体的に何を指すのでしょうか。クラシエのホームページには、以下のように書いてあります。
「お菓子を作る」という楽しい体験を通して、豊かな創造力を育むことを
私たちは「知育®」と呼んでいます。
(引用元:ねるね研究室|知育菓子(R)について)
また、ベネッセ教育情報サイトでは、知育について「計算や読み書きなどの『学習能力』のことではなく、思考力や記憶力、判断力、発想力、想像力といった “知的能力” のこと」としています。
知育とは、単に「頭の良さ」だけをみがくことではありません。「私の使ってる玩具を○○ちゃんが貸してと言ってきた。まだ遊びたいけどイヤって言ったら、○○ちゃん泣いちゃうだろうな。だったらがまんして貸してあげよう」というような想像力や判断力は、思いやりや優しさにつながります。知的能力を育てることは、子どもの心を豊かにすることにもつながるのです。
(引用元:ベネッセ教育情報サイト|将来の可能性を広げよう! 子どもと楽しむ知育教育のススメ)
子どもの心を豊かにし、創造力をも育める「知育」が、おやつの時間に楽しみながら可能になる――なんとも魅力的な「知育菓子®」ですが、このほかにも、なんと「脳」の活性化にも有効なのだそう。
金沢工業大学大学院博士課程1年の沖沙矢佳さん(神宮研究室)が2018年に行なった実験によると、カラフルなグミやキャンディを作る商品「カラフルピース」には、以下の効果があることがわかりました。
- 「知育菓子®」をつくったあとも集中力(脳の活性化)が持続
- 「知育菓子®」をつくると副交感神経が活性化しリラックスできる
楽しいだけでなく集中力アップにも効果があるなんて、親としては、遊ばせないなんてもったいない気持ちになってきますね。
クラシエフーズ「知育菓子®」の知育ポイント
では最後に、クラシエフーズの「知育菓子®」から人気の商品を4つを選び、魅力と知育効果をご紹介しましょう。
■ねるねるねるね
<作り方>
- 1番の袋に入っている粉をパッケージのトレイに入れ、三角カップ1杯分の水を混ぜると、もこもこした紫色のクリーム「ねるねる」ができる
- そこへ2番の袋の粉を入れて混ぜると、クリームの色が変化する
- 最後に3番のキャンディチップを「ねるねる」につけて出来上がり
1番の粉をぐるぐる混ぜていくと、もこもこしたクリームができあがり、2番の粉を加えると色が変化することに驚いてワクワクするのが、「ねるねるねるね」の魅力ですね。「ねるねる」が紫色から変わるのは、紫キャベツやブルーベリーにも含まれているアントシアニン系色素によるもの。試験紙と同じで酸性で赤色、アルカリ性で青色に変化します。もこもこ感は、果物にも含まれる「クエン酸」とベーキングパウダーの原料「重曹」が反応して発生した炭酸ガスを利用しています。
■つかめる!ふしぎ玉
<作り方>
- 「ふしぎジュースのもと」と水をトレイに入れてスプーンで混ぜる
- 「玉のもと」と水を別のトレイに入れてスプーンで混ぜる
- スプーンに「玉のもと」を注ぎ、「ふしぎジュース」の中に入れる
- 5分待つと固まる
粉と水をまぜた2つの液体から、ぷるぷるした感触の「ふしぎ玉」が作れる、おもしろい「知育菓子®」です。ぷるぷるのふしぎ玉のヒミツは、理科の実験キット「つまめる水」とまったく同じ原理によるもの。海藻に含まれる食物繊維のひとつ「アルギン酸ナトリウム」の溶液(玉のもと)を、食品添加物に使われる「乳酸カルシウム」の溶液(ふしぎジュースのもと)の中に入れることで、「アルギン酸カルシウム」の膜が形成されて、指でつまめるようになるのです。
■たのしいおすしやさん
<作り方>
マグロ、たまご、イクラ軍艦のおすしをつくります。
- 「ごはんのもと」「たまごのもと」「マグロのもと」をそれぞれ、規定の分量の水を入れた専用トレイに入れて混ぜる。「たまごのもと」と「マグロのもと」はトレイに平らに広げる
- 黒いソフトキャンディーを、シートに描かれた海苔の大きさに広げる
- 「イクラのもとA」と「イクラのもとB」を、それぞれ規定の分量の水を入れた専用トレイに入れて混ぜる。BをAの上にポトポト落としていくらを作る
- 専用シートの上で「たまご握り」「マグロ握り」「イクラ軍艦」を仕上げる
- 「しょうゆのもと」に水を混ぜてしょうゆを作り、おすしにかけて出来上がり
手順が多めのポッピンクッキンシリーズは、「ねるねるねるね」では少し物足りなくなった小学生のお子さんでも楽しめます。イクラ作りには、先に紹介した「つかめる!ふしぎ玉」の原理を応用しています。握りずしと軍艦巻きを作るプロセスを遊びながら体験することができます。最後に醤油も添えて、本格的な「おすしやさんごっこ」を楽しめます。本当のお寿司を親子一緒に作ってみて、その違いを経験させるのも楽しそうですね。
■できたてパンやさん
<作り方>
パン生地をアレンジして「メロンパン」「いちごデニッシュ」「くまさんパン」を作ります。
- 「いちごゼリーのもと」を水で溶かし、型に入れて固める
- 「パン生地のもと」に水を含ませて手でこね、パン型に入れて固める
- 「メロンパンの皮のもと」に水を含ませて混ぜ、手でこねてから伸ばして2のパン生地を包む。そして表面にスプーンで線を入れる
- 2と3をレンジで加熱する
- 「カスタードのもと」を袋に入れたまま水を加えて混ぜ、袋の端を切ってしぼり、袋に仕上げる
- 4で焼いたパン生地に、1のいちごゼリーと5のカスタードクリームで飾りつける
- 「オレンジソーダのもと」に水を加えて混ぜる
最近のシリーズには、今までにない「レンジで加熱する」という手法が加わって、より本物志向に近づいています。共通する材料から3種類のパンを仕上げるプロセスは、因数分解で共通因数をくくる考え方へのヒントにつながるかもしれません。また、「おすしやさんごっこ」と同様に、本物のパン作りを経験することができれば、より学びが深まるでしょう。
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これらの「知育菓子®」が子どもだけで簡単に遊べるのは、「用意するのは水だけ」「ふりがなつきの説明書で子どもにも読める」という点も見逃せません。大人がレシピを読んであげたり、計量を手伝ってあげたりしなくても、子どもだけで遊べるという仕掛けは「ひとりでできた」という達成感を育み、自己肯定感を高める基礎にもなります。
この「知育菓子®」は海外でも人気だそうで、「知育菓子®」を作る動画も何千万回と再生され、来日した外国人観光客がお土産にも買っているそうです。グローバルでも認められつつある「知育菓子®」、ぜひ親子で体験してみてください。
(参考)
ねるね研究室|知育菓子(R)について
ねるね研究室|商品紹介
ベネッセ教育情報サイト|将来の可能性を広げよう! 子どもと楽しむ知育教育のススメ
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