あたまを使う/教育を考える 2024.10.1

「宿題やりたくない」を「やる気マンマン」に! 文房具で変える学習環境

「宿題やりたくない」を「やる気マンマン」に! 文房具で変える学習環境

(この記事はAmazonアフィリエイトを含みます)

子どもたちが本格的な学びを始めるのは小学校に入学してから。入学直後は学校生活でのルールを知ることから始まりますが、その後、少しずつ学習の時間が増えていきます。その時間にきちんと集中して取り組むことができるかどうかは、実は、使っている文房具とも大いに関連があるのです。

今回は、どんな文房具を使えば子どもたちが意欲的に学習に取り組んでくれるのか、おすすめの文房具とともにご紹介します。

小学生にとって文房具は敵にも味方にもなりうる

学校にもっていく、鉛筆、消しゴム、筆箱、定規などの文房具。毎日使う相棒的存在のそれらは、子どもの集中力を左右するものでもあります。

たとえば1年生。鉛筆1本とっても、芯が硬くノートやプリントに引っかかる、力がいる、薄くしか書けなくて読みづらい、すぐに机から転がり落ちてしまうなど。ありがちなアクシデントですが、ここで子どもは気が散ってしまうことでしょう。

また、中~高学年になると、コンパスや分度器など、使う道具も増えます。自分でプリントを管理するためのバインダーやファイルなど、自己管理能力をサポートしてくれるアイテムも必要になります。

その時に、使う道具をどこにしまったかわからなくなる、いざ使おうとしたら使いにくい、宿題をしようとしたらプリントがランドセルの底で押しつぶされていた……そんなことが多発すれば、せっかく高まっていた勉強への意欲がガクンと下がってしまいます。文房具選びは子どもの集中力維持のために、非常に重要なのです。

親として完璧なものを揃えてあげたくなるもの。書きやすい筆記用具、中身を取り出しやすい筆箱、切りやすいはさみなど、使い心地がよくストレスがたまらない、とにかく機能性がよいものを選びたいですね。

子どもが気に入った文房具であることも大きなポイント。脳科学者の瀧靖之氏は、「好きな文房具やこだわりの文房具を使うと、学習にもプラスになる」と話しています。その理由は「ポジティブな感情と学習効果の関係にある」ようです。*1

「脳のしくみでいうと、感情をつかさどる扁桃体と、記憶をつかさどる海馬は近いところにあります。

そのため、感情と記憶は深く関わっていて、『好き』『楽しい』といった感情を持ちながら机に向かうほうが、『嫌だ』『つらい』と思いながら勉強するよりも、学んだことを習得しやすい効果が期待できるのです」

私たちが小学生の頃も、お気に入りの文房具を使うときは、勉強に対する意欲がアップしましたよね。ですから、色柄の好みや実際の使い心地などを考慮して、最終的には本人に選ばせてあげるのが、子どもの文房具の理想的な選び方です。では、学年別に、文房具の選ぶポイントを見ていきましょう。

文房具を選ぶ女の子

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低学年(1-2年生)の必要な文房具

■筆記用具

【鉛筆】
落ち着いて学習するためには、正しい持ち方をしやすく転がりにくい六角形のものがおすすめです。鉛筆の濃さは、筆圧が弱い子もはっきり書ける2B~6Bを選びましょう。学校による指定があることが多いので、入学資料をもらってから準備したほうが安心です。

【赤鉛筆・青鉛筆】
色鉛筆は絵を描くために色々な持ち方をしますので、指当たりの良い丸軸であるのが一般的です。それを踏襲してか、赤鉛筆も丸形が主流。しかし、机の上に置いたときに転がって落ちてしまう可能性を考えると、赤鉛筆も六角形のものを選ぶのがベターです。

赤青鉛筆は、丸付けなどで赤が先になくなり、青ばかり残ったまま新しいものに変えることになりがちです。ちょうどよく使い切れるように、赤と青の割合が7:3になっている製品もあります。

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【消しゴム】
とにかく消しやすいことが必須条件です。濃い文字を軽い力で消せる消しゴムが「小学生用」として販売されています。消しゴムは、落としてなくす、ちぎってボロボロにするなど消費が早いので、いくつかストックしておくことをおすすめします。

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■ノート類

【ノート】
B5サイズで、マス目や行数は学校より指定されることが大半です。小学1年生の1冊目は、学校から配布される場合も。しっかり情報収集してから購入しましょう。

■文具

【はさみ】
大人用ですとハンドルの穴が大きすぎて小さな手では切りづらいことも。長さ14cm~16cmを目安に、利き手に合わせて選んでください。「学童用」「子ども用」と書かれていれば、ほぼ間違いがありません。

【のり】
低学年のうちは、工作に使いやすく、広範囲に塗りやすい「液体のり」がベター。

【下敷き】
ノートに合わせてB5サイズで。使うときに気が散らないように、シンプルなものを選びましょう。表は書写がしやすいようにザラザラ、裏は筆算が素早く書けるようにつるつる、など1枚で2つの書き心地をもつ下敷きもあります。

【定規】
15cmまで測れるものを用意しましょう。まっすぐな線を引きやすいように持ち方のガイドがついているものや、長さを把握しやすいように端から0のメモリが付いているものがあります。

■収納用品

【連絡帳入れ】
ノートや配布されるプリントよりも一回り大きいA4サイズがおすすめ。L字にファスナーが付いているとプリントの出し入れがしやすく重宝します。

【筆箱】
低学年のうちは、箱型のマグネット式で、落としてもこわれにくく、大きな音がしないソフトタイプのものがおすすめ。一部透明になっていて、鉛筆がなくなっていないか、削れているか、すぐに確認できるものが便利です。

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■その他

【雑巾】
低学年の子の小さな手でも絞りやすく、また、乾きやすいように、薄手のタイプを選びましょう。

【粘土】
「油粘土」と呼ばれるものが、一般的な粘土にあたります。匂いが苦手な子には、無臭タイプもあります。

【クレヨン】
特に指定がなければ、16色入りを選びましょう。道具箱のなかで蓋が開いて、中身が出てしまわないように、ボタンホックやゴム付きのものを。紛失したときのために、バラ売りがあるかもチェックしておきましょう。

クレヨンで描いたカラフルな丸

中学年(3-4年生)の必要文房具

■筆記用具

【鉛筆】
小学3〜4年生の子どもたちは、文字を書くことに慣れてくるため、B〜HBの鉛筆を。本人に試し書きをしてもらって、書きやすいというものを購入しましょう。

■文具

【コンパス】
使いやすさと安全性を考えて選びましょう。鉛筆タイプで、針が短くカバーが付いており、簡単に折れない金属製のものが一番です。

【分度器・三角定規】
目盛りが見やすく、ずれにくい滑り止め付きが使いやすくおすすめ。分度器は、端から目盛りがついているものを選ぶと立体物の角度も測れます。

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■収納用品

【筆箱】
筆記用具のほか、分度器や三角定規を入れて使用することがありますので、収納力の高いポーチタイプを選ぶとよいでしょう。

■その他

【習字道具・絵の具セット】
学校で資料が配布され、一括購入する場合がほとんど。お下がりなどを使用する場合は、資料をしっかりチェックして、不足物がなければ問題ありません。

高学年(5-6年生)の必要文房具

■筆記用具

【鉛筆】
B〜HBの鉛筆がおすすめ。しかし、高学年は、勉強時間が増えてきます。硬すぎると必要以上に手に力が入って疲れてしまいます。長時間使っても疲れにくい濃さを選びましょう。

【消しゴム】
小さな字を書くことが増えてきますので、細かいところを消しやすいものを選びましょう。軽い力で、いつでもカドで消せるような感覚のものがおすすめです。

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■ノート類

【ノート】
タブレット学習での時間が増えてくる学校もあります。タブレットと共に置きやすいハーフサイズの横長ノートも便利です。

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■収納用品

【クリアファイル】
折り目がつかないように、しっかりとした素材のものを。配られたプリントを、保護者用のものと、自分が必要なものとに、もらったその場で判断できるようになると、プリント整理がぐんとはかどるようになります。

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お気に入りの文房具を選んだ! その後は……

前述のように、文房具選びのポイントは、使いやすいものの条件を押さえながら、子ども自身が好きなものを選ばせてあげることです。

ただ、気を付けておきたいのが学校のルールです。現在、約6割の学校に文房具に関するルールがあると言われています。なかには、キャラクターもの、おもちゃのような消しゴム、シャープペンシルはNGと厳格に定められているところも。

しかし、学校では使えない文房具をわが子が気に入ってしまったとしても、無理に諦めさせる必要はありません。「これは、家で宿題をするときに使おう」「習い事や塾用にしよう」と、学校以外で使えば◎! ですから、なるべく子どもの意志を尊重してあげてくださいね。*2

そして、お気に入りの文房具が増えてきたら、整理整頓のやり方を教えて、集中しやすい環境をつくってあげましょう。たとえば、よく使う文房具や勉強道具をまとめ、扉がない収納に指定席をつくっておくとスムーズです。教育評論家の親野智可等氏も、「置き場所を決めるときは、子どもの持ち物や生活の動線に合わせた仕分け」が重要だと語っています。*3

しょっちゅう出し入れする物は、なるべく使う場所から動かずに、手を伸ばして入れるだけのワンアクション収納に。(中略)
たとえばリビングで勉強するなら、必要な文房具を箱にセットしておけば移動も一回で済み、片付けるときも箱に戻して決まった置き場所に返すだけ。

たしかに、「よし、勉強するぞ!」と思ったときに手元に文房具がなければ、椅子を引き、机の引き出しを開け、ペンケースを取り出して……と、行動しなければなりません。しかも、勉強が終わったあとも、同じ動作をするとなれば、整理整頓への抵抗感が強まるでしょう。ワンアクション収納であれば、やる気や集中力が途切れることも少ないはず。

文房具の役割をしっかりと把握して選び、お気に入りの文房具で集中して学習。そのあとは、片付ける習慣もしっかり身につける――これができれば、子どもの自立へと一歩近づきます。

***
勉強する我が子がしっかり集中できているか。心配になったら、いまお使いの文房具を見直してみてください。

  • 機能的で使いやすいか
  • 耐久性があるか
  • いまの子どもの好みに合っているか

 
これら3点を満たすものを用意すれば、お子さんの学習環境を効果的にサポートできますよ。

文/松岡芙佐江

(参考)
(*1)参考・カギカッコ引用元・引用:Gakkenキッズネット|集中力もアップ!文房具選びで変わる学習パフォーマンス【脳科学者が解説】
(*2)参考・カギカッコ引用元・引用:Gakkenキッズネット|6割の学校で文房具ルールあり!令和の小中学生は家庭・学校・塾で文房具を使い分けている!
(*3)参考・カギカッコ引用元・引用:ベネッセ教育情報|《片付けが苦手な子》どうしたらできるようになる?【親野先生アドバイス】
参考:SONiC|小学生におすすめコンパス3選 「これでもう迷わない!」小学校導入率1位
参考:KOKUYOMAGAZINE|親御さん必見!小学校中高学年に役に立つ人気の文房具をご紹介!