「ママ、あのお月さま、なんで落ちてこないの?」「どうして太陽は空に浮いているの?」
子どものこうした質問はとっても可愛いらしいですよね。でもそう聞かれて、返答に困ったことはありませんか?「宇宙にあるから……」と答えるのも半分正解。でも、どうして “落ちないで浮いているように見えるのか” まで説明しようとすると、ちょっと難しいものです。
今回は「親も子も学べるシリーズ」として、太陽と月がどうして空に浮いているのかを、親にも子どもにも簡単に解説します。質問をする子どもへのわかりやすい「答え方」を載せていますのでぜひ参考にしてくださいね。
目次
太陽と月って、そもそもどんなもの?
まずは基本から。太陽と月の正体を知ることで、なぜ空に見えるのかがわかりやすくなります。
☀️ 太陽は、自分で光を出している大きな恒星。地球の約109倍の大きさがあります。いわば「宇宙の電球」のような存在で、とても熱くて明るい星です。
🌙 月は、地球のまわりを回っている衛星。自分では光らず、太陽の光を反射して光って見えています。月の表面は岩でできていて、太陽の光を鏡のように跳ね返しているのです。
【子どもへの説明例】
太陽は大きな火の玉で、自分で光ってる星。月は、地球のまわりを回ってる岩のかたまりで、太陽の光を鏡みたいに返して光って見えるんだよ。
どうして空に浮かんで見えるの?
では、「なぜ落ちない」のでしょうか。流れは以下のように説明できます。
太陽も月も、本当は “浮いている” わけではなく、宇宙にあってそれぞれの力で動いています。地球には「引力」という力があります。わたしたちが地面に立てるのも、リンゴが木から落ちるのも、この引力のおかげです。
月が落ちない理由を考えてみましょう。月は地球の引力に引っぱられています。でも同時に、横に動く速さを持っていて、ぐるぐる回り続けています。だから、落ちそうで落ちないで、地球のまわりを回っているのです。
身近な例で考えてみると、水入りバケツの実験を思い浮かべてください。バケツに水を入れて、腕を伸ばして縦にぐるんと一回転させると、逆さまになっても水が落ちませんよね。これは、回転する力が重力に勝っているからです。
また、ハンマー投げの選手を想像するのもわかりやすいかもしれません。選手がハンマーをぐるぐる回すとき、ハンマーは中心に向かって引っ張られるけれど、同時に外に向かう力もあるので、円を描いて回り続けます。月と地球の関係も、これと似ています。
【子どもへの説明例】
月はね、ほんとは地球に向かって落ち続けてるんだ。でも同時に横にぐるぐる回る速さがあるから、地球にぶつからないで回り続けてるんだよ。水を入れたバケツをぐるんって回すと水が落ちないのと同じだね。
☀️ 太陽と月の大きさと距離のふしぎ
じつは、太陽と月は大きさも距離も全然違います。
- 太陽の大きさは地球の約109倍。とても大きな恒星
- 月の大きさは地球の約4分の1。太陽に比べれば小さな衛星
それなのに、地球から見ると、太陽と月は同じくらいの大きさに見えます。
理由は「距離」にあります。太陽はとても大きいけど、地球からはとても遠い場所にあります。一方、月は小さいけれど地球に近い。だから、ちょうど同じくらいの大きさに見えるのです。
これは、近くにあるコインと遠くにあるお月さまが同じ大きさに見えるのと同じ原理。遠いものは小さく見え、近いものは大きく見えるという、私たちの目の特徴によるものです。
【子どもへの説明例】
太陽はすっごく大きいけど遠くにあるから、空で見ると月と同じくらいに見えるんだよ。近くの小さなものと、遠くの大きなものが同じ大きさに見えることがあるでしょ?
太陽と月についてもっと話そう! 親子の対話ヒント 🗣️
学びを広げるには、子どもと会話するのが一番です。難しく考えることはありません。子どもの目線に合わせた質問をしてみましょう。
子どもなりの答えを聞いたら、「そうだね」「なるほど!」と受けとめたあとに少しヒントを足すと、理解が深まります。大人も「どう説明しようかな」と一緒に考える時間が、最高の学びになります。
子どもの興味を引き出すには、まず大人が「なんでだろう?」と心から関心をもつことが大切です。年齢や理解に合わせて、ゆっくり会話を楽しんでください。だって宇宙のことって、本当におもしろいんです!
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太陽と月は、ただ “空に浮いている” のではなく、引力と回る速さのバランスで動き続けています。地球に落ちそうで落ちない——その絶妙なバランスが、私たちに朝と夜、美しい空の景色を見せてくれているのです。
空を見上げるたびに「あの月は、今この瞬間も地球に向かって落ち続けているんだ」と思うと、なんだかワクワクしませんか? 子どもと一緒に空を眺めながら、宇宙の不思議について語り合う時間が、きっと特別な思い出になるはずです。