誰かに何かを提案する。その提案を受け入れる。これは、年齢を問わず、日々繰り返し行われている行為です。例えば、幼児が友達を誘って、こう提案することがありますね。
大人は、職場でこんな提案をすることもあるかもしれません。
この2つの例を比べてみましょう。前者は「一緒に何かをしようという提案」です。英語ではこう表現できます。
後者は「相手に何かアクションを促す提案」ですね。英語はこう言えるでしょう。
このように、一口に提案といっても、様々な種類があるのです。
提案の仕方には、いくつもの定型表現があります。代表的なものを覚えておくだけで、いろいろな状況や場面で使うことができて、英語の表現の幅が広がります。
前回、慣用表現はネットワーク化して、関連づけて覚えるといいというお話をしました。今回は「提案」の慣用表現ネットワークを、タイプ別にご紹介します。
1-1. 相手に提案を求める「どうしたらいい?」
家族旅行の行き先、勉強の仕方、家事の進め方……。家庭内では、様々なことについてお子さんや親御さんの提案を求めますね。
Can you give me some advice about …?
~するのに何か提案はある?
How do you suggest that …?
私~しようと思うんだけど、それってどう思う?
What would you say if I …?
子どもたち同士で遊ぶときにも、双方からの提案は欠かせません。知っておくと便利なフレーズです。
1-2. 提案に対して感謝・賛同・感想を言う「ありがとう」
こちらの問いかけに応え、相手が良い提案をしてくれたときは、感謝や賛同の気持ちを表したり、感想を伝えたりする必要があります。
Thank you for your offer.
I appreciate your suggestion.
大賛成!
I’m all for it!
そうするね。
I’ll take it.
わくわくしちゃうね!
How exciting!
きちんとお礼を述べた後に、感想を伝えたら、さらに丁寧になりますね。
2-1. 相手に提案する「したらどう?」
今度は、相手に何かを提案するシーンを想像してみてください。親子の会話では、子どもに「どうしよう?」と聞かれ、親が「こうしよう」と提案する場面が頻繁に見られますね。
Why don’t you …?
How about …?
私があなただったら、~するでしょうね。
If I were you, I’d ….
ひょっとしたら~するのもいいかもね。
It might be better to ….
相手に「こうしたら?」と提案するときは、自分が含まれないので、相手中心の表現となります。
2-2. 相手からの提案を受け入れる「やってみるね」
相手からの提案を聞き入れるときは、なんて言ったらいいでしょうか。
I’ll try.
それっていいね。
I’ll buy that idea.
異論なし。
I have no objection.
「(あなたが)こうしたら?」と “You” で提案を受けているので、応答するときの主語は “I”(私)になるのがポイントです。
3-1. 自分も含めて提案する「一緒にしようよ」
冒頭で挙げた、幼児が友だちを誘うときの「ねえ、かくれんぼしよう」は、一緒に何かをしようという提案です。相手だけでなく、自分も巻き込んで提案を切り出すときは、こんな表現が便利です。
Let’s ….
~しませんか?
Why don’t we …?
一緒に~するのはどうかな?
Perhaps we should ….
3つ目のフレーズは、“Perhaps”(たぶん)のおかげで、押しつけがましく感じられず、使いやすい表現です。
3-2. 「一緒にしよう」の提案を「ぜひ!」と受け入れる
「一緒に~しない?」という提案を受けて、それに応じるときは、なんて言えばいいでしょうか。
Sure!
わるくないね!
Why not?
いい考えだね!
That’s a good idea!
もちろん!
Of course!
これらのフレーズは短く、丸ごと反復するだけなので、幼いお子さんでもマスターしやすいはずです。
4. 提案を断る「そうできたらいいんだけど……」
提案を断るときは、どう表現すればいいでしょうか。日本語では、このように語尾を濁す言い方がありますね。
一方、英語では明確に “No” と言い、申し訳ない気持ちや感謝の意を併せて伝えることで、表現を柔らかくします。
No, sorry.
いいえ、でもありがとう。
No, but thank you very much.
そうできればいいんですが。
I wish I could.
3つ目にご紹介したフレーズを使えば、直接 “No” と言わずに断ることもできます。
5. 曖昧な返事をする「場合によりけり」
かといって、英語ではいつも白黒をつけなければならないかといえば、そうでもありません。曖昧な返事をするときに便利な慣用表現をまとめてみましょう。
Yes and no.
まあ、なんとも。
More or less.
場合によりけり。
It depends.
君次第さ。
It’s up to you.
うーん……。
Well, let me see ….
ちょっと考えさせて。
Let me think about it.
このようなフレーズを知っておくだけで、様々な場面での表現の幅が広がるでしょう。
英語をマスターするには、英語の日常化が大切です。親子で一緒に、提案の慣用表現を練習してみてはいかがでしょうか。