教育を考える 2019.2.24

クラウドファンディングで夢を叶えた子ども達ーー道を切り拓く力を身につけるための極意とは

編集部
クラウドファンディングで夢を叶えた子ども達ーー道を切り拓く力を身につけるための極意とは

「木の上に秘密基地を作りたい」

多くの人にとってはぼんやりとした夢のままで終わるであろう発想を、話し合いや調べ学習を何度も繰り返し、クラウドファンディングという形で見事に叶えたのはなんと小学生の子ども達

彼らが自分達の力で夢をかなえることができた理由は、教育方法にありました。

クラウドファンディングで「夢」を叶えた子ども達

茨城県つくば市にある英語学童保育「Kids Creation Afterschool」「自分で人生を切り拓く実践力のある子どもを育てること」をモットーに、子ども達に主体的に考えさせる授業を中心に真の国際人を育むための教育を行っているアフタースクールです。

そんなKids Creation Afterschoolの行っている授業の一つが「探求プログラム」です。テーマを設定し、子ども達で意見を出し合って探求することによって「考える方法」「問題解決能力」を身につけることを目標としています。

ある日のテーマは「学童の庭を楽しくするには?」。話し合いの結果「木の上に秘密基地を作りたい」という夢を抱いた子どもたちは、なんと実際にクラウドファンディングで集めた資金で園庭にツリーハウスを作ってしまいます。


完成したツリーハウスに登った子ども達。眩しい笑顔です!

小学生の子ども達が、何度も話し合い、調べ学習を繰り返し、時に大人のアイデアや協力を求めながら自力で夢を叶えられたのはまさにKids Creation Afterschoolの教育モットーの通り「自分で道を切り拓く力」が身についていたからだと言えますね。

―いったい子どもたちはどのように「道を切り拓く力」を身につけることができたのでしょうか。Kids Creation Afterschool代表の宮嶋さやか先生に詳しくお話を伺いました。

「道を切り拓く力」とは? なぜ今必要?

――そもそも、「道を切り拓く力」とはどのようなものなのでしょうか? なぜ今、「道を切り拓く力」が必要なのでしょうか?

「AI時代の到来により、今ある職業の半分はいずれなくなると言われています。明確な答えのない不確かな時代だからこそ、『道を切り拓く力』がとても重要です。仮に自分の職業が無くなっても、絶望したり時代のせいにしたりするのではなく、新しい職業を作ってしまえばいい。そのように自分の手で困難な状況を打破するのが『道を切り拓く力』です。

『道を切り拓く力』を持つ前提として、自分がどう生きたいのかを知っている必要があります。
幼児期からたくさんの経験をし、他者とだけでなく自分とも対話を重ねてきた人は、自分の強みと弱み、好きなことと嫌いなことがよく分かっているため、自分の歩むべき方向もよく見えています。

その道を歩むうえで障害物があった時には、登るのか、壊すのか、迂回するのか、空を飛んでゴールに近道するのか、あらゆる方法を考え、実践します。上手くいかなくても絶望せず、考え得ることを実践し続ければ必ず状況は好転します。これが『道を切り拓く力』なのです」

夢を叶えた子ども達を育てた極意とは

――『道を切り拓く力』を鍛えるには『発想力』と『考える力』そして『問題解決能力』を身につける必要があると思います。幼少期に具体的に何をすればこれらの力が育つのでしょうか。

「まず『発想力』は自由な発想が認められる場でないと育ちません。例えば絵を描くことで言うと、髪の毛は黒、唇は赤、と指導するような教育環境では子ども達の発想力はどんどん失われていってしまいますよね。でも、”何色に塗るべきか”ではなく、”何色に塗りたいのか”を尊重すれば、子ども達はのびのびと自由に創造していきます。

例えば、髪を緑色に塗っても、虹色に塗っても認められ、褒められる環境にいると、他人と違うことを恐れる気持ちがなくなります。そして『お友達と自分が違う』ということが当たり前になっていきます。
そして、自身が自由な発想で表現することに加え、自分とは違う友人の発想にも毎日触れていく中で意識せずとも自然と発想力が育っていくのです。

『考える力』を培うためには、日頃から子ども達にたくさんの問いかけをすることが大切です。
2~3歳の幼児の場合、例えば「靴を自分で履けない」と訴えてきたらすぐには手伝わずに、「どうしたら履けるだろうね」と問いかけをします。すると子どもはどうしたら靴を履けるのか「考える時間」を持つことができます。

もう少し大きくなると、「なんで水は氷になるの?」「この虫は何を食べるの?」「赤ちゃんはどうしてご飯を食べないの?」と子どもから質問されることが増えてくると思います。そんな時は「あなたはどう思う?」と問い返すことで子ども自身が「考える時間」を作ることができます。もちろん答えが間違えていても叱ったりはしません。時間があれば、図鑑やインターネットを使って一緒に調べてもいいですね。

子どもから質問がなくてもこちらからさりげなく問いを投げかけるのも面白いです。「夕焼けがきれいだね。夕方になるとどうして空はオレンジになるんだろうね」などという日常の中での会話が、考える習慣をつくり、子どもの考える力を鍛えます。
日常は考える力を育む機会の宝庫です。特別な訓練もワークブックも必要ないんです。


何度も話し合いながら、協力してポスターを作る子ども達です。

『問題解決能力』は経験でしか得られないものです。そのためには子ども達を信じてある程度のリスクをとらせることも必要です。
当校の子ども達は木登りをしたり、山からジャンプしたりと非常に活発に遊ぶため、当然ケガのリスクを伴います。ですが、禁止事項を設けなくても不思議と大けがをする子はいません。子ども達が自分で考え、リスク回避をしているからです。考えながら遊び、たくさんの経験をする中で、子ども達は自然に問題解決することを学んでいます。

ここで、お友達とコミュニケーションを取ることも重要な要素になってきます。一人ではなく、仲間と協力したほうが上手くいく場合も多くありますし、友達と話し合い協力することで、自分一人ではできなかった解決法が可能になることも、遊びの中で学ぶことができます。

問題解決の方法は一つではありませんので、大人が望む答えとは違う選択をする場合もあります。その場合には「それも一つの方法だ」と尊重した上で、大人の考えを伝えることも良いでしょう。焦らなくても、挑戦できる環境、選択できる環境をつくっていけば、問題解決能力は必ず育つものなんです」

子ども達の将来はどうあるべき?

――「道を切り拓く力」を身につけた子どもたちは、将来どのような活躍ができると思われますか?

「子ども達の将来は、十人十色で良いと思っています。自分が生きたいように生きることができれば、それが一番幸せなことです。一般的に世の中の人がいう「活躍」の定義に当てはまらない自己流の生き方をする子もいるかもしれません。それでも、それはそれで素晴らしいということを前提にしてお話しますね。

私は『道を切り拓く力』を身につけた子ども達は、大きく言えば、世界を平和にするような大きな働きができる人になるのではないかと思っています。

『大きな山は一気に登ることはできなくても、一歩一歩、歩みを進めることで登りきることができる』ということを経験している人は、小さな一つ一つの問題解決の積み重ねの先に何が待っているのかをイメージすることができます。途方もないことのように思える日々の繰り返しにも、明るい希望を持つことができるのです。

これは机上では学べない大切なことです。道を切り拓く力を身につけた子ども達は、世の中の多くの課題を好転させていけると思います。活躍の場は、日本を超え、世界を超え、きっと宇宙にまで広がっていくはずです」

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「ツリーハウスを作りたい」という大きな夢を自分達の力で叶えることのできた子ども達にとって、今回の成功体験は糧と自信に繋がったことと思います。道を切り拓く力を身につけた子ども達はきっとこれからも希望を見出しながら人生を歩んでいけるはずですね。

【プロフィール】
宮嶋さやか(みやじま・さやか)
茨城県ひたちなか市出身。 茨城県立医療大学看護学科卒。小児科看護師として勤務した後、自分の子どもを通わせたい保育環境が見つからなかったため、看護師を退職し、2007年につくば市でプリスクール Kids Creation TSUKUBAを開講。
0歳から小6を対象に、「人生を切り拓く、しなやかで折れない心を育てる」ことをモットーに、独自の教育を行っている。

【Kids Creation Afterschool】
〒305-0003
茨城県つくば市桜1-18-1
029-869-5830
日本の子ども達を対象にした英語で学ぶアフタースクール・学童保育。英語を第二言語として学ぶ子ども達のためにデザインされた指導カリキュラムに、日本語で学ぶ「探求プログラム」を組み合わせることでグローバル時代に必要とされる真の国際人へと育てる教育を行っている。