2019.3.2

「地球」の笑顔のための乳酸菌!? 自由な発想とアウトプットする能力が磨かれる90分の出前授業とは?

編集部
「地球」の笑顔のための乳酸菌!? 自由な発想とアウトプットする能力が磨かれる90分の出前授業とは?

アサヒ飲料(株)では全国の小学校に出向いて「『カルピス』こども乳酸菌研究所」という出前授業を実施しています。“研究所”というからには、何か新しい発見を子どもたちにもたらしてくれるのでしょうか? その授業内容について、詳しくお話をうかがいましょう。

「『カルピス』こども乳酸菌研究所」から未来の科学者が!?

ーー出前授業「『カルピス』こども乳酸菌研究所」についてお聞かせください。

大沼さん
もともとこの活動は、2007年に経産省が立ち上げた「理科実験教室プロジェクト」に参画したところからスタートしています。ちょうどこの頃、子どもの理科離れや、科学者を目指す子がどんどん減少していることが取り沙汰されていたんですね。そこで「理科を好きになる子どもたちを増やそう!」ということから、このプロジェクトがはじまったのです。ですので、「カルピス」の出前授業「こども乳酸菌研究所」は、食育プログラムでありながらも、理科」「実験」という面にフォーカスを当てた内容になっています。

『「カルピス」こども乳酸菌研究所』プログラム

■Step 1:「カルピス」誕生物語
知恵と夢をもって、何かを新たに作り出すことの大切さを学ぶ

■Step 2:「カルピス」の味と香りを知る!
牛乳からつくられる「カルピス」を題材に、味や香りの特徴を調べる

■Step 3:乳酸菌や発酵のひみつを知る!
乳酸菌や酵母の発酵により、食べ物にどのような変化をもたらすか学ぶ

■Step 4:未来ディスカッション
「○○の笑顔のために」どのような乳酸菌を発見したいのかを考え、発表する

(アサヒ飲料|未来へピース ACTION!|「カルピス」こども乳酸菌研究所より)

大沼さん
このように、五感を使った体験を通して乳酸菌や発酵について学ぶほか、社員と子どもたちが未来について語り合う「未来ディスカッション」では、未来の乳酸菌を発表してもらうなど、子どもたちの知的好奇心を引き出す充実した授業内容となっています。

このプログラムの特徴は、やはり「未来ディスカッション」の部分です。90分の授業時間のうち、最後の20分くらいを使い、子どもたち同士で話し合いや意見をまとめて発表してもらいます。

ーーこの「○○の笑顔のために」の「○○」がポイントですね。対象が人だけではないという点で。

大沼さん
そうですね。このプログラムを考えたとき、「乳酸菌を口から摂取して健康になる」ということだけではなく、できるだけいろいろな案を出してもらいたいと思ったんです。そこで、「○○の笑顔のために」というテーマにしました。

この「○○」も、あえて「誰か」とはしていません。人じゃなくてもいいんです。たとえば「地球の笑顔のために二酸化炭素を減らす乳酸菌」とか、「植物の笑顔のために砂漠などに撒いて植物を増やしてくれる乳酸菌」とか。“人間”に限定しないことによってどんどんアイデアが広がっていき、子どもたちは本当に楽しそうに考えてくれます。

ーー夢が広がりますね。子どもたちからはビックリするようなアイデアが飛び出すのでは?

大沼さん
「歯磨きのかわりに飲める」「味がどんどん変わる」「海の中でも息ができる」など、子どもたちの発想力にはいつも驚かされます。乳酸菌は今400種類くらい発見されているので、その中から現実に商品化するものも現れるかもしれませんよね。実際に乳酸菌で虫歯予防ができるというものもありますし。

「カルピス」という身近な商品を題材にしていることで、もし理科が苦手な子が「面白そうだな」と興味を抱いてくれて、好きになるきっかけになってくれたら嬉しく思います。さらにその可能性を、「実際に自分が研究してみたい」というところまでつなげることができたなら、理科実験や研究の世界の活性化にも発展していくのではないでしょうか


「カルピス」の出前授業は、主体的に物事を考えたり発言したりすることを重視するプログラムになっています。

「夢」と「知恵」が新しいものを生み出す原動力

ーーこれまでにのべ何名の子どもたちが参加してきたのですか?

大沼さん
2007年に出前授業の形式でスタートしてから、昨年(2018年)までで約12,400名の児童が参加しています。小学校だけではなく、科学館やイベント会場でも「『カルピス』こども乳酸菌研究所」は開催されています。

ーー12,400人の「こども乳酸菌はかせ」がいるんですね! その中から未来の科学者が誕生するかもしれませんね。

大沼さん
楽しみですよね。この授業のコンセプトはゼロから新しいものを作ったり考えたりするということなんです。ですからまさに、これからの時代に必要とされる発想力や、物事を論理的に考える力を身につけることにつながるのではないでしょうか。

このテーマは、「カルピス」の生みの親である三島海雲の生き方や理念に通じるところがあります。100年前、三島は内モンゴルで栄養豊富な乳酸菌飲料に出会い、「日本のみんなにも飲んでもらって元気にしたい」という想いを胸に研究を進めて「カルピス」を生み出しました

「ゼロから新しいものを生み出す」と聞くと、自分には到底成し遂げられない偉業のような気がしますよね? でも三島ももともとは普通の人だったんです。ですから授業でも子どもたちに、「みんなも強い信念をもっていたら、新しいものを生み出せる人間になれるんだよ」と伝えています。

ーーこの授業を通じて、子どもたちに一番感じてもらいこととは?

大沼さん
三島海雲は「日本のみんなを元気にしたい」という“”をもったことから、乳酸菌の研究を通じて“知恵”を身につけました。つまり、授業のテーマでもある「ゼロから新しいものを作る」とはどういうことかというと、勉強だけでもダメだし、想いだけでもダメ。このふたつが一緒になることが大切なんですね。

授業では、前半に乳酸菌や発酵の秘密を知って“知恵”をつけてもらいます。そして後半では「こんな乳酸菌が見つかったらいいな」というアイデアを考えて、“夢”を描いていきます。このように、目的をもって勉強することの大切さに気づいてもらいたい、という願いを込めて授業を進めてます。

もうひとつ。理科や実験というと、器具を揃えたり白衣を着たり……といった少し難しいイメージを抱く人も多いかと思います。でも「カルピス」という身近なものでも、みんなが知らないことは案外たくさんあるんです。そういうことに気づいて、興味をもって自主的に調べてほしい、と私たちは願っています。「これはどうしてこうなっているんだろう?」と日常の不思議や疑問に対して深く考える力を身につけてほしいですね


「カルピス」こども乳酸菌研究所を通じて、自由に発想することの楽しさを感じてほしいと思っています。(大沼さん)

出前授業は「仕事」や「社会」について考えるきっかけにも

ーーこれまでの授業で印象的だったことはありますか?

大沼さん
出前授業は全国の小学校で行なっているのですが、講師として出向くのはその小学校の近くにある各事業所や工場で働く社員です。つまり、工場であれば技術系スタッフが、支社であれば営業部に所属している社員が、講師として子どもたちに教える立場になるんですね。

そこで自己紹介をするときに、普段どんな仕事をしているか伝えます。「工場で『カルピス』を流すロボットの設計をしているんだよ」と説明すると、生徒たちから「すごい! かっこいい!」なんて言われて盛り上がるみたいです(笑)。休み時間にはそのスタッフに話しかけに行くなど、「こういう仕事もあるんだな」と興味をもってくれるのが嬉しいですね。もしかしたら、このことがきっかけとなって将来の夢へとつながることもあるかもしれません。

また、実際に講師をした社員もみんな「自分たちが得るものが大きかった」と口を揃えて言っています。子どもたちの柔軟な発想力や素直な反応に刺激を受けて、仕事への取り組み方にも影響を与えていることがわかりますね。

***
90分の授業を受ける前と受けた後、きっと子どもたちは世界の見え方がガラッと変わるのではないでしょうか。今まで見過ごしてきた日常の「不思議」に目を向けるようになったり、世の中にはまだ知らないさまざまな仕事があることを知ったり、夢の可能性が広がるのを感じるはずです。

※「カルピス」はアサヒ飲料(株)の登録商標です。

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