教育を考える 2019.5.16

お子さんの「苦手」を知っていますか? 1年生→2年生進級時に気をつける学習ポイント

編集部
お子さんの「苦手」を知っていますか? 1年生→2年生進級時に気をつける学習ポイント

小学校に入学して1年も過ぎると、生活面や学習面でさまざまな悩みが出てくるのではないでしょうか。お子さん自身は学校生活に慣れるのに精一杯ですが、ずっとそばで見ている親御さんは、我が子の “苦手” に気づき始めているころだと思います。

今回は、1年生から2年生に進級したお子さんが学習面で陥りがちがな苦手ポイントや、家庭でできるフォローの方法などを詳しく見ていきましょう。

2年生、学習面での不安はどんなこと?

進研ゼミの保護者を対象にベネッセがアンケートを実施したところ、1年生から2年生に上がる際に学習面で準備しておいた方がいいことや、親が注意深く見ておくべきことについて、次のような回答が得られました。

□先生の言うことを一方的に聞くことが多かった1年生のころと違い、自分たちで話し合ったり計画したりして授業や行事の計画を進めていく機会が増える。自分のことは自分でするように親子で一緒に確認するなどサポートが重要。
□教科書にざっと目を通しておくなど、習うところを保護者が把握しておき、子どもの質問にすぐに答えられるようにする。
□生活の中で学習のヒントになるようなことがあれば、積極的に話題に出す。

1年生のころは、勉強といっても、言葉や数字に親しんだり、読み書きの基本を学んだりするくらい。子どもたち個人個人の能力に大きな差が生まれることはありませんでした。

しかし2年生からは、覚える漢字は倍になり、計算問題は複雑に、さらに2学期からは九九をマスターしなければなりません。より難しくなる授業内容を理解するためにも、家庭における学習サポートはまだまだ必要になるでしょう。

2年生の国語。学習のポイントは?

文部科学省の学習指導要領によると、1年生と2年生で学ぶ国語の目的は「日本語の言語文化に親しむことや理解する」「伝え合う力を高める」「自分の思いや考えをもつ」こと。つまり、1年生と2年生では内容の難しさに違いはあるものの、その目的は共通しています。1年生で学んだことをさらに深掘りするイメージですね。

■覚える漢字の量は2倍!

2年生の国語の授業における最大の難関は「漢字」です。1年生では80字の漢字を覚えなければなりませんでしたが、2年生になるとなんと倍の160字に! しかも「顔」「線」「曜」など画数が多く、バランスを取るのが難しい漢字もたくさん出てきます。

家庭学習のときには、姿勢や筆記用具の持ち方筆順に従っているかなど、注意深く見てあげるといいでしょう。基本をしっかりと身につけるまで、何度でも繰り返し教えてあげるのがポイントです。

■正しい文章を書く基礎をかためる

2年生では文章の組み立てを考えて書くことが求められます。

「はじめ」に何を知らせたいかを書く
「中」に知らせたいことを詳しく書く
「おわり」にまとめのことばを書く

この決まりを守って文章を書くのは意外と難しく、とくに日頃から本を読む習慣がない子どもはつまずきやすいといいます。学年が上がるにつれて文章がより長く複雑になるため、順序を整理して、構成を考えながら文章を作成する力を身につけましょう。

普段から家族で短い手紙のやり取りをしたり、映画や本の感想を短い文章にまとめるなど、日常の中で「文章を組み立てる」訓練をするといいですね。

2年生の算数。学習のポイントは?

1年生の算数の目的は「数や図形に親しみ、算数の楽しさを感じること」とされています。数を正しく数えることや時刻と日常生活を関連づけるなど、身近な数について学ぶことが学習のメインでした。

2年生ではさらに進んで、数の概念についての理解を深めることを目的とします。たとえば「買い物に行ってすばやく計算できると便利!」というように、数理的な処理を生活や学習に活用しようとする意識を求められるのです。

■基礎の基礎を再確認する

東京大学名誉教授で教育学者の汐見稔幸先生は、算数こそ最初につまずかないように家庭で見てあげるべき、といいます。

たし算のルール、ひき算のルール、さらに九九といった基礎の基礎のところがきちんとわかっているかどうか、とても大切なので、ここは家庭で意識的にみてあげてください。
この基礎部分ができていないと、2ケタや3ケタのたし算、ひき算、やがてわり算などのステップに進むことができなくなります。

(引用元:汐見稔幸(2008年),『汐見先生の素敵な子育て「子どもの学力の基本は好奇心です」』,旬報社.)

算数は積み重ねていく勉強です。一度つまずくと取り戻すことが難しいからこそ、低学年のうちに理解を深める必要があるのです。

■ぐんと複雑になる計算問題

2年生では、足し算・引き算・かけ算の3つが計算問題に上がります。進級した時点で「繰り上がり・繰り下がり」をしっかりとマスターできていないと、筆算でつまずいてしまうでしょう。

アメが3つの箱に6つずつ入っています。3つ食べたら残りはいくつ?
このような文章問題では、どの計算からやるのかを考える必要があります。つまり文章問題の読解力も求められるため、複合的な考える力をつけておかなければなりません。

■油断しているときにこそ九九の確認を

九九が始まる2年生の2学期ごろには、家庭でも毎日くり返し練習をして応援してあげることが大切。夕食後、ホッと一息ついているときやお風呂に入っているときに九九、忘れていないよね? 7の段は?と突然聞いてみるなど、フォローしてあげるといいでしょう。

■基本的な図形の概念を理解する

2年生では図形を構成する要素に着目し、身の回りのものの形を図形として捉えることが求められます。日頃から「まっすぐ」「てっぺん」ではなく、「直線」「頂点」といった用語を用いることを心がけましょう。文章問題がすんなり理解できるようになります。

理科・社会のベースになる「生活科」

2年生までは1年生と同様に「生活科」の授業があります。これは3年生から本格的に始まる理科・社会のベースとなる教科です。

たとえば次のような内容の学習をしていきます。
□まちたんけん
□野菜を育てよう
□身近な生き物、小さな虫
□廃材を使った遊び、動くおもちゃを作る
□赤ちゃんのころの話を親から聞き、“自分新聞”をつくる
□これからの自分、目標や夢についてまとめる
(光村図書の教科書『せいかつ 下 みんなともだち』を参照)

このように生活の授業では、地域の生活に関わることを通して身近な人々や社会、自然との関わりについて考えることを目的としています。また、自分自身を見つめることを通して、自分の生活や成長、身近な人々の支えについても考えます。

生活科とは、まさに家庭でも一緒に学べる「生きた学習」です。身の回りの物事に関心を持ち、普段見過ごしているようなことに目を向けると、たくさんの発見があるのだということを知ってもらいましょう。

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1年生ほど簡単でもなく、3年生ほど複雑にはなっていない2年生こそ、しっかりと基礎を固める大切な時期です。「ちょっと苦手かも」「よくわかってないけど、なんとなく点数が取れているからいいか」と思っていると、3年生以降のつまずきに直結します。苦手の芽は早め早めに摘んでおきましょう。

(参考)
Benesse 進研ゼミ保護者通信|新学期準備「コレ重要!」先輩保護者ランキング~低学年(小1ー3)編~
文部科学省|小学校 学習指導要領(平成29年告示)
汐見稔幸(2008年),『汐見先生の素敵な子育て「子どもの学力の基本は好奇心です」』,旬報社.
『せいかつ 下 みんなともだち』,光村図書.