あたまを使う/教育を考える/国語/本・絵本 2018.6.17

図書館司書や教育関係者が足繁く通う 『日販図書館選書センター』って知ってる?

編集部
図書館司書や教育関係者が足繁く通う 『日販図書館選書センター』って知ってる?

今も昔も図書館には、子どもたちの学びのきっかけとなる本がたくさん取り揃えられています。でもそれらの本は、誰が、どのようにして選んでいるのでしょうか?

図書館司書が本を選ぶとき、その方法は地域や学校によってさまざまです。一般的には、カタログの中から選んだり、出版社や書店が定期的に開く展示会で選んだりと、限られた予算の中で子どもたちに読んでほしい本を選定してくれています。

ところが、私たちが「本のプロ」と信頼を寄せる図書館司書の方たちも、実際は本を選ぶ際に「自分の好みが出過ぎないように」などと頭を悩ませることも多いそう。

そこで2016年12月、司書の方たちや教育関係者にとって「子どもに読んでもらいたい本・読ませるべき本」を確かな目で選定できる夢のようなセンターが誕生したのです。

書籍・雑誌の流通を担う出版取次「日販」(日本出版販売株式会社)によって開設された『日販図書館選書センター』。そこには「本選び」のコツや本を選ぶワクワク感、そしてプロの目で選ばれた本が並ぶ安心感が満ち溢れていました。

館内マップを片手に、いざ選書センター探索!

地下鉄半蔵門駅から徒歩2分。とあるビルの4Fに『日販図書館選書センター』はあります。「理想の図書館づくり」をサポートする目的で作られたこの施設には、一体どのような本が取り揃えられているのでしょうか? また、図書館司書や教育関係者といった、いわゆる“目利き”たちをうならせる施設の秘密とは?

エレベーターの扉が開き、足を踏み入れた瞬間、膨大かつ系統立てて並べられている本が目に飛び込んできました。一見するとおしゃれで新しい図書館のようですが、ぐるりと見渡してみると、そこかしこに選書センターならではの要素が散りばめられています。

今回、詳しいお話をうかがったのは、日販図書館選書センターの安田さんです。

ーー小中学校児童・生徒向けの選書施設とうかがっていましたが、大人向けの本を抜きにしても圧倒的な品揃えですね。

安田さん:
選書センターでは、常時3万冊規模の図書見本を日本十進分類法(NDC)に基づいて展開しています。また、半年以内に出版された児童書の新刊はすべて網羅しています。

ーーたとえ大型の書店でも、一般の書店では一度に展示できない規模ですね。

安田さん:
そうですね。多くの出版社と直接取引がある日販だからこそできることだと思います。これほどの冊数を取り揃えておりますので、施設内レイアウトは見やすさを重視して工夫を凝らしているんですよ。

まず、入り口を入ってすぐに、新刊や特別企画のエリアを設けています。(※マップ①②③)

毎月入れ替わる特別企画コーナーでは、その時期ならではの旬な書籍をご紹介しています。人気書籍ランキングや出版社イチオシ図書、セミナーを行う講師のおすすめ図書など、多種多様なテーマで棚づくりをしています。

カウンターの後ろにある背の低い棚には、今月のおすすめ書籍や常設のフェアを展開しています。絵本作家の方が来館されたときなど、大々的にフェアを開催します。

その後ろの棚には歴史や自然科学などのジャンル別、国語・理科といった教科別に並べています。各棚の中でも、低学年・中学年・高学年向けと学年別に分けたり、おすすめの図書を面出しして陳列したりするなどパッと見てわかりやすい工夫を心がけています。

そしてセット図書エリアでは、常に約1,400シリーズ、およそ8,000冊の図書を取り揃えています。この規模でセット図書をご用意しているのは、おそらく日本ではこの選書センターだけではないでしょうか。

中身を確認しやすくするために取り出しやすい工夫をしたり、最新のセットはピンクのプレートをつけて目立たせたりと、学校図書館向けらしい展示方法で陳列しています。

本選びから発注まで無駄なくスムーズに

ーー棚の陳列方法や企画エリアの展開など、独自の工夫がふんだんに盛り込まれていますね。目当ての本を探しやすいことはもちろんですが、そこにいるだけで本との素敵な出会いを引き寄せてくれるようなワクワク感も得られます。

安田さん:
ありがとうございます。定期的に通ってくださる方や、わざわざ関東以外からお越しいただく方もいらっしゃるなど、学校関係者の中でも評判が広がっているようで嬉しく思います。

ーーでは次に、利用するにあたってどのような手続きが必要か、またどのような流れで図書を選定していけばいいのか教えてください。

安田さん:
当センターは図書館・教育関係者の方々向けに開館しています。事前予約制ですのでHPでカレンダーをご覧いただき、空いている日に予約を入れていただきます。

来館していただきましたら、カウンターで受付をしてください。コンシェルジュが対応いたします。

図書選びに進む前に、お荷物をロッカーに入れていただきます。その後、ハンディ端末をお渡ししますので、使い方を確認したら図書選びスタートです。

発注したい本や気になる本を見つけたら、バーコートを読み取ります。するとその本の情報がすべてハンディ端末に保存されるので、スピーディーかつ正確に選定作業を進めていける、というわけです。

ーーなるほど! それはとても便利ですね!
選んだ本をリスト化して学校に持ち帰り、改めて購入するかどうかを検討する、ということも可能でしょうか?

安田さん:
もちろんです。実際にそのように活用されている方もいらっしゃいます。学校の図書室の場合、予算が限られているので、校長先生や教頭先生に確認してから購入を決めることもあります。

いずれにせよ、この選書センターでは実際に本を販売しているわけではありません。まずはお選びいただいた本のリストをご確認いただき、この場で発注するということであれば、すぐに日販王子流通センターに発注の手続きをいたします。そして、お取引先の書店を通じて図書館へとお届けします。

ーー選定から発注、配送までがとてもスムーズですね。

安田さん:
そうですね。この選書センターでは、まずはじっくりと本を選んでいただきたいんです。そのために、1日に受け入れている人数も制限しています。

ーー時間に追われていたり、煩わしい手続きがあったりすると、気持ちが焦ってしまい落ち着いて本を選ぶことはできませんね。「人気があるから」「名作と言われているから」「賞を取ったから」という基準で選ぶことも間違いではないですが、司書の方が自分の目で見て選ぶ、ということに重要な意味があるのだと思います。

また、ここ選書センターでは“本選びのプロ”であるコンシェルジュの方たちが常駐しています。何度か通ううちに、最新の情報や独自の視点で語られる本の魅力、また、本選びのコツについても聞くことができそうですね。

安田さん:
実際に、常連の司書の方たちとはそのような情報交換をすることもあります。これから初めてご来館される方も、どうか遠慮せずにいろいろと質問してほしいと思います。

通常の営業時間内では、基本的に図書館司書や教育関係者の方の選書のためのご来館とさせていただいていますが、毎月第2土曜日にはセミナーを開催しています。図書館づくりや子どもの学習環境にまつわる内容だけではなく、「地図の楽しみ方」など一風変わった内容のセミナーも企画し、おかげさまで大変ご好評をいただいています。

子どものための本選びにお悩みの図書館関係者の方や、教育関係者の方がいらっしゃいましたら、ぜひ当センターに足を運んでみてください。きっと本選びに役立つヒントが得られると思いますよ。

***
『こどもまなび☆ラボ』では、今後「日販図書館選書センター」と連動して、人気図書ランキングやフェアのご紹介、またコンシェルジュの方による珠玉のコラムも掲載していく予定です。

「子どもにどんな本を読ませたらいいの?」とお悩みの親御さんに向けて、きっとお役に立てる情報を発信できると思います。みなさんのお子さんが世界を広げるきっかけになる素敵な本に出会えますように。

日販図書館選書センター
東京都千代田区麹町3丁目7番地4 秩父屋ビル4階
電話:03-3288-5055
営業時間:
平日10時~17時(木曜日の午前中を除く・毎月第1木曜日は終日休業)
毎月第2土曜日のみ 10時~14時(セミナー開催日は、選書は12時~14時まで)
選書時間:
(1)10時~12時半(2)14時~16時半
休業日:
毎月第1木曜日(土日・祝日、年末年始)
※来館は事前予約制
URL:https://sensho-c.jp