教育を考える/本・絵本 2019.1.28

「節分」の由来を絵本で学ぶ。「鬼」に親しみがわき、「豆まき」が待ち遠しくなる絵本4選

金の星社
「節分」の由来を絵本で学ぶ。「鬼」に親しみがわき、「豆まき」が待ち遠しくなる絵本4選

楽しいお正月を過ごし、新年気分を味わった1月がまもなく終わり、2月を迎えようという頃。この時期に気になり始めるのは、2月3日、節分の豆まきのことではないでしょうか。もうすぐやってくる“怖~い鬼さん”に戦々恐々としているお子さんもいるかもしれませんね。

節分には、「鬼は外、福は内」と言いながら家族で豆をまく。そんなご家庭は多いと思います。そこで今回のコラムでは、節分の由来が学べて、豆まきが待ち遠しくなる絵本をピックアップ! 親御さんのための「節分の基礎知識」もご紹介しますよ。

節分の由来がわかる絵本『おにはそと! ふくはうち!』


いもとようこ 文・絵 中央

鬼のお嫁さんにされてしまったおふくは、菜の花をたよりに村へ逃げ帰ります。追いかけてきた鬼に、おふくの母親は炒り豆をぶつけて「この豆から花が咲いたらおふくを返す」と言いました。鬼は今日も、花が咲くのを待っています。

【広報担当より】
子どもといっしょに、豆まきのお話が楽しめます。怖い鬼も、いもとようこさんの優しい貼り絵になると、ユーモラスで可愛らしささえ感じます。各シーンの鬼の表情も、じっくりお楽しみください。

そもそも「節分」って何? 知っておきたい「節分の基礎知識」

2月3日の節分は、立春の前日。本来、「季節を分ける」ことを意味する節分は1年に4回あるのですが、新しい年が始まる立春の前日の節分が古くから重視されてきました。今の暦で言う2月3日は、旧暦で言うとだいたい大晦日。節分の風習は、新しい年を無病息災で迎えられるよう邪気を払うためのものとして、今日にまで受け継がれています。

節分の風習の起源は、疫病をもたらす悪い鬼を追い払う「追儺」(ついな)という儀式。平安時代ごろから宮廷行事として、旧暦の大晦日に行なわれていました。では、節分に「炒った豆をまく」のはなぜなのでしょう。平安文学が専門の同志社女子大学・吉海直人教授が、次のように解説しています。

現在のように豆撒きが行われるようになったのは、宇多天皇(※)の時代とされています。鞍馬山の鬼が都に出没した時、鬼の目(魔目)に豆を投げつけて退治した故事に由来するとのことです。最初は「豆撒き」ではなく「豆打ち」でした。
(中略)
そもそも何故豆を撒くのかというと、語呂合わせで「豆」が「魔を滅する」ものだからです。なお撒いた豆から芽が出るのは縁起が悪いとされているため、必ず炒った豆を使うことになっています。

(引用元:同志社女子大学|教員によるコラム 「節分」について)※宇多天皇……平安時代の天皇(在位887年~897年)。太字は引用にあたり施した

また、豆は子孫繁栄にご利益がある、豆に宿る穀物の力には鬼を退治するパワーがある、などとして信じられているとも言われるそう。

節分に行なう習慣としては、豆まきのほかにも、「豆を年齢の数だけ(あるいは1つ足して)食べる」「ヒイラギの枝に焼いたイワシの頭を刺したものを玄関などに飾る」「縁起のよい方角を向いて恵方巻にかぶりつく」といったものがありますよね。これらはどれも、旧年への感謝を表したり、新年を健康に無事に過ごせるよう祈ったりするための儀式です。このことを心に留め、子どもと一緒に、節分の習慣をより大事にしたいですね。

節分が楽しみになる、3冊の絵本をご紹介

節分の豆まきの起源を歴史的に遡ってきましたが、子どもにこれをそのまま説明しても分かりにくいでしょう。「節分では『泣き虫鬼』や『ヤダヤダ鬼』を追い払おうね」と言うのはよくある方法ですが、絵本を使ってみるのもいいですよ。

いくつかある“節分の由来にまつわる物語”のひとつが、冒頭でご紹介した『おにはそと! ふくはうち!』です。さらに、次にご紹介するような絵本を読み聞かせて、節分の習わしに親しんだり、「鬼」というものについてお子さんと一緒に考えてみたりしてはいかがでしょうか。

『おにはそと』

せなけいこ 作・絵

豆まきで鬼たちは逃げだしますが、残された可愛いちび鬼は人間の子どもたちと仲良く遊びます。鬼の親分がちび鬼を連れ戻しに、よろいを着て来ますが、豆まきに降参。親分はちび鬼のお父さんでした。心が和む楽しい絵本。

【広報担当より】
オバケがお得意な、せなけいこさん。本作はめずらしく“おに”です!「おにさんこちら、てのなるほうへ」……オニのちびちゃんと人間の子どもたちの楽しそうなこと。幼稚園や保育園の読み聞かせにも、ぴったりです。

『ないた赤おに』

浜田廣介 作/いもとようこ 絵

人間と仲良くしたい赤おにのために、自ら悪役を買ってでる青おに。青おにのおかげでたくさんの友だちを得た赤おにでしたが、青おにがどうなったのか気になって訪ねてみると……。友情の美しさと孤独の哀しみを描いた童話の傑作。

最後の「アカオニクン ニンゲンタチトハ ドコマデモ ナカヨク マジメニツキアッテ タノシク クラシテイッテ クダサイ。ボクハ シバラク キミニハ オメニカカリマセン。」で始まる青おにの言葉! この青おにの言葉は、友だちのすばらしい愛と勇気がいっぱい、いっぱいです。「ドコマデモ キミノ トモダチ アオオニ」と書いているところは、なんという深い深い愛の言葉でしょう。
何度読んでも感激がうすれることはありません。

(いもとようこさんより)

『オニたいじ』

森 絵都 作/竹内 通雅 絵

直木賞作家・森絵都さん&竹内通雅さんによるユーモア絵本。小さなまめたちの大きな冒険! ~みんなの幸せを祈って まめたちはきょうも行く~

節分の日の豆まき。今年の豆たちは、オニのお面をつけたおじさんではなくて、世界にいる本物のオニを退治したいと考えた。豆たちは、自転車泥棒、銀行強盗、密猟者、地球の侵略者を撃退。痛快で楽しいオニ退治の絵本。

【広報担当より】
豆まきの本は数あれど、たいがい主役はオニ。このお話は、なんと「豆」が主役という斬新さ。竹内通雅さんのカラフルで迫力ある絵と、森絵都さんの壮大な宇宙規模!? のストーリーがクセになります。

***
豆まきの由来が学べて、節分を様々な角度から楽しめる絵本をご紹介しました。ぜひこの機会に、親子で一緒に節分を味わい尽くしてくださいね。

(参考)
同志社女子大学|教員によるコラム 「節分」について
いこーよ|節分の意味って? 子どもに教えたい豆まきの由来
ヨミドクター|豆まき 楽しい思い出に
NIKKEI STYLE|日本人はなぜ豆を投げるのか 「節分」民俗学