健康を考える/教育を考える/食育 2020.2.1
更新日 2025.9.10

子供の食器に適しているのは、プラスチック? 陶器? 教育効果が高いのは○○だった

[PR] 編集部
子供の食器に適しているのは、プラスチック? 陶器? 教育効果が高いのは○○だった

子供にどのような食器を使わせようか迷っている方は、多いのではないでしょうか。じつは、「子供の頃にどのような食器を使うか」は意外と重要です。

プラスチックやメラミン、木製の割れない食器? もしくは、あえての陶器? 正解がわからずに悩んでいる方に向けて、おすすめの食器や食器セットをご紹介しましょう。

子供の食器にこだわろう

お子さんが離乳食を終えて、幼児食を食べ始めた頃から、子供用の食器を買い与えたいと考えている保護者の方は多いのではないでしょうか。

個人差はありますが、一般的に、1歳半頃から形のあるものを噛めるようになり、離乳食を終え、幼児食に移行します。その頃から、大人用の食材を薄味にしたり、柔らかくしたり、小さくしたりして、家族と似た物を食べさせるようになっていきますよね。

せっかく家族で一緒に食事をできるとなると、子供にかわいい食器を与えてあげたくなるもの。セットで購入して、親族や友人のお子さまにプレゼントしたいと考える方も多いのではないでしょうか。

しかし、子供用の食器は、シンプルなデザインから、キャラクターもの、大人も気分が上がるようなおしゃれでかわいい食器、高い食器から安い食器まで、バリエーションが豊富すぎて悩んでしまうのも事実です。では、子供の食器はどのように選べばよいのでしょうか。

子供の食器に適しているのは、プラスチック? 陶器?2

食器の重要性を知っていますか?

おすすめの子供の食器をご紹介する前に、まずは食器の重要性についてご説明しましょう。じつは「どんな食器で食べるか」は、子供の食への関心や健康にも関わってきます

食に興味のない子供が増えている?

昨今、「食べること」に興味のない子供が増えていることをご存じでしょうか。食べ物があふれ、好きなものを好きなときに食べられる、いわゆる飽食の現代。大人でも、食事は安価なファストフードなどを摂って適当に腹を満たし、もっとほかのことにお金をかけたいと考えている人は多いはず。

管理栄養士・医学博士の本多京子氏は、このようにコンビニやファストフード店などでいつでも好きなものを食べられる生活を送っている子供たちは、食への渇望感が減退していると言います。また、コンピューターゲームの普及や塾通いなどで体を動かす頻度が減ったことから、そもそもお腹が空きにくくなってしまっているのだとか。

内閣府大臣官房政府広報室が運営する「政府広報オンライン」では、子供が食に関心を持たないまま成長すると、栄養の偏りや不規則な生活などによる肥満や生活習慣病、過度なダイエットなど、健康面で影響が出てくると述べられています。

また、幼少期の食の記憶は、成長後の食習慣にも影響を与えます。管理栄養士の新生暁子氏は、幼少期の「舌の記憶」はその人の「一生の味覚」につながると言います。皆さんも「子どもの頃の味付けが今も好き」という経験があるのではないでしょうか。

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食器で味の感じ方が変わる?

また、バレンシア工科大学とオックスフォード大学が行なった研究によると、被験者に同じココアを違う色のカップで飲ませたところ、「クリーム色とオレンジ色のカップで飲むほうがおいしい」と感じた被験者が多かったのだそう。

つまり、食器は単なる器ではなく、「食事を楽しく、おいしく感じさせる大切な要素」。おいしい食事のためには食器にも気を配る必要があるのです。

子供の食器に適しているのは、プラスチック? 陶器?3

子供用の食器セットにはあえて「割れる食器」がおすすめ

子供用の食器セットを購入する際、「割れない食器」を探す方は多いのではないでしょうか。子供は、不注意で食器を割ってしまうことも多いものですよね。

しかし、実は「陶器やガラスなど割れる食器」もおすすめなのです。その理由を見てみましょう。

1. 「なぜダメか」を理解できる

「子どもの食事」についての悩みで多いのが「遊び食べ」。「遊び食べ」に明確な定義はありませんが、食べ物をぐちゃぐちゃとかき回したり、お皿やコップを投げたり、カトラリーで食器を叩いたり……といった行為が挙げられますね。

これは心理学者であるジャン・ピアジェの提唱している発達段階において、0〜2歳の子供は「感覚運動期」にあたります。「感覚運動期」の子供は、「何かを触ってみたら感触がおもしろかったので、何度も触る」といった「循環反応」が見られるのが特徴。つまり子供は、好奇心を持ってあらゆることを試し、五感をフルに使って楽しんでいるだけなのです。

子供は遊び食べをしたり、うっかり落としてしまったりして、食器を割ってしまうことが多いもの。割れない食器では、子供が「落としても平気」と思いがち。一方、陶器が割れてしまえば「大切に扱わないと壊れる」ことを体感できます。ここで「どうして乱暴にしてはいけないのか」を伝えれば、子供は物を大切に扱うことを学んでいきます。

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子供の食器に適しているのは、プラスチック? 陶器?4

2. 食事に集中するようになる

子供の食器に陶器がオススメである理由のふたつめが、子供が食事に集中するようになる点です。

モンテッソーリ教育では、子供に自己教育力(自分を育てる力)が備わっていることを前提とし、子供の自主性を重視します。

「モンテッソーリで子育て支援 エンジェルズハウス研究所」の田中昌子氏は、モンテッソーリ教育の考え方では、子供にも「本物」を使わせることが大切だと言います。同氏いわく、軽いプラスチック製や、メラミン素材でキャラクターのついているような食器は、集中力が途切れる原因になる可能性があるのだとか。

重みのある陶器は自然と丁寧に扱うようになります。結果、食事に集中できるようになるのです。

子供の食器に適しているのは、プラスチック? 陶器?5

3. 失敗から非認知能力が育つ

さらに、子供の食器に陶器やガラスがオススメな理由は、「失敗してもいい」ことを伝える機会になること。「お皿を割った!」という経験は、子供にとってショックですが、同時に大切な学びにもなります。「割れないように」親が先回りして子供の失敗を防いでいては、子供は立ち直る力を身につける機会も失ってしまいます。

発達臨床心理学、保育学、児童学を専門とする東京都市大学人間科学部教授の井戸ゆかり氏は、子供がお皿を割るなどの失敗をしたときは「チャンス」だと述べています。同氏いわく、子供がうっかりお皿を割ってしまったときには、「ケガしなかった?」と子供を心配してから「ママも小さい頃、お皿を割っちゃったの」と親の失敗談を話すのがよいのだそう。

また、ライフコーチとして日米で講演会やワークショップを展開するボーク重子氏は、失敗経験は、非認知能力を育てるために重要なものだと述べています。ボーク氏は、子供に親の失敗経験をシェアすることで、回復力ややり抜く力といった非認知能力が育つと述べています。

「お皿を割った!」という経験は、子供にとってショックですが、同時に大切な学びにもなります。

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子供の食器に適しているのは、プラスチック? 陶器?6

子供におすすめの食器

では、子供には、具体的にどのような食器を使わせるのがよいのでしょうか。オススメの食器や、食器セットをご紹介します。

子供におすすめの食器:1 おしゃれなル・クルーゼ

子供の食器としてまずおすすめしたいのは、「ル・クルーゼの食器セット」です。ご覧いただければわかるように、大人も気分の上がるかわいいデザインが魅力。大人の食器と一緒に食卓に並べてもおしゃれですね。かわいい「プレート」や「ボウル」などもおすすめです。

ル・クルーゼと聞くと、重いホーロー鍋のイメージが強い方も多いかもしれませんが、こちらの子供向け食器は、一番大きなプレートでも600gで、お子さんがお食事の際に手に持って使うマグカップやお皿は200〜300g程度。プラスチックなどの軽い食器よりも安定感があって倒れにくく、安心できる程度の重さではないでしょうか。子供にかわいい食器を使わせたい場合や、友人の子供へのプレゼントを探しているときにオススメですよ。

子供におすすめの食器:2 北欧の人気ブランド iittala

子供にシンプルな食器を使わせたい方にオススメなのが、北欧の人気ブランド、iittala(イッタラ)。特に「Teema」(ティーマ)の15cmボウルは、子供でも使いやすい作り。深さがあり、すくいやすい角度で作られており、厚みがあって安定感もあるので、子供にぴったりです。食洗機で洗えるのも嬉しいところですね。

シンプルなデザインなので、料理を選びませんし、家族みんなで同じ食器を使えますね。前述したように、大人と同じ本物の食器を使うことで、子供もおままごと気分になることなく、食事に集中しやすくなります。

子供におすすめの食器:3 白山陶器の5点セット

子供には、やっぱり和食器を使わせたい……。という方にオススメなのが、白山陶器の5点セット「PiPi~ピピ~」。「鳥の形の仕切りのついたランチプレート」「取り皿としても使える鳥型のフリープレート」「デザートボウル」「底が鳥の形になっているお茶碗」「子供にとってつかみやすい卵型の取っ手のマグカップ」の5点セットです。1セット用意しておけば、どんな食事にも対応できそうですね。単品販売もされているので、壊れてしまったときにも安心です。

また、白山陶器のチャイルドシリーズ「森の詩」も人気商品。子供向けに、倒れにくいよう安定感のある設計で作られています。ほどよい重量感のある食器なので、子供も食事に集中できますよ。

子供におすすめの食器:4 ノリタケの子供食器

ノリタケの子供食器「ライトステップ」は、1974年の発売から現在に至るまで人気を博しているロングセラー商品です。強化磁器で、電子レンジや食洗機にも対応している、本格的な磁器でありながら機能的な商品です。

子供の小さな手でも握りやすいように大きな取っ手と安定感のあるフォルムで設計されたカップ、すくいやすい角度で作られたお皿と、子供が毎日使いながら自然と持ち方・食べ方の練習につながるように配慮されている点が魅力。自分でご飯を食べられるようになった子供が初めて使う食器にぴったりです。

子供におすすめの食器:5 滑り止めのついた「ユニバーサル・プレート」

滑り止めのついた子供用食器をお探しの方には、デザインモリコネクションの「ユニバーサル・プレート」はいかがでしょうか。シンプルなデザインなので、子供が大きくなってからも小皿として使えます。家族みんなのぶんをサイズ違いで購入してもよいですね。

底面に滑り止めとしてシリコンが塗られているため、スプーンですくう際などにもすべらない、安心の設計です。また、内側の返しが、スプーンですくいやすい角度で作られているため、汁気のある料理も最後までスムーズに食べられます。ほかにも、張り出して作られたフチが、食べ物が落ちるのを防いでくれるなど、機能性に特化したデザインが魅力。

子供におすすめの食器:6 aeruのこぼしにくい器

aeruの「こぼしにくい器」は、食器の内側に返しが作られているため、ご飯を上手にすくえない子供でもスプーンで上手にすくって食べることができます。ろくろを使ってひとつずつ丁寧に作られた陶磁器の質感は、子供の五感を刺激する、大人用の食器と同じ品質です。

シンプルなデザインなので、家族みんなで同じデザインの食器を使えるのが嬉しいところ。子供が成長してからも長く使えますね。11cmのボウル、13cmの深皿、15cmの平皿と3種類のサイズがあるので、用途や子供の年齢に応じて食器を使い分けてはいかがでしょうか。

***
子供の食器は、ついプラスチックなどの「割れない食器」を求めてしまいがちですが、陶器などの大人と同じ食器を使わせることにはメリットがたくさんあります。ぜひよく吟味して、子供にぴったりの食器を選んであげてくださいね。

(参考)
ベビータウン|離乳食卒業後の「幼児食」の悩み
StudyHackerこどもまなび☆ラボ|「失敗を恐れない力」の育て方。子どもに「挑戦したい!」と思わせる、効果抜群な言葉かけ
講談社絵本通信|第5回 集中力を付けさせる方法はありますか?
講談社絵本通信|第11回 食事に集中しない子どもにどう対応したらいいですか?
日本モンテッソーリ教育総合研究所|モンテッソーリ教育について
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大岡貴史, 内海明美, 向井美恵 (2013), “乳幼児の保護者が感じる食行動の問題点と食事の楽しさとの関連,” 小児保健研究, Vol. 72, No. 4, pp. 485-492.
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