あたまを使う/教育を考える/国語/本・絵本 2018.7.13

子どもを “本好き” に育てよう。読書習慣を身につけさせるために実践したい3つのこと

子どもを “本好き” に育てよう。読書習慣を身につけさせるために実践したい3つのこと

子どもにはたくさん本を読んでほしい、できれば読書好きな子に育ってほしい……。そう願う親御さんは多いはず。でも現実には、親の願い通りにはいかないものです。「本をもっと読みなさい!」と言葉で言っても、かえって逆効果だったりもしますよね。

今回は、子どもに読書習慣を身につけてもらうための方法をいくつかご紹介します。

想像力や思考力が高まる! 読書が脳に与えるメリット

「本をたくさん読んだほうがいい」とはよく聞きますが、そもそも読書は子どもの脳にとってどんな影響があるのでしょうか。脳科学者の茂木健一郎氏はこのように語っています。

脳にとって読書は、総合的かつ抽象的な刺激なんです。視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚という五感の記憶が総合されて、それが言葉になるので、言葉をとおして世界を知る、整理するというのは、脳のいちばん高度な働き。読書は、言葉をとおして想像力をはぐくんだり、遠い世界に思いを馳せたりしますから、抽象的な思考能力を高めるには非常にいいんです。

(引用元:ベネッセ 教育情報サイト|茂木健一郎先生(脳科学者)が語る、「読書が脳に与える いい影響」

しかし、脳にとってこんなにメリットがあるにもかかわらず、文部科学省が2017年に行なった調査によると、読書時間・読書冊数ともに、学年が上がるにつれて減少傾向にあるのです。

本を読まない理由としては、「ふだんから本を読まないから」と答えた生徒が多い結果に。つまり、小さい頃から読書の習慣が身についていないのが、のちのちの本離れの原因のようです。では、子どもに読書習慣を身につけさせるには、親は具体的にどんなことをすればいいのでしょうか。

幼少期は親子で楽しく読書タイムを

お子さんが小さい頃は、よく読み聞かせをしたご家庭も多いのではないでしょうか。読み聞かせは、子どもの語彙力や学力を伸ばすなどの効果があると言われていますが、じつはそれ以上に、親子のコミュニケーションのためにはかけがえのない時間なのです。

子どもたちは、大好きなご両親の温もりを感じながら読み聞かせをしてもらっていると、「愛されているな」「本の世界って楽しいな」という2つの実感がリンクして、「読書は楽しいな」という快感につながると言います。

おやすみ前に親子で寝転がって絵本を一緒に眺めたり、お母さんやお父さんの膝の上に子どもを乗せて読み聞かせをしたり、そんな親子の時間を過ごすなかで、子どもは読書を「楽しい」ものと認識していくようです。読み聞かせの経験や楽しいという認識によって、成長していくなかで読書がより身近なものとして習慣づけられていくのかもしれません。

興味のあるテーマの本をテンポよく与える

子どもでも大人でも本嫌いの人はいますが、その最大の原因は本の魅力をまだ知らない、いわゆる「本の読まず嫌い」なのだとか。本の中には何でも入っているのに、その広い世界と自分の世界が結びついておらず、本はつまらないと思い込んでいるだけなのです。

読書をするうえで大切なのは、興味や好奇心。大人だって、興味のないジャンルの本はなかなか先に進めません。逆に、好きな内容の本は一気に読めてしまうものです。そこでまずは、子どもが簡単に本を出し入れすることができる高さの本棚に、子どもが好きなテーマの本を並べてみましょう。

たとえば、子どもが好きなおもちゃやアニメのキャラクター本、動物や昆虫の大事典でもいいでしょう。興味の延長線上で、子どもが自然に活字に親しむきっかけを作ってあげることが大切です

このように、親が読ませたい本ではなくて、子どもが読みたいと思う本を並べておくのがコツ。また、興味や関心が変わっていけば、それに合わせて並べる本も変化させていきます。そして読書の習慣がついてきた頃に、少し背伸びした本を混ぜてみるのも有効とか。そこに、両親が読んでいる本も混ざっていれば、子どもは自然と手に取るようになるかもしれません。

親自身が読書を楽しむ姿を見せる

ところで、お父さんお母さんご自身は、普段から本を読んでいますか? どうやら、子どもに読書好きになってもらうのには、まずは親が読書を楽しみ、その姿を見せることが近道のようです。

親は子供が読んでいる本は読むべきです。そして、親子でその本の内容について会話してみましょう。そうすれば親の想像以上に子供が“本を読めている”ことに驚くはずです。また、その子の「読み方」も見えるので、興味を示しそうな本がわかります。

(引用元:PRESIDENT Online|松岡正剛さんがアドバイス「子供のための本選び」

このように、親子で本を共有することでコミュニケーションを取ることもできます。読み聞かせの時期を過ぎても、こうして読書を通じて親子で語り合うことは、家族みんなでの読書の習慣づけにも有効なようですね。

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子どもに読書習慣を身につけさせるために、まずは、本といつでも触れられる環境を家庭の中で作りましょう。そして、親自身も読書を習慣づけて、子どもと一緒に読書を楽しむことが、最も大切なことかもしれませんね。

文/内田あり

(参考)
国際子ども図書館|文部科学省による「子供の読書活動の推進等に関する調査研究」
学研ゼミ|親子の絆を深める! 読み聞かせの効果とコツ
日経DUAL|子どもの読書習慣 新聞を読むと学力に好影響
ベネッセ 教育情報サイト|本好きの保護者ほど子どもも読書家に
ダ・ヴィンチニュース|子どもの読書量と家庭のコミュニケーションには深い関係がある!? 円満家庭の秘訣とは…
PRESIDENT Online|松岡正剛さんがアドバイス「子供のための本選び」
DIAMOND online|我が子を「本好き」にする「たった1つの方法」って?
ベネッセ 教育情報サイト|読み聞かせが学校・社会で活躍できるチカラをつくる!? -渡辺敦司
ムーギー・キム、ミセス・パンプキン著(2016年),『一流の育て方―――ビジネスでも勉強でもズバ抜けて活躍できる子を育てる』,ダイヤモンド社.