「本選びのプロ」がとっておきの情報を教えてくれる連載『まなびの本棚』第8回です。長かった夏も終わり、ようやく秋を感じられるようになりましたね。秋といえば食欲の秋、スポーツの秋、そしてなんといっても“読書の秋”です。
秋の夜長にじっくり本と向きあってみませんか? 1日の終わりに家族みんなで読書を楽しむ時間をつくってみてもいいかもしれませんね。
この連載では、日販図書館選書センターで選ばれた本のランキング、そして選書のプロ・コンシェルジュによるコラムをご紹介します。きっと子どもの本選びのお役に立つはずです。
選書センターについて、詳しくはこちらをお読みください→図書館司書や教育関係者が足繁く通う『日販図書館選書センター』って知ってる?
(※2019年4月〜9月集計)
今回は、4月から9月にかけて選ばれた人気の本をご紹介します。1位の『あめだま』は、日本絵本賞の「翻訳絵本賞」と「読者賞」をダブル受賞したことで、さらに人気が高まったようです。4位は、おなじみヨシタケシンスケさんによる『ころべばいいのに』。ものごとの“対象化”がテーマになっており、大人も子どもも共感できる1冊です。
注目は5位の『大根はエライ』。ドラマ化もされた漫画『孤独のグルメ』の原作者・久住昌之さんが、丸ごと1冊大根の魅力を描いています。生でも煮ても、薬味としても美味しい大根。人気も実力もあるのに、どこか奥ゆかしいその控えめな姿に、“派手に生きるだけが人生じゃない”と教えられます。
コンシェルジュのおすすめの本
人間が出したプラスチックごみの行き着く先は……
本書は、とある森で暮らすサルの親子に密着した写真絵本です。サルの赤ちゃんは森で遊ぶのが大好き。でもお母さんは気が気ではありません。赤ちゃんがプラスチックごみを食べたり、ケガをしたりしないよう、目が離せないからです。
森だけでなく、川も海も、親子の行き先はプラスチックごみに覆われ、危険がいっぱい。エサを探すこともできません。お腹を空かせた親子はどうなってしまうのでしょうか?
カメラが捉えた豊かな自然と、そこに溢れるごみの対比は、これが紛れもない現実であることを私たちに突きつけ、人間の責任の重さを感じさせます。
ごみの山を漁るゾウや、網に絡まった魚など、目を覆いたくなる写真もありますが、決して目をそらしてはいけない問題です。これまで生きてきた私たち、未来を担う子どもたち、一人ひとりが地球を守るためにできることを考えてみませんか。