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「ものを作ることが大好き!」なお子さまが、手芸に興味を持ったとき、最初の作品はどんなものが向いているのでしょう?
今回は、「子ども手芸教室」を主宰し、数々の手芸雑誌や書籍で活躍中のデザイン・クラフト作家 松村 忍さんに、はじめての手芸にピッタリな作品を教えていただきました。
ぜひ材料選びからお子さまと一緒に取り組んでみてくださいね。
監修/松村 忍
「葉っぱのコースター」を作ってみよう!
学校で育てたアサガオやヒマワリの鉢植えを、夏休みに持ち帰ってきたお子さまも多いのではないでしょうか。そんな身近な植物の葉っぱの形をフェルトに写し、コースターを作ってみませんか。葉っぱの表面の葉脈の様子も観察し、フェルトにチクチク刺しゅうしてみましょう。
好みの葉っぱを親子で探してみるのもいいですね。河原や空き地などに自生している雑草には、触るとかぶれるものもあるので注意しましょう。おうちの庭などにある観賞用の植物を使うのが、初心者にはおすすめです。
材料
- 葉っぱ ・・・1枚/タテヨコ各8~11cm 程度のものが使いやすい
- フェルト(A) ・・・好みの色(葉っぱよりひとまわり大きいサイズ)
- フェルト(B) ・・・好みの色(葉っぱよりひとまわり大きいサイズ)
- 25番刺しゅう糸 ・・・好みの色(適量)
- こすると消せるボールペン
- 刺しゅう針(6本取り用)
- はさみ
- アイロン
- へら
- 布用ボンド(耐水性のもの)
作り方
1. 葉っぱは洗って水気をよく取った後、キッチンペーパー に挟む。厚い本などで1~2晩重しをして、平らにする。
2. フェルト(A)に、こすると消せるボールペンで葉っぱの輪郭を写し、葉脈を描く。
[おうちの方へ]ボールペンの線はあとでアイロンを当てて消します。線が消えるかどうか、あらかじめ布のはしで試してから使用してください。
[おうちの方へ]輪郭、葉脈とも、細かく写しすぎると、切りにくかったり、刺しゅうが難しくなってしまいます。お子さまと相談しながら作業を進めてください。
3. 2のフェルト(A)の葉脈の線の上を、25番刺しゅう糸6本どりでランニングステッチする。
[おうちの方へ]ランニングステッチが難しい場合は、消せるボールペンで針を出し入れする箇所を、点線で描いてあげても構いません。
4. 3のフェルト(A)の輪郭をはさみで切る。次にアイロンを当てて、ボールペンの線を消す。
[おうちの方へ]アイロンは大人が当ててください。
5. 4の裏全面にへらで布用ボンドを塗り、フェルト(B)に貼る。
6. 5で貼った4の約3mm外側をはさみで切り落として完成。
☆いろいろな色で。緑以外の色で作ってみても◎
☆ほかの葉っぱでも!(写真左から「アジサイ」「ゼラニウム」「アイビー」の葉っぱ)
自由研究として提出するときは
完成作品と合わせて、画用紙などに制作レポートをまとめましょう。
下記の項目を参考に、イラスト、写真などを交えてまとめてみましょう。
- 選んだ理由…「葉っぱのコースター」を作ろうと思ったきっかけ
- 葉っぱについて…葉っぱの種類や、色、葉脈などを観察して気づいたこと。制作に使った葉っぱを貼っても
- 作り方の手順…写真やイラストを使って説明するとよい
- まとめ…作ってみて感じたことや、工夫したところ、次に作るときの目標などをまとめる
経験値が上がるほど、手芸の腕前はアップする!
「作るより買ったほうが安い」。便利な時代になった反面、子どもたちの「ものを作る」という体験が減少しています。針を使うのはまだ早い……と保護者はつい考えがちですが、手芸の腕前は経験すればするほど高くなるものなので、実は年齢はあまり関係がありません。親子で手芸屋さんに出かけての材料選びや、「思うようにできなかった」という反省や悔しい気持ちも、子どもたちの大切な経験です。
「『葉っぱのコースター』のような雑貨作品には正解はありません。フェルトや刺しゅう糸の色選びはもちろん、縫い方、切り方の至らないところなど、見ている大人はハラハラさせられますが、なるべく手出し口出しせずにお子さん自身にやらせてあげてください。(松村先生)」
そして手芸の醍醐味は、なんといっても、作った作品を実際に使うことができるということ。完成したコースターで親子でティータイムを楽しむのもいいですね。「できた!」という達成感が、次のやる気につながります。
「この夏に針と糸の使い方を覚えたら、学校で使う雑巾作りやゼッケンつけなども、市販品で済ませずにぜひお子さん自身にやらせてあげてみてください。上手にできなくても構いません。縫い物の経験値を上げる機会は、普段のくらしの中にたくさんあるんですよ。(松村先生)」
【プロフィール】
松村 忍(まつむら・しのぶ)
デザイナー・クラフト作家。子どもたちに手芸の楽しさや豊かさを伝えたいという気持ちから、2010年より自宅にて「子ども手芸教室」をスタート。小学生向けの編み物を中心とした手芸教室と、ソーイングなど編み物以外の技法で季節の雑貨作りを楽しむワークショップを開催している。また、手芸雑誌や書籍での作品発表、手芸メーカーへの作品デザイン提供など、「手作りの価値の向上・オリジナルのもの作りへの応援」をテーマに、さまざまな活動を展開中。
子ども手芸教室
<夏休みワークショップ/水フェルトで作るバッグ> 講師:松村 忍
羊毛に石けん水をかけ、ゴシゴシこするとフェルトを作ることができます。好みの色と模様で、ゼロから作る自分だけのフェルトのバッグ。いつもより時間をかけて取り組む、夏休みの自由研究にぴったりのワークショップです。
★詳細は教室ブログご覧ください。
『かんたん・かわいい・おしゃれ! 子どもの手芸レッスンBOOK(朝日新聞出版)』
松村忍 著
朝日新聞出版(2017)