あたまを使う/サイエンス 2018.7.8

算数の好き嫌い、なぜ分かれるの? 子どもが算数を好きになる3つのコツ

編集部
算数の好き嫌い、なぜ分かれるの? 子どもが算数を好きになる3つのコツ

「算数」と聞いて、みなさんはどんなイメージを持たれますか。苦手、数字が嫌いなどのイメージが強いのではないでしょうか。

2017年に行われた、小学生1,200人を対象としたアンケートの「学校の授業で一番好きな科目と嫌いな科目は何ですか?」という項目の回答結果は、好きな科目、嫌いな科目ともに、1位は「算数」。算数が好きな子はとことん好き、嫌いな子はとことん嫌い、という一種の乖離状態を示すものでした。なぜ、このようなことが起こってしまうのでしょう。

算数の才能は、最初はみんな同じ

算数ができるかできないかは、生まれつきの能力ではないのだそう。算数が得意か苦手かを分けるポイントは、脳の中に問題を解く回路ができているか、そしてそれが太いかどうか。

算数は、国語や社会に比べ、脳の複数個所を同時に働かせることが必要な科目です。つまり。ひとつの問題を解く回路が確立できれば、それに類似した問題に出会ったときに、脳のどこの箇所を使えばいいか推測できるのです。そして、いくつも問題を解くことで、その回路が太くなり、ネットワークとして機能しやすくなります。

このように、算数が好きか嫌いかという違いは、もって生まれたものではなく、算数に出会ってから、「できた!」「わかった!」という経験を積んでこられたかどうかに起因するようです。

好きになってほしい。でも、どうすれば?

幼稚園年小~年長の子どもがいる母親を対象としたアンケート調査によると、「自分の子どもには算数を好きになってほしい」と願う母親は、9割以上いることがわかりました。しかし、同じく9割の母親が、「子どもの能力を向上させるための方法がわかっていない」という結果も出ました。好きになってほしいけれども、子どもの学習に対してどうバックアップしたらよいのかを悩む親御さまが多いのが現状です。

では、どのようにサポートしてあげればよいのでしょうか。実は、子どもに算数を教えるにあたって、算数が苦手な親御さんは間違った先入観を持っていることが多いのだそう。そして、その「親の思い込み」が原因で、子どもが算数を嫌いになっていることもあるのだとか。

そこで、代表的な3つの「思い込み」についてお話しします。

【思い込み1】 算数が得意な親のほうが、教え方がうまい
算数が得意な親は、子どもに対して、「なぜできない?」という辛らつな言葉をかけてしまい、結果的に子どもは算数を嫌いになってしまうというケースが多いそう。むしろ算数が苦手な親のほうが、子どもの「わからない」に寄り添えるので、子どもが算数好きになる確率が高いのです。

【思い込み2】 学校の授業と宿題だけで計算力が身につく
子どもたちが使っている教科書には演習問題があまり出てこず、授業だけでは計算力は高まりません。30~40代である親世代が子どもだったころに比べて、現在の小学校での演習量が減っているのです。自宅でのドリル学習が「あと伸び」ポイントとなってくるでしょう。

【思い込み3】つまずくのは「問題を読んでいないから」
最近の教科書や問題の文章は、大人が読んでも意外と難しい表現が多いのです。決して、横着して読んでいないわけではないとご理解ください。「もとにする量」「くらべる量」「野菜の数を整理すると」など、大人が読んでも「あれ?」となってしまうような問題があります。

算数が好きになる勉強法

上述したことをふまえて、子どもが算数を嫌いにならないような勉強法をご紹介します。

1. 「ミスなんてあたりまえ!」と考える
計算ミスや問題の読み間違いなどによりテストの点数が低くなり、自分は算数自体ができないと勝手に思い込んでいる子どもは多いと言います。でも考えてみてください、人間はコンピューターではありません。ミスがあったとしたら、原因をその都度正していけばいいのです。

「問題文を読み間違えているのか」「繰り下がり(繰り上がり)ミスをしているのか」「答を書くときに書き間違えているのか」など、ミスの傾向を見つけましょう。そしてミスに対する対策を子どもと改めて確認することで、ミスは減ってくるはずですよ。

2. 文章題を3回音読する
「急いで答えを出そうとする」場合、まずは落ち着いてゆっくりと、問題を読んで内容を理解する練習をしてみましょう。早くテレビを見たいから、友だちと遊ぶ約束をしているからなど、焦って問題を解かないように気をつけます。

次に「文章題の意味がわかっていない」ときの対処法は、問題の音読です。もし子どもが問題の意味を理解できていないようであれば、「声に出して」問題を読ませましょう。1回読んでわからなければ、3回読みます。問題を声に出すことで、黙読よりも理解できる場合が多いですよ。

3. 毎日の計算ドリル
毎日歯を磨くかのごとく、計算問題に少しの時間でもよいので向き合うことが大切です。1日10分でもいいので、家でドリルなどを継続してコツコツと解くことが、計算力アップへの近道になります。

起床後に顔を洗ったら、計算ドリルを1ページこなす。夕食前に1ページ問題を解いてみるなど、毎日の習慣にしてしまえば、子どもにとっても親にとっても負荷が少ないのではないでしょうか。

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算数は、「ああでもない、こうでもない」と試行錯誤しながら答えにたどり着く力が必要であると、理数系専門塾エルカミノ代表・村上綾一さんは話しています。上手な教え方にこだわるよりも、一緒に悩み、解けたときに「すごいね!」と素直にほめてあげることが大切ですよ。

数を数える、簡単な足し算や引き算など、算数が本格的に難しくなる前に、「算数大好き!」という気持ちになってもらいたいものです。高学年になっても、お子さまが算数を好きになれるよう、家族でサポートしてあげてくださいね。

(参考)
ICT教育ニュース|子どもの「好きな科目」「嫌いな科目」
PRESIDENT Online|算数が得意な子の脳は、どこが違うのか?
幼児さんすう総合研究所調べ|「幼児に対する算数指導」に関する意識調査を実施  9割以上の母親が“子供に算数を好きになってほしい”
東洋経済オンライン|算数が苦手な子は「3つの誤り」を犯している
AERAdot|子どもを算数嫌いにしてしまう「5大思い込み」とは?
PRESIDENT Online|算数嫌いの子は、親の教え方が原因!?
All About|ケアレスミス・計算ミスをなくすたった3つの方法