教育を考える/本・絵本 2018.11.26

雪を初めて見たぼうやの新鮮な気持ちを描く『こすずめとゆき』ほか――絵本作家・黒井健さん特集

佼成出版社
雪を初めて見たぼうやの新鮮な気持ちを描く『こすずめとゆき』ほか――絵本作家・黒井健さん特集

おすすめの絵本をご紹介する『佼成出版社 えほんのこころ』シリーズ。第2回は、絵本作家・黒井健さんを特集致します。おそらく、親御さん世代の多くの方が一度は目にしたことがある、美しい絵が印象的な絵本作家です。

国語教科書の教材にも。黒井健さんの魅力


(画像提供:黒井健 絵本ハウス)

黒井健さん(1947~)は、これまで40年以上にわたり、多数の絵本を世に送り出してきた絵本作家。子どものころ、教科書に掲載された『ごんぎつね』『手ぶくろを買いに』(ともに新美南吉作・偕成社)の絵をご覧になったことがある方は多いのではないでしょうか? この絵を描かれたのが黒井さんです。

黒井さんの絵本といえば、なんといっても、あの優しく柔らかな絵が持ち味。色鉛筆で描かれているという繊細で美しい絵は、見る人をあたたかな気持ちにさせてくれます。

また黒井さんは、0歳児健診などで赤ちゃんに絵本の読み聞かせ・プレゼントする事業を行なう、NPOブックスタートの理事も務めていらっしゃいます。お子さんのいるご家庭で、絵本を読むラッコの親子が描かれたブックスタートの布製バッグをお持ちではありませんか? 実はそのロゴデザインも、黒井さんが手掛けたものなのです。

親御さん世代もお子さん世代も、黒井さんの作品に触れながら育っているのですね。

黒井さんの魅力を存分に味わえる3作品を紹介

ここからは、佼成出版社より黒井健さんの作品を3つご紹介します。

1. 『こすずめとゆき』

深山 さくら 文/黒井 健 絵

寒い寒い冬の夜、かあさんの羽根にくるまれて眠っていたすずめのぼうやが目にしたのは、空からふわふわ舞い落ちてくる白いものでした――。「雪」という未知のものに出合った時の子どものみずみずしい感性が、情感豊かな美しい絵によっていきいきと描かれています。母と子のやり取りをゆったりと楽しんでほしい、読み聞かせに最適な1冊です。


【黒井健さんより】
雪を初めて目にしたすずめのぼうやのお話です。
原稿をお預かりしてから描き出せないまま長い年が過ぎていました。
今年の風の強い日に、アトリエの前にムクドリの羽と葉肉のすっかりとれた
葉が吹き溜まっていました。あ、きれい!なにげなく手に取って机に置いておいた。
毎日見ているうちに、はっ!とした。描けるかもしれないと・・・。
それから、試行錯誤しながらようやく仕上がった絵本です。

(引用元:黒井健 絵本ハウス|近刊絵本「こすずめと ゆき」

2. 『かかしのじいさん』

深山 さくら 文/黒井 健 絵

かかしのじいさんの仕事は、すずめを追っ払うこと。
なのに、すずめは、自由に空を飛び回り、じいさんは見上げるだけ。
すずめは、じいさんを慕ってやって来る。そして、じいさんも、いつしか、すずめを待つようになった。
ある日、お百姓さんが、すずめを捕えるために、かすみ網をかけようと言った。それを聞いたじいさんは……。
互いを思いやる気持ちが感動を呼ぶ絵本。

【黒井健さんより】
どんな顔のじいさんにしようかあれこれスケッチしているうちに、こわい顔なのにどこか間の抜けたじいさんになっていきました。青い稲から米の花が咲き、そして稲穂をつけていく田んぼを描くために、近郊の里山に幾度も出かけてはながめていました。

(引用元:黒井健 絵本ハウス|新刊「かかしのじいさん」

3. 『どんぐりたろうのき』

鶴見 正夫 作/黒井 健 絵

お母さんのかしの木と別れたどんぐりたろうが、美しい自然の変化の中でやがて自分もかしの木になっていく様子を描いた絵本。

【広報担当より】
四季折々の自然と、逞しく成長していくかしの木の姿が美しく描かれた作品です。見どころは伐採されてしまったお母さんのかしの木と、意外な形で再会する場面。母の死を乗り越えていこうとするどんぐりたろうの姿に胸を打たれます。

黒井健さんの原画を展示。「黒井健 絵本ハウス」

黒井さんは、「原画をいつも観ていただける場所を」という思いから、2003年、豊かな自然が美しい山梨県・清里に「黒井健 絵本ハウス」をオープンしました。


(画像提供:黒井健 絵本ハウス)

ここでは、冬季を除く開館期間中は2ヶ月ごとに特集展示が組まれているほか、黒井さんのトークイベントが行なわれることもあります。黒井さんの在館日にはサインをもらうことも可能! お近くにお出かけの際は、ぜひ立ち寄ってみてはいかがでしょうか?
12~3月は冬季休館となりますのでご注意ください

「黒井健 絵本ハウス」の開館スケジュール・黒井さん在館日はこちら

『こすずめとゆき』原画展のお知らせ

「黒井健 絵本ハウス」では、2018年10月に発売されたばかりの絵本『こすずめとゆき』の原画展が開催されています。合わせて、『かかしのじいさん』の原画も展示中。紅葉美しい清里で、黒井さんの絵を堪能してはいかがでしょう。

開催期間:2018年10月3日(水)~12月2日(日)
開館時間:10:00~17:30(入館は17:00まで)
開催場所:黒井健 絵本ハウス(山梨県北杜市高根町清里朝日ヶ丘3545-937)
アクセスはこちら

※黒井さんの在館日にはサインをいただくことができます。在館予定日はこちら
※火曜日は休館です。

(参考)
黒井健 絵本ハウス
NPOブックスタート|ブックスタートパックについて