音楽をたのしむ/歌 2018.11.5

【年齢別おすすめ】子どもの想像力がアップする! 5つの「手遊び歌」

【年齢別おすすめ】子どもの想像力がアップする! 5つの「手遊び歌」

手や指のほか、体を使って遊びながら歌う「手遊び歌」。音楽による幼児教育研究を専門とする高崎健康福祉大学人間発達学部子ども教育学科教授・岡本拡子先生によると、手遊び歌には、子どもの成長に欠かせない要素がたくさんあるのだそう。ここでは、体を使って子どもの想像力をアップさせる「手遊び歌」として、先生が特におすすめするものを教えてもらいました。

構成/岩川悟 取材・文/清家茂樹(ESS) 写真/玉井美世子(インタビューカットのみ)

子どもの心を捉える「意外性」

手遊び歌は、体を使った遊びを伴うことで、子どもの想像力を育むものが多いという特徴があります。そして、子どもが好むのは、変化」と「繰り返しが含まれるもの(インタビュー第3回参照)。ただ、なかにはただの変化と繰り返しでは終わらないものもあります。

『キャベツのなかから』という手遊び歌もそのひとつ。キャベツのなかから青虫が出てくるという内容で、親指を「お父さん青虫」に見立てるところから歌詞がはじまります。親指がお父さんを示すということは日本の文化ですから、みなさんもその後の歌詞は予測できますよね。子どもたちもそれは同じです。

2番は人差し指を使って「お母さん青虫」。その後はお兄さん、お姉さん、赤ちゃんと続いていきます。でも、この歌のいいところはそのままで終わらないところ。最後は全部の指を使って、なんと「ちょうちょ」になっちゃう! この意外性が素晴らしくて、子どもたちが絶対に大好きになる歌です。

とはいえ、こういった意外性は、子どもがある程度の年齢にならないと楽しめるものではない。そこで、子どもの年齢別にわたしがおすすめする手遊び歌をご紹介しましょう。

こどもの年齢が上がるほど歌詞の内容や動きの面白さに目が向く

0~1歳児向け
『おやゆびねむれ』/作者不詳(わらべ歌)
まだ小さな子どもには、互いに体を触れ合って遊ぶ歌がよいでしょう。この歌は、親指から順に指を1本ずつ折り曲げたり伸ばしたりしながら歌います。子どもが泣いてぐずっているときや、子どもを寝かしつけたいときにもおすすめですよ。歌うというよりも「語りかける」ように、穏やかに優しい口調でゆっくりと歌いかけてあげましょう。子どもは自然に心が落ち着いて、泣きやんだり眠ったりするはずです。歌いながら親子で触れ合うことで、子どもはお父さんやお母さんの温もりを感じながら安心感を得ることができます。

2~3歳児向け
『ずっとあいこ』/作詞・作曲:阿部直美
手遊び歌には指で数を数えたり、グーチョキパーを用いて遊んだりする歌が多いというのもひとつの特徴です。これはその典型のものですね。ただ、それらは「数を覚える」とか、「ジャンケンのルールを覚える」といったような学習効果を期待して歌うものではありません。親子で一緒に歌いながら遊ぶことで、生活のなかで用いる数やジャンケンに親しんだり、自然にそういったあらゆる文化に興味関心を持ったりするようになるというものです。まだ幼い子どもにとっては指を1本ずつ動かすのは少し難しいかもしれませんが、うまくできなくても、楽しんで遊ぶことが大切ですよ。

4~5歳児向け
『くいしんぼうのゴリラ』/作詞・作曲:福尾野歩
年齢が上がってくると、子どもの興味は歌詞の内容や動きの面白さに向かうようになります。歌詞の意味をきちんと理解し、描かれた場面を想像することで楽しくなってくる——そんな手遊び歌が数多くつくられています。この歌では、動きがユニークなゴリラが、バナナやレモンなど身近な食べものを食べたときの様子が表現されています。子どもと一緒にイメージを共有して楽しんでみましょう。また、登場する食べものを別の食べ物に置き換えて、オリジナルのものにしてみれば楽しさも倍増すると思いますよ。

動きの面白さという点でいえば、『ポキポキダンス』もおすすめ。これは『Hokey Pokey(ホーキーポーキー)』というアメリカの民謡が由来の手遊び歌。動きが激しいものですので、年長さんくらいの子どもが好みます。この歌のいいところは、頭やお尻など自分の体に触れながら、その部位の名称を歌うところ。遊びのなかで、子どもが自分の体に目を向ける、意識することにもつながるはずです。

それぞれ有名な歌ですので、『YouTube』などの動画共有サイトにはいくつも動画がアップされています。検索してぜひお子さんと一緒に遊んでみてください。

感性をひらく表現遊び―実習に役立つ活動例と指導案 音楽・造形・言葉・身体 保育表現技術領域別
岡本拡子 著/北大路書房(2013)

■ 音楽教育のエキスパート・岡本拡子先生 インタビュー一覧
第1回:幼少期における音楽体験の意味――「音楽という環境」を通し子どもの感性を伸ばす
第2回:子どもの感性を育む「歌と五感」――幼い子どもの成長につながる歌ってどんな歌?
第3回:「手遊び歌」が子どもにもたらすもの――楽しく歌うことが「学びの姿勢」につながる
第4回:【年齢別おすすめ】子どもの想像力がアップする! 5つの「手遊び歌」

【プロフィール】
岡本拡子(おかもと・ひろこ)
1962年8月25日生まれ、大阪府出身。大阪教育大学大学院教育学研究科修士課程音楽教育専攻修了。聖和大学大学院教育学研究科博士後期課程幼児教育専攻満期修了。聖和大学助手、美作大学短期大学部講師などを経て、現在は高崎健康福祉大学人間発達学部子ども教育学科教授。大学在学中より幼稚園や小学校などで「歌のお姉さん」として活動。その後、子育てをしながら大学院で幼児教育を学ぶ。現在は保育者養成に携わりながら、幼児やその保護者を対象としたコンサートや保育現場でのコンサートをおこなうほか、子どもの歌の作詞・作曲を手がける、保育者研修の講師を務めるなど、幅広く活躍する。

【ライタープロフィール】
清家茂樹(せいけ・しげき)
1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。