あたまを使う/将棋・囲碁 2018.2.28

幼稚園児から楽しく遊べる“3×4マス”の「どうぶつしょうぎ」を考案。女流棋士・北尾まどか先生インタビュー【前編】

編集部
幼稚園児から楽しく遊べる“3×4マス”の「どうぶつしょうぎ」を考案。女流棋士・北尾まどか先生インタビュー【前編】

子どもたちの間で将棋人気が広がっているのをごぞんじですか? 藤井聡太六段の活躍もあり、今、将棋が大注目されているのです。

そこで今回は、ミニ将棋「どうぶつしょうぎ」の開発者であり、『ねこまど将棋教室』代表でもある、北尾まどか女流二段に、将棋の魅力について語っていただきました。

北尾先生が本格的に将棋を勉強しはじめたのは高校生のとき。そして17歳で育成会に入会し、20歳で女流棋士に。

現在は、国内だけでなく海外での普及活動も積極的に行っており、そのアイデアと行動力で、将棋の新しい側面を次々に見つけ出してくれています。

子どもだって大人に勝つことができる、それが将棋

——本日はよろしくお願いいたします。プロとしても指導者としても活躍されている北尾先生が、将棋を始めたきっかけを教えていただけますか?

北尾先生:
私は小さいころからオセロなどのボードゲームやトランプが好きで、よく遊んでいました。ただ将棋に関しては、ほかのゲームに比べてハードルが高かったんですよね。

「山崩し」や「はさみ将棋」、「まわり将棋」などの駒遊びは好きだけれど、本将棋になるとどうやって勝てばいいのかがわからなくて。父もそれなりに将棋ができたので、子どものころはなかなか勝てなかったんですよね。だから、ルールは覚えたものの、知っているという程度でした。

それからしばらくたって高校生になったときに、学校で色々なボードゲーム類が流行りました。私の通っていた学校は、半分が内部進学で半分は外部進学だったので、たぶんコミュニケーションツールが必要だったのでしょうね。その中に将棋もあったので、友人と対戦したところ負けたんですよ(笑)、負けちゃったんです。

でもなんだか、そのとき「悔しいけどすごく奥が深くておもしろい!」と感じてしまって、どんどん勉強したんです。そうしたら将棋にはまってしまいました。もともと考えることがすごく好きだったので、大人と対局をして(考えた上で)勝つことが嬉しかった。負けず嫌いだったこともあって、勝負事というのはすごく好きでしたね。

 

将棋の楽しさを伝えるため、ひとりひとりに丁寧な指導を

——そしてプロ棋士になって、指導をすることも増えたとお聞きしました。子どもに指導をするというのは、大人のそれと違うのでしょうか。

北尾先生:
大人に対する教え方と子どもに対する教え方は、変えるべきです。だから、子どもに教えやすい方法というのを、色々と考えていかなければと思っているんです。

たとえば、今までの将棋教室の形っていうのは、だいたいが(ホワイトボード上の)こういう大盤を使って先生が少しお話をして、そのあとにどんどん対局していくという、実戦形式が主なのですが……。

でも、ルールもまだ覚えていないような小さい子にはその指導法は通じないですよね。自分が小さいころも同じで、どうやって勝てばいいのかがわからなかった……。だから、ルールを理解してもらうための工夫や、将棋の楽しさを教えることにすごく興味を持ったのです。

私は子どものころ将棋以外の習い事を色々としていまして、バイオリンやピアノも習っていたのですが、楽器って基本的にマンツーマンのレッスンが多いんです。でも将棋って、ひとりの先生に対して大人数の生徒というレッスンばかり。

だけどその指導方法だと、レベルの違う子を一緒に見ることは難しいですよね? だから、低年齢の子どもに教えるには、1対1か1対2くらいがいいのではないかな、と考えました。

——先日見学させていただいた「こども教室」も、先生2人に対して、生徒さん4人でしたよね。先生が生徒さんひとりひとりに直接指導しているな、という印象を受けました。

北尾先生:
はい、将棋の強さの表し方って「級」とか「段」なんですね。でも同じ級でも、「詰将棋」はすごく得意だけれど、実戦は苦手な子とか、色々な子がいるわけです。だから、その子に合わせて、得意なところを伸ばしてあげたり、苦手なところだけを中心に指導してあげたりした方がいいですよね。

なので、うちの教室の場合は、「この子はこういうところが苦手です、得意です」など、ほかの講師に伝わるように、生徒全員分のカルテを作っています。

——どうしてそのような丁寧な指導になったのでしょうか。

北尾先生:
将棋ではないのですが、私が影響を受けた『トモエMIアカデミー』さんというそろばん教室があるんです。トモエMIアカデミーさんは、ふつうのそろばんとは違って、“先生が読み上げて生徒がそろばんを弾く”という指導方法ではなかったんですよね。英語で教えたり、カラフルな教材を使ったりしながら、ひとりひとりに丁寧に指導をしていました。

そのトモエMIアカデミーさんで将棋教室を持っていたことがあるのですが、そのときに受けた影響や経験が今も続いています。講師1人に対して、生徒は最大4人、その形で指導をしようと思いました。

子どもが夢中になる!「どうぶつしょうぎ」

——北尾先生考案の「どうぶつしょうぎ」もカラフルですよね。

北尾先生:
トモエMIアカデミーの教材に影響を受けた部分も多いですね。レッスンにいくのが楽しくなるような、可愛らしくて身近においておきたくなるようなものが将棋にも欲しかったのです。

どうぶつしょうぎが誕生するさらに前からいろいろな素材で将棋を作っていました。たとえば、チェスやバックギャモンなどのゲームって、すごくおしゃれなのをごぞんじですか? スタイリッシュでかわいらしいもの、カッコいいもの、高級なものがたくさんあって、自分の好きなボードでプレイできるんです。

でも将棋に目を向けると、(もちろん高級でいいものはたくさんあるのですが)普段使うもので工夫されたものは少ない。将棋の世界にもカラーがあってもいいのでは? と考えたんです。

女性や海外の方を対象に「漢字が書いてない駒」を作ったり、「色違いの駒」を作ったり、新しいカラフルなものを作る取り組みはずっとしてきました。

——そうだったのですね。では、“3×4マスの盤”と“8枚の駒”で遊ぶ入門用のミニ将棋「どうぶつしょうぎ」を開発されたきっかけを教えていただけますか?

北尾先生:
将棋は一局が長いので、最後まで続けると疲れてしまったり、どこで悪い手を指したのかがわからなくなってしまいます。

なので、初心者向けの将棋を考えたとき、なるべく単純化したもの、ルールがひと言で説明できるようなものを作りたかったんです。盤の大きさもなるべく小さくして、駒の動きも簡易的にして、ゲームがすぐに終わるようにしました。勝ち負けがすぐにつく方が、子どもには理解しやすいんですよね。

どうぶつしょうぎのルール部分を私が作ったころ、藤田麻衣子さんという女流棋士が、可愛いどうぶつの絵の将棋をつくりました。

シンプルなルールとかわいらしさというふたつが合わさってできた「どうぶつしょうぎ」は、子どもに将棋を教えるのに適した教材になったと思っています。

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【プロフィール】
北尾まとか(きたお・まどか)
女流棋士。幼少のころに父からルールを教わり、高校生のときに本格的に将棋の勉強を始める。そして約1年でアマ二段に。女流棋士を目指し17歳で育成会入会。2000年20歳で女流プロ2級。2009年12月、女流名人位戦A級昇格。2009年10月〜2010年3月までNHK教育テレビジョンにて『先崎学のすぐわかる現代将棋』のアシスタントを務める。2010年、将棋普及のための会社「株式会社ねこまど」を設立し、海外を含む各所で指導を行う。初心者向け「どうぶつしょうぎ」のゲームルール考案者。

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「どうぶつしょうぎ」は、子ども同士はもちろん、ぜひ親子で楽しんでくださいね! と北尾先生はおっしゃっていました。「まさか子どもに負けるなんて……」と思っているお母さんお父さん、一度お子様と対局してみてください。2回、3回と対局すればするほどに、子どもたちは強くなりますよ! そして「どうぶつしょうぎ」からステップアップして、親子で本将棋デビューしませんか?

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『幼稚園児から楽しく遊べる“3×4マス”の「どうぶつしょうぎ」を考案。女流棋士・北尾まどか先生インタビュー【後編】』