社会 2026.9.22

【アジア大会出場国】インドってどんな国? 息を止める「カバディ」や熱狂の「クリケット」、ヨガの国を親子で旅しよう

【アジア大会出場国】インドってどんな国? 息を止める「カバディ」や熱狂の「クリケット」、ヨガの国を親子で旅しよう

この秋、32年ぶりに日本で開かれるアジア競技大会。中継を見ていた子どもが、ふしぎそうに聞いてくるかもしれません。

「どうしてずっと『カバディ』って言ってるの?」
こどもまなびラボの「オリンピックと何が違う? 『アジア競技大会ってなに?』を親子で3分で知る」でも紹介したように、アジア競技大会では、カバディのようにアジアで親しまれてきた競技が行われます。*1

そのカバディが生まれた国が、インドです。
名前は聞いたことがあっても、ルールまではよく知らない。そんな競技の向こうには、手を合わせるあいさつ、ヨガ、手で食べる食卓と、親子で試せる文化がたくさんあります。今日は、インドを親子で旅してみましょう。

「カバディ、カバディ…」と唱え続けるのがルール

カバディは、攻撃側と守備側に分かれて戦うチームスポーツです。攻撃する選手は、息つぎをしないで「カバディ」と唱え続けながら相手のコートに入ります。相手の選手にタッチして自分のコートに戻れれば、得点です。*2

ボールを使わないドッジボールや、鬼ごっこに近いスポーツといえば、子どもにもイメージしやすいでしょう。「カバディ」という言葉そのものには意味がなく、心と体をひとつにするための唱え言葉だとされています。*3

アジア競技大会では1990年の北京大会から正式競技になりました。日本は、2010年の広州大会で銅メダルを獲得しています。家でやるなら、「カバディ」と言っている間だけ動ける鬼ごっこがおすすめです。息が続かなくなったら、その場でストップ。小さな子なら「言っている間だけ歩ける」でも充分に盛り上がります。

「言いながら動く」「言い終わったら止まる」。こうしたルールのある遊びは、子どもが自分の体をコントロールする練習にもなると考えられています。

アメリカの未就学児65人を対象に、「合図で止まる」「言われたことと反対の動きをする」といったルールのある遊びを、少人数のグループで計16回行った研究があります。子ども全体では、遊びをしなかったグループとのはっきりした差は見られませんでした。一方で、もともと自分の行動をコントロールする力が弱かった子どもたちには、その力の伸びが見られたと報告されています。また、遊びに参加したグループでは、文字や単語を読む力の伸びも確認されました。(米オレゴン州立大学、シャウナ・トミニー氏、発達心理学者メーガン・マクレランド教授)*4

うまくできる子にも、まだ難しい子にも、それぞれの楽しみ方があるのが遊びのよいところです。止まれなくて転がって笑う時間も、立派な練習の一部です。

カバディの試合の様子

インドで大人気!「クリケット」で目と手を連動させる

アジア競技大会の種目で、もうひとつ注目したいのが「クリケット」です。日本ではあまりなじみがありませんが、インドでは空き地があれば子どもたちが遊んでいるほど、圧倒的な人気を誇る国民的スポーツです。

野球の原型とも言われるスポーツで、平らなバットでボールを打ち、走って得点を競います。家で遊ぶなら、丸めた新聞紙のボールと、ラップの芯や丸めたカレンダーで作ったバットを使った「おうちクリケット」がおすすめです。下からふわりと投げたボールや、床を転がしたボールをよく見て打ってみましょう。

飛んでくるボールを目で追いながら、タイミングを合わせてバット(手)を動かす。このような「目」と「手」など、別々の部位を連動させて動かすことを「協応運動(きょうおううんどう)」と呼びます。ボールを「よく見て、打つ」というシンプルな動作が、子どもたちの集中力や自分の体を思い通りに動かす力を育んでくれます。

うまく当たらない時は、最初は床に置いた止まったボールを打つところから始めてみてください。少しずつ難しくしていくのが、子どもが楽しく続けられるコツです。

クリケットの試合の様子

手を合わせて「ナマステ」。ヨガが生まれた国

インドのあいさつといえば、胸の前で手を合わせて「ナマステ」。朝でも昼でも使える、ていねいなあいさつです。そして、いまや世界中で親しまれているヨガも、インドで生まれました。

ヨガのポーズは、子どもとも一緒に楽しめます。たとえば「木のポーズ」。片足で立ち、もう片方の足の裏を内ももやふくらはぎに当てて、手を胸の前で合わせます。ナマステと同じ手の形です。

4〜12歳の子どもを対象にしたさまざまな研究をまとめたレビューでは、パソコンを使ったトレーニング、ルールのある遊び、有酸素運動、武道、ヨガ、マインドフルネスなど、多様な活動で、考えや行動をコントロールする力(実行機能)の向上が報告されてきたと整理されています。成果が見られた取り組みに共通していたのは、くり返し練習すること、そして少しずつ難しくしていくことでした。また、もともとこの力が弱い子どもほど、恩恵を受けやすい傾向があるとされています。(カナダ・ブリティッシュコロンビア大学、発達認知神経科学者アデル・ダイアモンド教授ら)*5

最初はぐらぐらでも大丈夫です。「今日は3秒、明日は5秒」と、少しずつ時間をのばしていく。そのくり返しこそが、子どもの力になっていきます。

ヨガ

右手で食べる食卓。「さわる」ことから始まる食の冒険

インドの多くの地域では、右手を使って食事をする習慣が広く見られます。ちぎったパンでカレーをすくったり、指先でごはんとおかずを混ぜたり。手で食べることは、料理の温度や感触を指先で味わうことでもあります。

日本の食卓では「手で触らないの」と言うこともありますが、食べ物にさわる経験には、別の面もあるようです。

イギリスの3〜4歳の子ども62人を対象にした研究では、本物の果物や野菜をさわって遊ぶグループ、食べ物以外の素材で遊ぶグループ、果物や野菜を見るだけのグループを比べました。その結果、果物や野菜にさわって遊んだグループでは、ほかのグループに比べて、果物や野菜を口にする子どもが多かったと報告されています。(英デ・モントフォート大学、発達心理学者ヘレン・コールサード氏ら)*6

インドカレーのお店でナンを手でちぎってみる。バナナの皮を自分でむいてみる。「さわってみる」ことが、新しい味への小さな一歩になります。

🧘 インド豆知識|ヨガは無形文化遺産
インドで古くから受け継がれてきたヨガは、2016年にユネスコの無形文化遺産に登録されています。体を動かすだけでなく、呼吸や心を落ち着けることを大切にしてきた伝統です。

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息つぎなしで唱え続けるカバディ、新聞紙のボールをよく見て打つクリケット、手を合わせる「ナマステ」や片足で立つヨガのポーズ、指先で味わう食卓。インドの暮らしには、体を使って楽しめるヒントがあふれています。中継でアジアの熱戦が始まったら、親子で一緒に「カバディ、カバディ」と唱えたり、手作りバットを振ってみてはいかがでしょうか。

FAQ(よくある質問)

Q. カバディはオリンピックの競技ですか?

A. オリンピックの競技ではありません。アジア競技大会では、1990年の北京大会から正式競技として行われています。

Q. 日本のカバディは強いの?

A. アジア競技大会では、2010年の広州大会で銅メダルを獲得しています。

Q. クリケットってどんなスポーツですか?

A. 野球によく似たスポーツです。インドでは圧倒的な人気を誇り、アジア競技大会でも正式競技として実施されています。

Q. 家でカバディ遊びをするときの注意点は?

A. 息を止め続けるのは短い時間にして、苦しくなる前にやめるようにしましょう。小さな子どもには「言っている間だけ歩ける」など、ゆるいルールがおすすめです。

(参考)
*1 こどもまなびラボ|オリンピックと何が違う? 「アジア競技大会ってなに?」を親子で3分で知る
*2 日本オリンピック委員会|カバディ|愛知・名古屋アジア大会
*3 日本カバディ協会|カバディとは
*4 Tominey, S. L., & McClelland, M. M. (2011)|Red light, purple light: Findings from a randomized trial using circle time games to improve behavioral self-regulation in preschool. Early Education and Development, 22(3), 489-519.
*5 Diamond, A., & Lee, K. (2011)|Interventions shown to aid executive function development in children 4 to 12 years old. Science, 333(6045), 959-964.
*6 Coulthard, H., & Sealy, A. (2017)|Play with your food! Sensory play is associated with tasting of fruits and vegetables in preschool children. Appetite, 113, 84-90.