教育を考える/親の関わり 2026.8.26

【保護者向け】学校・先生との関係づくりのコツ!子どもの安心を引き出す5つのポイント

【保護者向け】学校・先生との関係づくりのコツ!子どもの安心を引き出す5つのポイント

新学期が間近に迫り、親として「学校とどう付き合おう」と考える機会が増えるのではないでしょうか? じつは、親と学校の関係の質は、子ども自身の学校生活の充実度に直結することがわかっています。

今回は、教育心理学の研究をもとに、学校との関係をより良くするための親の姿勢とコミュニケーションの工夫をご紹介します。

親の「学校への信頼」が、子どもの学校適応を支えている

「親が学校を信頼しているか」は、一見、子ども本人には関係ないように思えるかもしれません。ところが、中学生345名を対象とした調査では、生徒の教師に対する不信感には、保護者の教師への信頼感(家庭の要因)が影響していることが示されました。*1

親が学校や先生を信頼していない態度を日常的に見せていると、子ども自身も先生を信頼しにくくなる可能性があるのです。先生への信頼感は、授業への取り組みから友達関係、進路への意識まで、子どもの学校生活の土台になります。もちろん学校に違和感を感じる場面はあるでしょう。

とはいえ大切なのは、その違和感を子どもの前で不信として表現するのではなく、親自身が「先生と対話を続ける」という姿勢を持つこと。これこそが、子どもの安心の土台になるのです。

ピンクのエプロンを着た先生に、笑顔で楽しそうに話しかける女の子の様子

関係構築は「聞く」「伝える」の往復から

保護者面談での教師の発話を分析した研究では、教師が保護者と連携を深めていくプロセスにおいて、「傾聴的発言」「自己開示的発言」「保護者からの情報収集」がカギとなることが示されています。*2

裏を返せば、親の側も「聞く」「伝える」「情報を共有する」という往復が、連携を深める土台になるということです。連絡帳や面談では、「うちの子の最近の様子はどうですか?」と開かれた質問を投げかけてみましょう。親だけでは見えない視点を先生から受け取れます。一方で、「家では○○に取り組んでいます」「最近こんな話をしていました」と家庭での様子を共有することも、先生が子どもへの関わり方を工夫する手がかりになります。

相談事があるときは、「こうしてください」と要望を伝えるのではなく、「親としてどうサポートできるか、先生のご意見をお聞きしたい」という形が効果的です。連絡帳を書く際も、「昨日は〇〇を頑張っていました。学校ではいかがですか?」と、ポジティブな面とセットで尋ねることで、先生も「家庭と一緒に子どもを育てている」という協働の意識を持ちやすくなります

ほんの少し言葉を工夫するだけで、先生を「心強い味方」に変えていくこともできるのです。

机の上で作業する小学校の先生

良好な関係づくりに欠かせない「5つの観点」

2025年に発表された小学校教員203名を対象とした研究では、学級担任と保護者が良好な関係を築くために、「積極的な受容・配慮」「適時的な報連相」「詳細な情報共有・記録」「尊重的双方向性」「直接的交流」の5つの観点が重要であることが明らかになりました。*3

これは教師に求められる視点ですが、親の側からも同じ枠組みで関係を見直せます。相手の立場を思いやり(受容・配慮)、必要なタイミングで情報を伝え(報連相)、重要なやり取りを連絡帳に残し(情報共有・記録)、お互いの意見を尊重しながら対話し(双方向性)、顔を合わせる機会を大切にする(直接的交流)。

良好な関係づくりに
欠かせない「5つの観点」
親側からできる具体的なアクション
① 積極的な受容・配慮 相手(先生)の立場や状況を思いやる
② 適時的な報連相 必要なタイミングで早めに情報を伝える
③ 詳細な情報共有・記録 重要なやり取りや共有事項を連絡帳などに残す
④ 尊重的双方向性 一方的にならず、お互いの意見を尊重しながら対話する
⑤ 直接的交流 面談や行事など、直接顔を合わせる機会を大切にする

どれも特別なことではなく、日々の関わりのなかで少しずつ積み重ねていける姿勢です。

完璧な関係を目指さなくていい

ここまで読んで、「そんなに丁寧に関われる自信がない」と感じた方もいるかもしれません。でも、安心してください。先生との関係づくりに、満点は必要ありません。連絡帳のひとこと、面談での率直なやり取り、行事でのあいさつなど、そのひとつひとつが、少しずつ信頼の貯金になっていきます。

ときにはすれ違いや、伝え方を後悔する場面もあるでしょう。それでも、対話をやめずに関わり続けること自体が、「あなたの味方でいたい」というメッセージとして先生に届きます。大切なのは完璧さではなく、継続すること。できる範囲の関わりを、無理なく積み重ねていきましょう。
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親と学校の良好な関係は、先生と親が仲良くするためではなく、子ども自身が安心して学び、成長できる環境をつくるためのもの。親と先生が互いを信頼し合っている環境でこそ、子どもは自分を表現し、挑戦する勇気を持てるようになるのです。

よくある質問(FAQ)

Q1. 先生に相談するタイミングが分かりません。些細なことでも連絡してよいのでしょうか?

A. 子どもの学校生活に影響がありそうなことは、早めに共有する方が関係構築にプラスです。家庭での体調変化や気になる発言は、先生にとって大事な情報になります。毎回長文で相談するのではなく、「気になったのでお伝えします」という一言を添えた簡潔な共有で十分です。

Q2. 学校の方針に違和感を感じたとき、どう伝えればよいでしょうか?

A. いきなり「おかしいと思います」と伝えるのではなく、まずは「なぜそうされているのか背景を教えてください」と聞く姿勢を持ちましょう。学級全体の流れや他の子たちの状況など、親からは見えない事情があるかもしれません。背景を聞いた上で、「家庭ではこう感じているのですが、いかがでしょうか」と双方向の対話を目指すことで、建設的なやり取りが生まれます。

Q3. 仕事が忙しく、学校行事に参加できないことが多いです。関係づくりに支障があるでしょうか?

A. すべての行事に参加する必要はありません。ただ、参加できるときには顔を出す、難しいときには連絡帳でひとこと添えるなど、「関心を持っている」というメッセージを送ることが大切です。「子どもが○○を楽しかったと話していました」と共有するだけでも、先生との距離は縮まります。