「うちの子、いつも新しいアイデアを思いつく」「興味がコロコロ変わって、ひとつのことに集中するのが苦手」。子育てをしていると、子どもの性格や行動に驚かされることがありますよね。でも、それは子どもがもともともっている「個性」や「気質」の表れかもしれません。
本記事では、マイヤーズ氏とブリッグス氏が提唱するMBTI(Myers-Briggs Type Indicator)をもとにした、「こどもまなびラボ」オリジナルの子ども向け性格タイプ分類から、「ENTPタイプ(ひらめき冒険家さん)」の子どもについて詳しく紹介します。ENTPタイプのお子さんがもつ特性を伸ばしつつ、バランスよく成長できるための具体的な育て方を見ていきましょう。
なお、ここでご紹介する内容はあくまで一つの指針です。子ども一人ひとりの個性は異なりますので、「こうあるべき」という正解はありません。お子さんの様子を見ながら、参考にしていただければ幸いです。
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目次
ENTPタイプ「ひらめき冒険家さん」ってどんな子?
ENTPタイプは、「外向的(E)×直観型(N)×思考型(T)×知覚型(P)」を組み合わせた性格タイプです。「こどもまなびラボ」では、創造力と発想力が豊かで、新しいことへの探究心が旺盛なことから、オリジナルで「ひらめき冒険家さん(ボウケン)」と名付けています。
常に新しいアイデアを生み出し、既存の枠にとらわれない自由な発想で物事を捉えることが得意で、まわりの大人も驚くような独創的な視点をもつ子どもです。
ENTPタイプの子どもの基本的な特徴
・外向的な性格:積極的に自分のアイデアを表現し、人とのやりとりからエネルギーを得る
・創造的思考:既存の概念にとらわれず、新しい可能性やアイデアを次々と生み出す
・好奇心旺盛:あらゆることに興味をもち、「なぜ?」「どうして?」と質問することが多い
・柔軟性:変化を楽しみ、新しい環境や状況にすぐに適応できる
・議論好き:自分の考えを相手に伝えることや、異なる意見を聞くことを楽しむ
ENTPタイプの子どもの日常生活での様子
ENTPタイプのお子さんは、遊びでも独創的なアイデアを次々と提案し、ルールを変えたり新しい遊び方を考案したりすることが好きです。「今度は宇宙人ごっこをして、この箱を宇宙船にして、お母さんは地球人の役をやって」というように、想像力豊かな遊びを展開します。
また、一つのことに長時間集中するよりも、興味の対象がコロコロと変わることがあり、同時に複数のことに取り組む傾向があります。たとえば、絵を描いていたかと思うと急に本を読み始めたり、パズルを途中で止めて別の遊びを始めたりします。
ENTP「ひらめき冒険家さん」の子どもを育てるためのヒント
ENTPの子どもの主な気質に合わせた育て方のヒントをご紹介します。それぞれの特性を活かしながら、バランスよく成長できるようサポートしましょう。
1. 多様な体験の機会をつくる
好奇心旺盛なENTPタイプの子どもには、様々な分野の体験機会を提供することで、創造力と探究心がさらに育まれます。
2. アイデアを表現できる環境を整える
創造的思考が得意なENTPタイプの子どもには、自由にアイデアを表現できる環境を用意することで、その才能がさらに伸びます。
3. 議論や対話の時間を大切にする
議論を楽しむENTPタイプの子どもには、日常生活のなかで対話や議論の時間を設けることで、論理的思考力とコミュニケーション能力を育めます。
4. 変化を楽しめる活動を提供する
柔軟性があり変化を好むENTPタイプの子どもには、単調になりがちな活動に変化を加えることで、持続的な興味を保てます。
5. 完璧さよりも過程を重視する
新しいアイデアを重視するENTPタイプの子どもには、結果の完璧さよりも、創造的な過程や努力を認めてほめることが大切です。
ENTP「ひらめき冒険家さん」タイプの子どもに向いている?! 【習い事編】
ENTPタイプの子どもの特性を活かせる習い事や活動には、以下のようなものがあります。
・プログラミング教室:論理的思考と創造性が同時に鍛えられる
・演劇やミュージカル:表現力と創造性を発揮できる
・科学実験教室:好奇心と探究心を満たせる
・美術やアート教室:自由な発想を形にできる
・ディベートクラブ:議論好きの特性を活かせる
・発明教室やものづくり教室:アイデアを実際の形にできる
・英会話や多言語学習:コミュニケーション能力を広げられる
・即興演奏や作曲:瞬間的なひらめきを音楽で表現できる
習い事を選ぶときは、決められたカリキュラムよりも自由度が高く、創造性を発揮できるものが向いています。ただし、一つのことを深く追求する経験も大切なので、興味を示したものについては継続を促すことも重要でしょう。
習い事を選ぶときは、決められたカリキュラムよりも自由度が高く、創造性を発揮できるものが向いています。ただし、一つのことを深く追求する経験も大切なので、興味を示したものについては継続を促すことも重要でしょう。
ENTP「ひらめき冒険家さん」タイプの子どもに向いている?! 【仕事編】
ENTPタイプの子どもは、将来、創造性と柔軟性を活かせる分野で活躍が期待できます。MBTIの提唱者であるマイヤーズとブリッグスは、ENTPの特性として新しいアイデアを生み出す力や、変化する環境に適応する能力に優れるとしています。
・起業家やイノベーター:新しいビジネスアイデアを創出できる
・クリエイティブディレクター:創造的な発想力が活かせる
・研究者や発明家:探究心と創造性が必要
・ジャーナリストや作家:好奇心と表現力が重要
・コンサルタント:多角的な視点で問題解決策を提案できる
・エンターテイナーや芸術家:創造性と表現力が求められる
・マーケティング専門家:新しいアイデアで商品やサービスを宣伝できる
・教育者や講師:知識を分かりやすく伝える能力が活かせる
これらの職業は、ENTPがもつ創造性と柔軟な思考の性格特性と非常に相性がよく、具体的な根拠として心理学的な研究やMBTI理論で推奨されています。
もちろん、これはあくまで傾向であり、個人の興味や能力、環境によって向き不向きは変わってきます。子どもの「好き」を大切にしながら、可能性を広げていくサポートが重要です。
科学的位置付けと注意点
MBTIは心理学的理論に基づいていますが、その妥当性や信頼性については賛否両論があります。また、性格や気質を理解する理論は他にもさまざま存在します。
たとえば、ENTPタイプの子どもは、トーマスとチェスの「気質の9分類」では、新しい刺激に対して積極的に関わる「接近・回避」や、環境の変化に柔軟に対応する「適応性」、そして多くの活動に興味を示す「活動性」が強いという特徴的な組み合わせをもつことが多いでしょう。
また、ビッグファイブ理論では、ENTPタイプの子どもは新しい経験を求める「開放性」と、社交的で積極的な「外向性」が非常に高いと特徴づけられることが多いでしょう。
しかし、こうした性格分類は、どれも参考のひとつにすぎません。タイプにとらわれすぎず、子どもの個性を尊重しながら、必要に応じて専門家の見解も参考にしてください。性格タイプはあくまで子どもの理解を深めるためのひとつの視点であり、子育ての参考として柔軟に活用することが大切です。
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創造力と探究心をもつENTPタイプの子どもたちは、将来のイノベーターとして社会に新しい価値を提供できる可能性を秘めています。その特性を理解し、バランスのとれた成長をサポートすることで、子どもたちが自分らしく輝ける未来へと導いてあげましょう。
(参考)
TThe Myers-Briggs|Self-awareness starts here
The Myers-Briggs|Personality type for kids — why it matters
16Personalities|ENTPの性格(討論者)
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