“The faculty of imagination is both the rudder and the bridle of the senses.”
-Leonardo da Vinci
(想像力は感性の舵であり、手綱でもあるーレオナルド・ダ・ヴィンチ)
“Do not quench your inspiration and your imagination.”
-Vincent van Gogh
(直感と想像力を抑え込んではいけないーゴッホ)
“Every child is born blessed with a vivid imagination.”
-Walt Disney
(どんな子どもも生き生きとした想像力をもって生まれてくるーウォルト・ディズニー)
そうそうたるクリエイターたちが大切さを力説しているもの、それが「想像力」です。子どもは時に大人の想定を超えた鮮やかな世界を表現します。想像力が子どもたちの未来にどんな役割を果たすのか、大人はいかにしてその感性を大切にしてあげられるのかについて考えてみましょう。
J・K・ローリング氏が語る「想像力」とは
想像力とはどんなものでしょうか。『ハリー・ポッター』シリーズの作者J・K・ローリング氏は、ハーバード大学の卒業式でこう言っています。
想像力とは、存在しないものを想像し、発明や確信を生む、人間だけが持つ能力のことを意味するのではありません。想像力とは、最も変幻自在で驚くべき能力であり、想像力のおかげで、私たちは分かち合ったことのない他人の経験にも共感できるのです。
(引用元:ELLE girl|どん底から成功を掴むヒントがいっぱい!「ハリー・ポッターの生みの親J.K.ローリングの名言12)
「想像」は自分のなかでひっそり生まれますが、表現することで、イマジネーションを大きく羽ばたかせることができます。その大成功例ともいえる『ハリー・ポッター』の世界観をつくり上げた彼女の言葉は説得力がありますね。
このように、想像力とは、自分だけではなく、多くの人を幸せにできるポテンシャルを秘めたすばらしい能力なのです。
想像力を高める方法1:親子で会話遊び「何に見える?」
ウォルト・ディズニー氏が言うように、どんな子どもでも豊かな想像力を秘めています。生まれたての赤ちゃんは「無」です。そして成長するにつれ、少しずつできることが増え、好奇心が湧き、それらを材料に「想像」するようになります。
この成長過程について、法政大学文学部心理学学科の渡辺弥生教授は「『立った』『話した』などの大きな成長の節目に『イメージを獲得した』を加えてほしい」と話しています。想像力の芽生えは、「イメージすること」から始まるのです。
渡辺教授は、子どものイメージ力を伸ばすために次のような会話遊びを提案しています。
(空に浮かぶ雲を見上げながら)
親「あの雲、何に見える?」
子「あの雲、お魚に見えるね!」
親「そうだね! ママにはネコちゃんにも見えるよ! いろんな形に見えるね〜」
子「本当だ。よく見たら、お船にも見えるかも!」
親「たしかに、お船にも見える! ほかにもあるかな?」
また、砂場でケーキやお団子をつくったり、お友だちや親とごっこ遊びをしたりする、「つもり遊び」も、イメージ力を伸ばすことができます。
渡辺教授によると、「イメージをもつ力」を伸ばすポイントは、保護者自身が子どものイメージの世界に入り込んであげることなのだそう。寝る前の絵本タイムに、読み聞かせをするだけではなく、「もし、〇〇くんがお殿さまになったらどうする?」など、子どもと一緒に空想の世界で遊ぶことを習慣にするのもよいですね。
想像力を高める方法2:「発想お絵かき」に挑戦する
東大卒2人を含む4人の子育て経験を生かし、進学塾ではない「寺子屋」で学習指導を行ないながら、教育関連ライターとしても活躍する高橋公英氏は、子どもらしい想像力を育むためのトレーニングとして「お絵かき」を推奨しています。
やり方としては、まず子どもに少し不思議なお絵かきのテーマを示します。
■ふしぎなどうぶつ
ぼくは こんな どうぶつです。
あたまは まるくて 長い毛がはえています。
あたまには つのが 1ぽん あります。
からだは ほそ長くて 足は4ほんです。
足の長さは みじかいよ。
しっぽは ふといけれど みじかくも 長くもありません。
ぼくの すがたを 絵にしてね。
(引用元:All About|想像力&創造力トレーニング…子供らしい柔軟性を取り戻す方法)
これは高橋氏が実際に子どもたちに示した例です。このテーマを見た子どもたちの反応は、ライオンやイルカなど「実際の動物によせて具体的イメージをつかもうとする子」、頭のなかでどんどん自分のイメージを膨らませて「実在しない生き物をつくり上げる子」など、さまざまだったようです。常識にとらわれて頭が固くなってしまう前に、子どもらしい想像力を存分に発揮させてあげましょう。
しかしなかには、お絵かきが好きでない子もいるでしょう。芸術による教育の会講師の後藤和人先生によると、お絵かきに苦手意識がある子どもは、“正解がわからない” という不安をもっていると話します。
その不安の原因がどこから来ていると思いますか? じつは……「〇〇ちゃんみたいに描いてみたら?」「うちの子お絵かき下手なのよ」などの、なにげない親の発言から来ている可能性があります。また、親がよく使いがちな「上手だね」も、子どもが「大人にほめられるような絵を描く」きっかけになってしまうかもしれないため、控えたほうがよいそうです。
想像力を健やかに育むために、親は声かけに気をつけましょう。そうすれば、「発想お絵かき」は、子どもの頭と心を解きほぐす、すばらしいトレーニングとなるでしょう。
想像力を高める方法3:「こんな未来っていいな」を描く!
イマジネーションの世界を自分のなかだけに留めず、羽ばたかせるためにとてもよいチャンスがあります。それが「ドコモ未来ミュージアム」です!
「こんな未来っていいな」
きみが描く未来はどんな世界だろう?その世界はワガママ放題。好きなことだけを自由に描いていいんだ。紙に描いてもいいし、スマホに描いたっていい。さぁ、イメージを膨らまして楽しい世界へ出発だ!
(引用元:ドコモ未来ミュージアム)
「ドコモ未来ミュージアム」は、「子どもたちの未来や夢を描く力を応援する、創作絵画コンクール」。2002年に始まり、今年第19回を迎える、長く愛され続けているコンクールです。「絵画部門」と「デジタル部門」があり、どちらもテーマは「僕たち私たちの未来のくらし」。3歳から中学生までが応募できますよ。
まずは、なんの未来を描くか。乗り物、おうち、街、山や海、動物……。テーマ選びにも子どもたちの興味が表れますね。「未来」へのイマジネーションは無限大に広がりそうです。公式サイトでは過去の作品も掲載されています。見ていると、子どもたちのエネルギーが画面からあふれ出して、躍動感にドキドキしてしまいました。
絵画部門・小学校1~2年生の部/金子 勝太(かねこ しょうた)さんの作品
絵画部門・小学校5~6年生の部/天野 蓮士(あまの れんじ)さんの作品
デジタル部門/川端 悠莉(かわばた ゆうり)さんの作品
公式サイト内には、日本体育大学 児童スポーツ教育学部教授の奥村高明教授と、デジタルハリウッド大学・南雲治嘉教授の「お絵かき段取りアドバイス」も。
- アイデアは、まず言葉にして、お友だちや家族に伝える
- それらを思いつくままに紙に書き出して、イメージを具体化する
- 書き出す過程で描きたいものにまつわる知りたいことを調べる
- 材料はできるだけいろいろな種類を準備する(水彩絵の具、クレヨン、切り絵用の紙など)
想像力に弾みがつけば、大人が思いもつかないような表現方法を子どもが編み出すかもしれません。
“いま” の空想の世界はいまだけのもの。それぞれの「僕の/私の未来予想図」を描くことは、子どものイマジネーションの歴史を刻む場として、親子の大切な思い出となるでしょう。
「ドコモ未来ミュージアム」の詳細はこちらから↓
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空想の世界から始まる想像力は、円滑な人間関係や将来のどんな仕事にも必要な創造性、社会性に直結していく、大切な「生きる力」となります。生涯を研究に捧げ、多大な業績を残した理論物理学者アインシュタインの言葉が、重みをもって心に響きますね。
「想像力は知識より大切だ」
(参考)
ドコモ未来ミュージアム
ベネッセ教育情報サイト|幼児期から「イメージ」する力を伸ばすと、想像力や社会性が豊かになる!
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