小さなお子さんを育てているご家庭ではもうおなじみの “ストライダー”。幼少時にお世話になったというお子さんも、また現在購入を検討されている保護者の方も多いのではないでしょうか?
今やたくさんの種類が出ている幼児向けのキックバイクですが、ストライダーはその中でも圧倒的な人気を誇っています。その人気の秘密はいったい何なのでしょうか。
楽しいから? 自転車に乗る前の練習になるから? もちろんそれだけではありません。じつはストライダーには、「かけっこが速くなる」秘密が隠されているのです。
子どもの身体能力を向上させる「工夫」と「秘密」
もはや説明不要のストライダーですが、初めて見たときは「ペダルもない、ブレーキもない、これでどうやって走るの!?」と衝撃を受けたことを覚えています。きっと多くの親御さんもそう感じたのではないでしょうか。
この「徹底的に軽くシンプル」な幼児用のキックバイク、ストライダーには、じつは子どもの身体能力を向上させるさまざまな工夫と秘密が隠されているのです。ここでは、そのいくつかをご紹介し、なぜストライダーが世界中の子どもたちに愛され、かつ子どもの成長に良い影響を与えるのかを解明していきます。
ストライダーは、歩き始めの1歳半から5歳児まで、本能的な動作ですぐに乗りこなすことができるといいます。その理由は、子どもが直感的に扱いやすいように細部までこだわった構造にヒントがあるようです。
■ハンドル
360度回転するのは、もしもの転倒への備えです。またステアリング(ハンドルの動き)は固めにすることで、手を放す危険性を最小限に抑えます。
■ブレーキなし
1歳半~3歳前後の幼児には、ブレーキバーを握る十分な握力が備わっていません。また、「レバーを握る=止まる」という動作は幼児にとって非常に難しく、反射的に足で止まろうとします。
ほかにも、グリップやシート、タイヤに至るまで、子どもの安全と乗りやすさ、スムーズな動作のためにさまざまな工夫が施されています。
また、ストライダーはそのままでは自立できないので、子ども自身がしっかりとバランスを取る必要があります。そのため、自然とバランス感覚や集中力が高まり、反射神経も敏感に反応していくようになるそう。ストライダーでバランス感覚を養うことで、自転車に乗るときも補助輪なしでスムーズに移行できるでしょう。
かけっこが速くなるフォームを自然に習得!
そんなストライダーですが、じつは乗っているだけでかけっこが速くなるのです! かけっこ教室を運営する体育指導のプロ・永野祐一先生も以下のように話しています。
かけっこが速くなるために一番大事なことはなんでしょうか?
「それは姿勢です。上半身が前傾し、頭から足までが一直線になっていることが理想なんですが、この理想的なフォームが、ストライダーに乗る子どもたちはしっかり身についていることが多いんです」
それはなぜでしょうか?
「理由はふたつあると思います。ひとつは、ストライダーの場合、速く走ろうとすると、必然的に後ろに足を蹴りあげる動作が強く大きくなります。かけっこのときより、その動作はとても大きくなるんです。そうすると自然と上半身が前傾になり、その姿勢をキープできるんです」
なるほど。前傾姿勢がつくりやすいんですね。もうひとつの理由はなんでしょうか?
「小さな子どもにかけっこさせると、どうしても上半身の動きが無駄にブレてしまうんです。ところがストライダーは、シートに座ることによって、まずお尻の位置が固定されますよね。加えて、両手はハンドルを握ることによって、上半身の動きに制限がかかります。自然と意識は下半身の動きに集中できているように思います」
足の動きは、かけっことストライダーに乗るときとでは同じなのでしょうか?
「とても似ていますね。特にかけっこでは、大きく後ろに蹴りだした足を引きつけて戻す力、つまり足を前に出す力が重要になってくるのですが、この足を前に出す動作が、ストライダーに乗りなれた子は非常に優れていることが多いですね」
短距離選手の理想的なフォームと、ストライダーで速く走った場合のフォームを比較すると、非常によく似ていることがわかります。ストライダーに乗ることで、子どもたちはかけっこが速くなるフォームを自然に習得しているのですね。
「負ける悔しさ」「勝利する喜び」を知り、あきらめない心が育つ
さらにストライダーには、いくつもの教育的効果が期待できることもわかっています。
■体幹が強くなる!
「ストライダーキッズは、体幹が強い子が多いですね」
そう語るのは、プロMTBダウンヒルライダーの井手川直樹さん。ストライダーに乗ると、バランス感覚や運動能力が楽しみながら育つといいます。
自分の足で支え、常に前後左右のバランスを保持することで、はじめてスムーズに走行できるストライダーだからこそ、バランス感覚を身につけながら体幹の発達に効果が期待できるのです。
■集中力と度胸がつく!
元全米NFLデンバーブロンコスチアリーダーの堀池薫子さんは、「ストライダーキッズは、体の軸がしっかりしていて、集中力も度胸も抜群」と絶賛しています。
子どもたちにチアを教えている堀池さんは、片足立ちやキックの練習でも体の軸をしっかりとって踊れるストライダーキッズに驚かされるそう。振りを覚える集中力もあり、堂々とパフォーマンスする度胸も身についているようです。
■チャレンジ精神とあきらめない心が育つ!
2歳から出場できる『ストライダーカップ』は、2010年に開催されて以来、大勢のストライダーキッズが参加してきました。このような大会やレースを通じて得るものも大きいといいます。
泣いてしまってなかなかスタートできなかった子も、何度が参加するうちに堂々とスタートを切れるようになったり、初めて人と競い合う経験をして「負けたくない」という気持ちがわいたりと、小さなお子さんの心の成長につながります。
■精神力が鍛えられる!
レースを通じて得られるものは、チャレンジ精神だけではありません。プロMTBライダーの有薗啓剛さんは、「負ける悔しさを知っているので、人の痛みを感じられる子が多いと思います」と述べています。
また永野先生は、大観衆の中で繰り広げられるストライダーカップに参加することで、確実にメンタルが鍛えられますといいます。運動会のかけっことは比べものにならない緊張感のなか、ひとりひとり名前を読み上げられて、しっかりと選手扱いされるという経験は、子どもたちの精神力が鍛えられる良いきっかけになるでしょう。
「ストライダー」おすすめモデル3つ
最後に、おすすめのストライダーをご紹介します。お子さまにぴったりなストライダーはどれでしょう?
【ストライダー スポーツモデル】(1歳半~5歳)
「より快適に、より安全に、より長く遊べる」をコンセプトに開発されたベストセラーモデル。万が一の転倒の際に、衝撃からお子さまを守るハンドルバーパッドやクッションシート、お子さまの身長が大きく伸びた場合でも遊ぶことができるXLロングシートポスト、遊びの幅を拡げるフットステップなどの豊富な追加パーツがすべてセットになっています。
【ストライダー クラシックモデル】(1歳半~5歳)
「シンプルで軽い」、ストライダーの原点をしっかりと踏襲し、いっさいのむだを省いたクラシックモデル。ストライダー誕生当初からほとんど変わらないデザインが人気のこのモデルは、少しくらい手荒に扱っても問題ない頑丈なつくりと、小さなお子さまでも取り回すことが容易な軽さを両立しています。
【ストライダー プロモデル】(1歳半~5歳)
本体フレーム、ハンドル、フロントフォークと主要パーツにアルミを採用。錆びにくく、剛性が高く、ハードなレースシーンにも最適。シンプルで軽くという、ストライダーのコンセプトをさらに進化させたハイグレードモデルです。
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楽しいだけじゃない、ストライダーにはたくさんの教育効果も期待できることがわかりました。遊びながら体幹やチャレンジ精神まで鍛えられるなんて、嬉しいことばかりですね。
(参考)
STRIDER|About STRIDER
STRIDER|ストライダーに乗ると『かけっこ』が早くなる!?
EVERY BUDDY STRIDER|ストライダージャパン公認 ストライダーを使った幼児体育プログラム