芸術にふれる/アート 2018.7.12

子どものための “体験型” 美術館は「感じる」「作る」「演じる」「楽しむ」プログラムが満載! 『子ども美術館』

長野真弓
子どものための “体験型” 美術館は「感じる」「作る」「演じる」「楽しむ」プログラムが満載! 『子ども美術館』

「とにかく楽しい!」「休日に行ったけどたくさんの家族連れでとても賑わってた」など、最近その人気ぶりをしばしば耳にする『ふなばしアンデルセン公園』。2015年トリップアドバイザー(世界最大の閲覧数を持つ旅行口コミサイト)の“日本の人気テーマパーク”ランキングで、USJを抑えて3位に入ったことで話題になりましたよね。

豊かな自然を堪能できるのはもちろんですが、今回はその中でもいろいろな創作体験が楽しめる「子ども美術館」をご紹介します

ふなばしアンデルセン公園とは

ふなばしアンデルセン公園は昭和62年に「ワンパク王国」としてオープン。その後、船橋市とデンマーク王国オーデンセ市が姉妹都市であることから、有名な童話作家アンデルセンの名前にちなんで、平成8年に「アンデルセン公園」となりました。整備、交流面でデンマークのバックアップを受けながらイベントの充実、拡張を続け今ではその規模は東京ドーム8個分(約38.3ヘクタール)にまで広がったそうです。

広大な敷地は5つのゾーンに分かれ、アスレチック、動物とのふれあい、水遊びなどたっぷり自然に触れ親しむことができます。常時100種類50,000株もの草花が楽しめるのも魅力の一つで、風車などデンマークを彷彿とさせる光景もあり、子どももおとなも1日中公園を満喫できるでしょう。

子どものための体験型美術館2

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子どものための“体験型”美術館

5つのゾーンのうちの一つが美術館エリアです。「美術館」と言っても、静かに美術品を鑑賞するものとは全く違います。“子どものための体験型美術館”なので、親も子どもも周りに気兼ねすることなく、のびのび楽しく過ごすことができるのです

子ども美術館のテーマは「作る」「演じる」「感じる」「楽しむ」。創作体験を堪能できる8つのアトリエではさまざまなプログラムが用意されています。
※[ ]内は2018年7月のプログラム例です。

版画のアトリエ

たくさんあるスタンプを押して自分だけの作品を作ったり、本格的なシルクスクリーン体験をしたり、子どもたちが熱中するポイントがたくさんあります。
[海のシルク工房:タオルやTシャツに自分の版でプリントします]

食のアトリエ

パンやケーキなどのお菓子、ピザなどを作ることができます。簡単レシピから本格的なチャレンジレシピまでありますよ。
[スウィート・パフェ/さくさくデニッシュ]

染のアトリエ

布の色染めや、皮革に模様を染付たりしてオリジナル作品を作ることができます。
[じぶん色に染めよう:ハンカチやTシャツなどの布物を輪ゴムで絞って色付けしオリジナル模様を作ります]

子どものための体験型美術館3
過去のプログラムの様子

織のアトリエ

珍しい機織り体験ができます。小さなお子さんはお母さんと一緒にどうぞ。
[はたおりトントン:織った作品は持ち帰ってバッグやポーチなどを作る材料にできます]

陶芸のアトリエ

土を手でこね、本格的陶芸体験ができます。毎週日曜は電動ろくろ体験も。陶器は焼く必要があるので完成品は後日のピックアップになりますよ。
[わんぱくカレー皿:ねんどを型につめてお皿をつくり、絵つけをします]

子どものための体験型美術館4
過去のプログラムの様子

木のアトリエ

木工工作は夏休みの宿題にも大人気です。
[小さなこうえん:木を材料に自分オリジナルの公園を作ります]

ワークショップ室

石鹸づくりやカンバッジづくりなどその時のテーマで創作活動が行われています。
[夏の思い出モビール:カピス貝を使った涼しげなモビール作り。貝に模様を描いたり、好みのビーズを組み合わせます]

アンデルセンスタジオ

大人気の演劇体験。童話を皆で演じます。(次項でくわしくご説明します)

各アトリエのテーマはほぼ月替わり。内容はホームページで確認することができます。参加費用は内容や材料によって300〜1100円、どれも所要時間は約1時間〜1時間半となっています。申し込みは当日先着予約順と随時受付の2種類がありますので、入園後まずは早めに行ってみることをお勧めします。

わくわくの演技体験!~アンデルセン童話の世界へ~

先述したプログラムのほかにも、イベントがとにかく盛りだくさん。とくに人気の高いアンデルセンスタジオでの演技体験についても詳しくご紹介しましょう。

大人気の演技体験

8つのアトリエの一つ、アンデルセンスタジオでは演技をとおして童話を体験できます。そのお話を知らなくても大丈夫。童話の語りを楽しんだ後、役決めをします。そして衣装やフェイスペインティングで童話の登場人物に変身! 演技する場もなかなか本格的なセットで童話の世界に入り込めるようになっていて、子ども達の笑顔が輝きます。

子どものための体験型美術館5

体験できるものは『しっかり者のすずの兵隊』(定員10名)と『親指姫』(定員15名)で、参加は当日先着予約。土日祝と春・夏・冬休みだけの開催で、大人気プログラムですので開園直後に予約するのがいいでしょう。(対象年齢:4歳〜中学生/料金:300円)最後には記念撮影もしてもらえますので、素敵な思い出になること間違いなしです。

アーティストと交流できる企画展

実力派アーティストの作品を展示するとともに、アーティストとのワークショップも行う企画展を年4回開催しています。

2018年6月2日〜7月22日は「HELLO NEW WORLD いつもの世界を新しく!」展を開催中。木製オブジェをいくつも連ね自然に調和させるスケールの大きな作品を生み出しているアーティスト・井口雄介さんが “見慣れた身近にあるものもサイズや数を変えるだけで違ったものに見える”をテーマに作品を展開鑑賞するだけでなく体感できる展示になっています

子どものための体験型美術館6

魅力的なイベント多数

GWには紙芝居、クリスマスには音楽会など毎年シーズンごとのイベントが行われています。2018年4月1日〜10月31日の半期に渡る期間には、「第10回アンデルセン公園きりがみコンクール」の作品募集中です。

アンデルセンは切り紙の名手でもありました。彼は子ども達に童話を語りきかせながらハサミを走らせたそうです。調べてみると繊細で夢溢れる作品をたくさんみることができます。そんなアンデルセンにちなんでのコンテスト。どこからでも作品を郵送することで参加ができます。大賞に選ばれた方は副賞としてデンマークへの旅が贈られます。応募対象は“子どもから子どものこころをもった大人まで”というのもいいですね

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とことん子ども目線で作られている美術館です。いろいろなことを体験できるので、「好き」を発見するきっかけづくりに最適ですし、初めてのお友達や先生とコミュニケーションをとりながらの作業も大切な学びになるでしょう。まさに子どもの五感がフル回転する刺激的な“あそび場=まなび場”が子ども美術館です

梅雨や暑い夏、寒い冬には屋内で楽しめるこんな施設は貴重ですよね。公園は16時まで(※春・夏等、時期によっては17時まで)なので、全てのエリアを堪能するには1日では足りそうにありません。リピーターになりたくなるほど魅力的なので年間パスも人気です。行けば子どももおとなも笑顔になれる美術館には、たくさんの発見が待っています。

(参考)
ふなばしアンデルセン公園