暮らしを楽しむ/時短/生活・レシピ 2025.9.26

【親子で 簡単!3ステップ調理】秋野菜で「脳と心」を育む! かぼちゃ・さつまいも・秋なすのレシピ

山田 佳奈子
【親子で 簡単!3ステップ調理】秋野菜で「脳と心」を育む! かぼちゃ・さつまいも・秋なすのレシピ

秋には、かぼちゃさつまいもなどの野菜が旬を迎えます。子どもにとっては「得意・不得意」がある野菜もあります。しかしじつは、子どもと一緒に料理をするだけで、野菜への親しみが深まるだけでなく、集中力や自己肯定感まで高まることが科学的に証明されています。

今回は「食欲の秋」にちなみ、旬の秋野菜の栄養親子調理のメリット、親子で簡単に作れる3ステップレシピを紹介します。ぜひお子さまと一緒にチャレンジしてみてください。

ライタープロフィール

山田佳奈子

山田 佳奈子

管理栄養士

約8年間保育園で献立作成や給食づくり、栄養相談に携わる。とくに食育活動に力を入れ、「食を楽しく学ぶ」「食に興味をもつ子を育てる」をテーマに0歳から5歳の年齢に合わせた指導を実施。アトピーや運動誘発性小麦アレルギーの発症、2年間のイギリス生活などを経て、現在は執筆活動をメインに食と健康に関する情報を発信している。

秋野菜は栄養満点!

秋に旬を迎える野菜には、かぼちゃさつまいも秋なすなどがあります。それぞれの野菜には、からだのはたらきを支える栄養が豊富に含まれています。

  • かぼちゃ:βカロテンが豊富で免疫力を高める、目や皮膚の健康を維持する
  • さつまいも:水溶性・不溶性食物繊維が豊富で腸内環境の働きを助ける
  • なす:カリウムが豊富で、摂りすぎたナトリウム(塩分)の排出を促す

旬の野菜は、ほかの時期に比べて新鮮で味が濃く、栄養価が高いのが特徴です。手頃な価格で購入しやすいことから、積極的に料理に取り入れる方も多いでしょう。

しかし、野菜には甘みの少ないものもあるため、苦手意識を持つ子どもも多いです。3歳から小学生までの子どもを持つ方を対象としたカゴメ株式会社の「野菜定点調査2025」によると、子どもが嫌いな野菜はピーマン・ナスが上位となっています。

秋野菜

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子どもの野菜への関心を高める! 親子調理のメリット

子どもに野菜をもっと身近に感じてもらう方法として、親ができることはさまざまです。たとえば、以下の3つがあります。

  • 甘みを引き出す調理方法を取り入れる
  • 味付けを工夫して食べやすく仕上げる
  • 調理体験で野菜に親しむ機会をつくる

蒸す・焼くなどの調理法を取り入れると、野菜本来の甘みが楽しめます。苦手意識のある野菜は、子どもの嗜好に合わせてバターや少量の塩を加えるとよいでしょう。

上記のなかでもとくに注目したいのが、子どもの調理体験です。なぜなら、調理体験には驚くべき効果があるからです。

親子調理で育まれる「脳と心」へのポジティブな影響とは?

「親子で行う調理習慣が子どもの認知機能によい影響を与えることが実証された」といった研究報告もあります。つまり、親子で料理をするだけで、子どもの能力が向上することが科学的に証明されているのです。

料理は、手順を考える・調味料を図る・道具を使うなど、さまざまな工程をこなさなくてはいけません。そのため、料理を通して手先のトレーニングができたり、「考える力」や「解決する力」が育まれたりします。

また、自分の手で料理が完成する喜びが味わえるのも、子どもの調理体験で得られる大きなメリットです。親子で並んで作ることで絆を深められるだけでなく、作った料理を家族から「美味しい!」といってもらえる喜びの経験は、子どもの心の安定と自己肯定感の向上に直結します。

このように調理体験は、単に「食べる準備」をするのではなく、子どもの成長を促す重要な活動のひとつなのです。

親子調理のメリット🍳

  • 野菜への親しみと理解が深まる
  • 集中力や判断力どなどの認知機能が高まる
  • 考える力」や「解決する力」を育む
  • 心が安定し自己肯定感の向上につながる
  • 親子の絆が深まる

調理体験

親子でチャレンジ! 役割分担で「できた」を育む3ステップレシピ

親子で調理を始めようとしたものの「子どもにどんな作業をお願いすればいいの?」と迷う方もいるかもしれません。そんなときは、ボタン操作や盛り付けなど、簡単にできる作業任せてみましょう。小さな「できた!」を積み重ねて、少しずつステップアップを図ります。

秋野菜を使って、親子調理のポイントを紹介します。大人と子どもの役割分担の例を参考にしながら、チャレンジしてみてください。

1. かぼちゃのポタージュ

かぼちゃの食感が苦手な場合は、ポタージュにするのがおすすめです。

かぼちゃスープ

【ステップと役割分担の例】

  1. 大人:かぼちゃを柔らかく煮る
  2. 子ども:煮たかぼちゃと牛乳をミキサーに入れ、スイッチを押す
  3. 大人・子ども:器に注いで盛り付け・パセリやクルトンで飾り付けをする

【ポイント・注意点】
スープは熱いので、やけどに注意しましょう。パセリやクルトンを添えると見栄えが良くなります。生クリームを点状に流し、竹串で線を引けば、ハート型のデザインが作れます。また、お好みでコンソメや塩・胡椒で味を調整を。

2. さつまいもチップス

砂糖なしでも甘く、パリッとした食感が楽しめます。

さつまいもチップス

【ステップと役割分担の例】

  1. 子ども:スライサーでさつまいもを薄く切る
  2. 大人:さつまいもを揚げる・油から取り出す
  3. 子ども:お皿に盛り付ける・塩をまぶす

【ポイント・注意点】
スライサー使用時にさつまいもの量が少なくなってきたら、大人が交代しましょう。オーブンを利用すれば、焼いている時間に手が空くため、親子でゆっくり会話をする時間が作れます。

3. なすのグリル

味噌+砂糖+マヨネーズを混ぜ合わせたものを塗り、チーズをのせて焼くのがおすすめです。

ナスのグリル

【ステップと役割分担の例】

  1. 大人:なすの下処理をする(切る・水にさらす・少し火を通すなど)
  2. 子ども:なすにトッピングをする(味噌・砂糖・マヨネーズを混ぜたもの、チーズ)
  3. 大人・子ども:オーブンで焼く(スイッチを入れる)・盛り付ける

【ポイント・注意点】
なすは、子どもに合わせてスライスの幅を調整しましょう。盛り付ける際は、皮が苦手な場合は、ピーラーでしま模様をつけると食べやすくなります。

***

食材をちぎる・具材を混ぜる・盛り付けるなど、小さな「できた!」といった経験は、子どもの大きな自信につながります

小さな経験を少しずつ積み重ねれば、困難が生じた際に「自分でやってみる」と前向きな姿勢が芽生えやすくなるでしょう。

子どもが「できた!」の経験を積む際に大切なのが、大人の見守る姿勢です。なるべく子ども自身で考える時間を作り、必要なときにそっと手を差し伸べてあげてくださいね。

(参考)
独立行政法人農畜産業振興機構|四季の野菜の健康と栄養~抗酸化ビタミンが豊富なかぼちゃと消化促進効果のあるやまのいも~
独立行政法人農畜産業振興機構|今月の野菜さつまいも
独立行政法人農畜産業振興機構|今月の野菜なす
カゴメ株式会社│野菜定点調査2025
山下満智子, 川島隆太, 佐々祐子, 山本一恵, 高倉美香, 南貴美子, 大西徹也親子|調理による子どもの認知機能の向上研究:生活介入実験ならびに近赤外線計測実験
環境省|子供に教えながら大人も学ぶ。いま知っておきたい「食育のこと」