教育を考える/食育 2018.2.28

親と子どもの食育学vol.1

新生暁子
親と子どもの食育学vol.1

私たちが生きていくうえで欠かせない<食事>。毎日の食事は子どもの身体の成長だけではなく、心の成長にも大きく影響します。献立を考えて調理して食べさせるということは、何気ない日常の一部であるとともに、確実に子どもの未来にもつながっていくのです。

ここでは、管理栄養士としてメディアでも活躍されている新生暁子先生に、子どもの健やかな成長を願う大人が知っておきたい<食育>についてお話をうかがいました。

「食」を学ぶことは生きる力を育む

みなさんはじめまして、管理栄養士の新生暁子です。私は長年、管理栄養士として食事の大切さを多くの人に伝える活動をしてきました。

2007年には国立健康・栄養研究所の教育プログラム食育プロジェクトにおいて、食事から肥満を克服するための栄養教育に携わりました。この経験は、現在の個人に合った食事方法を提案していく活動の原点ともいえます。

その後は、縁あって高橋尚子さん率いる『チームQ』で栄養・調理指導者として海外への合宿にも参加させていただくことになりました。そこでは、高橋さんとコミュニケーションを取る中でその時々のコンディションに合わせた食事を提供するなど、アスリートの方にとって何よりも重要な身体づくりの一端を担ってきました。

そして2010年には、メタボリックシンドロームの予防・解消に重点をおいた生活習慣病予防のための特定検診・特定保健指導を開始し、それぞれ違うライフスタイルに合わせたプログラムを提案して、健康的な食生活を送れるように指導させていただきました。

また、友人である女優の藤原紀香さんが舞台に出演されるときは、稽古中から食事管理をしてサポートさせていただいています。このように、アスリートだけではなく、あらゆる方面から「食事と栄養」に関するサポートを必要としている人たちを支えてきました。

今回この『こどもまなび☆ラボ』では、未来を担う子どもたちの健やかな成長をサポートする立場として、毎日の食事作りにお悩みのお母さん・お父さんたちの力になりたいと心から願っています。そして、私が今まで培ってきた経験や知識が、きっとみなさまの「食のまなび」に役立つと信じています。

社会全体で「食育」を考えていきたい

お母さん・お父さんたちは、仕事も家事も子育ても頑張っています。とくに育児に関しては、甘やかしてもダメ、厳しすぎてもダメと考えすぎてしまい自分の子育てに不安を覚えてしまうこともあるのではないでしょうか。

現在、食育に対する意識が高い親御さんは確実に増えてきています。しかし、無限にあふれる情報に惑わされて自分で自分を追い込んでしまう方も多いのではないでしょうか。

毎日の食事作りには、さまざまな苦労や労力がともないます。栄養バランスが整ったメニューを考える、材料を吟味して食材を選ぶ、成分や値段とにらめっこしながら買い物をする、その後にようやく調理、そして後片付け……。考えただけでもどっと疲れてしまいますね。子どものためにより良いものを食べさせたい、身体に良い影響を与えるものを作ってあげたい、と願うのは親ならば当然のことです。しかし、そのことにとらわれて食事作りが億劫になったり、プレッシャーを感じてストレスを抱えてしまったりしては本末転倒です。

まずは親子で食事の時間を楽しみましょう。たまには手抜きをしたって、少しくらいジャンクなものを食べたって大丈夫。食べることは身体を作り、心を育みます。そしてなにより、日々の食事の時間は親と子にとってかけがえのない想い出になるのです。そのことを忘れずに、肩の力を抜いてそれぞれの家庭に合った「食育」の方法を見つけることが大切です。

子どもはこの国の未来を担っています。お母さん・お父さんだけがすべての責任を背負ってしまうべきではありません。おじいちゃんやおばあちゃん、お友だちのご両親、学校の栄養士さんなど、子どもの「食」に関わる大人の力を借りて、たくさんの人の手も借りて、子どもたちを育てていきましょう。私も管理栄養士として、すべてのお母さん・お父さんたちのサポートをしていきたいという決意を胸に食育活動に携わっているんですよ。