2018.9.19

100m元日本代表が教える! 今よりもっとかけっこが速くなる「走り方のコツ」

編集部
100m元日本代表が教える! 今よりもっとかけっこが速くなる「走り方のコツ」

かかとにプチプチシートを入れる、ティッシュを奥歯に詰める、幅広の輪ゴムをつま先と足首に引っかける……これらは、「かけっこが速くなる裏技」として巷でいわれている一部です。

裏技を使うことでそのときは足が速くなるのかもしれませんが、どうせならこれから先も細工をせずに速く走れるようにしてあげたいですよね。

そこで今回は、かけっこが苦手な子は少しでも速くかけっこが得意な子はもっともっと速く走れるようになる、親子で楽しくできる「かけっこが速くなるコツ」をご紹介します。

かけっこで速く走るコツ5つ

我が子の足が遅いのは私の運動神経のせいかしら? と、運動会で一生懸命に走る姿に申し訳なさを感じてしまう親御様も、もしかしたらいらっしゃるかもしれません。しかし、運動能力はトレーニングで向上することがわかっています

また、かけっこで速く走るコツは、すでに速く走れている子にとっても気になるもの。そしてどちらのタイプの子にとっても、速く走るために必要なコツは同じです。

  1. スタートダッシュ
  2. 腕ふり
  3. もも上げ
  4. スタミナをつける
  5. メンタル面の強化

 
この5つのコツを取り入れたトレーニングをするだけで、今よりも速く走れるようになりますよ! 親子で一緒にできる簡単なトレーニング方法を順番に見ていきましょう。

今よりもっとかけっこが速くなる「走り方のコツ」2

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1. スタートダッシュで速く走る

かけっこは100m以下の短い距離で競うことが多いため、スタートダッシュで勝負が決まるといっても良いほどスタートが重要な要素を占めています。

【トレーニング方法】

スタートダッシュの成否は、1歩目に踏み出す足の位置で決まります。足を前後に開いて立ち、まっすぐな姿勢を保ったまま体を前に倒してみましょう。そのとき、前の足は自分の体より少し後ろにあり、後ろの足はかかとが浮いた状態にします。頭から足まで体が1本の棒になるイメージで、前に置いた足のつま先に体重を乗せるとスタートダッシュがスムーズになります。

2. 腕を振り上げて速く走る

腕ふりの力を足へ伝えることでスピードアップすることができます。足を速く動かすためには腕との連携が不可欠なのです。

【トレーニング方法】

スタートダッシュの練習と同じように、まっすぐ立った姿勢から前に倒れるように上体を傾けて、どちらかの足を1歩前へ出した状態で構えます。両腕は力を抜いて、ひじを90度の直角に曲げて腕が「振り子」になったイメージで後ろへ引くようにして振ります。100m元日本代表の菅野優太先生が指導するかけっこ倶楽部(NPO大江戸)では、「自分の肘の後ろに太鼓があるつもりで、肘で太鼓を叩くように腕を振りましょう!」と教えているとのこと。

3. 素早くももを上げて速く走る

速く走るには、腹筋、背筋、ももの筋肉が発達していてうまく使えることが大切です。ももは高く上げれば良いのではなく、走るときに前へ推進する力を出すために股関節からグイっと動かすように上げる必要があります。膝から下を前へしっかり踏み出し、足をけり出すときはかかとがお尻につくようにすると速く走れる美しいフォームになります。この動きにももの筋肉が欠かせません。

【トレーニング方法】

背筋をピンと伸ばし、膝と足首はリラックスさせて股関節から振り上げて、ももが地面と水平になるまで引き上げます。この時、足首の力を抜いて自然に円を描くように上げます。次に、片足のももを引き上げたまま3回ずつケンケンでジャンプして、もも上げの感覚に慣れたら左右交互に素早く引き上げる練習をします。高く上げることよりも素早く上げることに注意します。

4. スタミナをつけて速く走る

ゴールまで走り抜くだけの十分なスタミナをつけましょう。それには日頃の体力づくりが非常に重要なので、積極的に外遊びをさせることをオススメします。外遊びの頻度が高い子は、トラックのコーナーを曲がるときの体の使い方などを自然に覚えてしまうようです。

【トレーニング方法】

外遊びをたくさんしている子どもは、体を動かすことが好きなうえに、かけっこを走り抜くスタミナも身についています。かけっこに限らず、日頃から外遊びの時間をとれるようにして、できれば1日60分は体を動かすようにしましょう。実際のかけっこ練習では、「ゴールの5m先まで走る」ことを意識づけるように声をかけることで最後まで粘り強く走り抜くことができるようになります。

5. メンタル面を強化して速く走る

また、粘り強く最後まで走り抜くにはメンタル面が大きく関係してきます。上記のトレーニングをこなすときは、子どものことをきちんと褒め子どもの走る自信につなげるようにしましょう。

そしてもし、その日に上手にできなかったとしても、「昨日よりも腕が上がっているね!」など、前よりも “できたこと” をほめてあげてください。そうすることで、子どもは「少しでも前進しているんだ」と自信がつきますし、その自信がつくことで苦手意識も払拭させていきます。

走るテクニックも大切ですが、子どものうちはこうしたメンタルの部分での自信も速く走る力に大きく関係しているといえるのではないでしょうか。

***
走るのが苦手な子は、運動会の練習が始まると憂うつな気持ちになることでしょう。速く走りたいという気持ちよりも、かけっこに出たくないと思う気持ちのほうが強い子もいるかもしれません。

今回のコラムで取り上げたトレーニング方法を活用しても、すぐには速く走れない子もいるでしょう。その場合は、「速くなれるはずなのに、どうしてできないの?」と責めるのではなく、「ここまでできたね。すごいね」とできたことをほめてあげましょう。好きこそものの上手なれ、です。

(参考)
ベネッセ教育情報サイト|足がどんどん速くなる!かけっこトレーニング ~スタートダッシュ~
All About|かけっこで速く走る方法!トレーニングや練習のコツ・教え方
ウーマンエキサイト|かけっこは「焼き鳥」と「モグラ」が制する!? 運動会目前、走りのプロが教える足が速くなるコツ
ベネッセ教育情報サイト|かけっこで速く走る方法・コツ
ベネッセ教育情報サイト|足がどんどん速くなる!かけっこトレーニング ~腕振り~
為末大学ランニング部|【かけっこ教科書】もも上げを学ぼう【7ページ】
マイナビニュース|もうすぐ運動会! 今からでも間に合う、子どものかけっこが速くなる方法は?
StudyHackerこどもまなび☆ラボ|かけっこ・逆上がり・跳び箱を、プロのアスリートが徹底的に指導!『NPO大江戸』の願いとは?