あたまを使う/英語 2018.6.11

“お勉強”しているつもりはないのに、ネイティブの「強弱」のリズムが手に入る! 英語の童謡の新たな楽しみ方

安藤幸江
“お勉強”しているつもりはないのに、ネイティブの「強弱」のリズムが手に入る! 英語の童謡の新たな楽しみ方

この2つを声に出してみてください。なんだかリズムが似ていると思いませんか?

ふるいけや かわずとびこむ みずのおと
てをあげて おうだんほどう わたろうよ

そう、俳句も標語も「5・7・5」が基本です。日本語のリズムの中でも、代表的なものだと言っていいでしょう。

同じように、英語には「英語特有のリズム」が存在します。今回は、英語のリズムに焦点を当てた、マザーグース童謡の楽しみ方についてのお話です。

「お勉強」しているつもりはないのに、遊びを通して、ネイティブの英語のリズムの基礎を自然に培うことができますよ。

「英語のリズム」に親しむことのメリット

もっとも人気のあるマザーグース童謡の一つで、輪になって遊びながら歌う歌があります。

■Ring–a–ring o’roses「バラの輪をつくろうよ」

Ringaring oroses,
A pocket full of posies.
Atishoo! Atishoo!
We all fall down.

この歌をまだ言葉も話せない日本人の幼児に歌ってやると、とても喜びます。

バラの はなわ
ポケット いっぱいの はなたば
ハクション ハクション
わたしたち みんな たおれる。

冒頭部分では、“ring” と同じ語が2回、 “r” の音が3回くり返され、幼児の注意を引きます。でもこの歌の魅力は、それだけではありません。

それは、英語特有のリズムの面白さです。英語には、日本語と違って、強く発音されるところと、弱く発音されるところがあります。

Ringaring oroses
 –   

このように、歌の1行目だけで、強弱のリズムが3回あるのです。言葉を話せない幼児は、この英語特有の3回くり返される強弱のリズムを耳で聞いて、面白いと感じます。

言葉を話せる幼児は、実際にこの1行の言葉を口に出して発音し、その面白さを体感します。そして英語には英語特有のリズムがあることを、幼い頃から理解します。

英語のリズムを楽しむための基礎知識

ここで、英語の発音を考える上で重要な「音節」について考えてみましょう。「音節」とは、一まとまりの音のくぎりのことです。

音節はいつも一つの母音を持ちますが、以下の2つのパターンに分けられます。

・母音
・母音+子音

日本語では、あまり「音節」を気にしませんね。それは、ひらがなのおかげです。ひらがなの48文字は、「ん」以外はすべて、1音節の文字です。

俳句や和歌を作るときに、私たちは「5・7・5」や「5・7・5・7・7」と「ひらがな」を数えますね。このとき実は、無意識のうちに、「音節」を数えているのです。

「あいうえお」は母音のみでできています。一方、「かきくけこ」以降のその他の文字は「子音 + 母音」でできています。つまり、ひらがなは、「ん」以外のすべての文字は、母音を持っていることになります。

しかし、英語のアルファベットの26文字は、「母音の文字」と「子音の文字」に分かれます。「母音の文字」は、“a, i, u, e, o” の5文字です。“y” は、母音になったり、子音になったりします。

それ以外はすべて、子音の文字です。つまり、アルファベット26文字のうち、母音を持っていない文字は、20文字もあるのです。

英語の単語のほとんどは、「母音の文字」と「子音の文字」の組み合わせで、表記されます。その組み合わせは、多種多様で、その数も多いので、「音節」が重要です。

また、日本語の単語には「アクセント(強勢)」はありませんね。ところが英語には、2音節以上の単語には、「アクセント」があります。1音節の単語でも、名詞や動詞や形容詞など、重要な単語には「ストレス(強勢)」がおかれます。

ですので、英語の詩歌の1行には、「アクセントやストレスのあるところ=強」と「ないところ=弱」が生じます。そしてそこから、詩の「リズム」が生まれます。

「強く発音するところ」と「弱く発音するところ」の組み合わせの種類によって、英語特有の様々なリズムが作られるのです。

英語のリズムと手遊びを同時に楽しめるマザーグース童謡

■Polly, Put The Kettle On「ポリー、やかんをかけて」

Polly, put the kettle on,
Polly, put the kettle on,
Polly, put the kettle on,
We’ll all have tea.

Sukey, take it off again,
Sukey, take it off again,
Sukey, take it off again,
They’ve all gone away.

なごやかなお茶の歌です。登場人物の「ポリー」はメアリー、「スーキー」はスーザン(スザンナ)の愛称です。

ポリー やかんを かけて
ポリー やかんを かけて
ポリー やかんを かけて
おちゃに しましょう。

スーキー やかんを また おろして
スーキー やかんを また おろして
スーキー やかんを また おろして
みんな かえった。

小さなお子さんでも、簡単に真似できる手遊びです。親子で楽しめるでしょう。

1. Polly, put the kettle on
(ポリー、やかんをかけて)

やかんを持ってコンロに置く真似をする

2. We’ll all have tea
(おちゃにしましょう)

ティーカップを持って飲む真似をする

3. Sukey, take it off again
(スーキー、やかんをまたおろして)

やかんをコンロから下ろす真似をする

4. They’ve all gone away
(みんなかえった)

手を後ろにシュッと振る

強く発音するところを赤字、弱く発音するところを青字で示しています。慣れてきたら、音の強弱にも気をつけて、ぜひ英語のリズムを味わってみてくださいね。