2018.5.2

生活の中に積極的に運動を取り入れよう! 幼児期における運動の大切さとは

編集部
生活の中に積極的に運動を取り入れよう! 幼児期における運動の大切さとは

自動車や電車などの交通手段が発達し、生活が便利になった現代社会では、大人も子どもも「歩く」ことをはじめ、日常的に「運動」をする機会が格段に減りました。

しかしながら、子どもにとって「運動」は心身のさまざまな側面の発達に重要な要素をたくさん含みますから、軽視するわけにはいきません。改めて運動の意義と心身への影響を見直してみましょう。

幼児期における運動の意義

幼児期は、いろいろな体の動きを覚えたり、心肺機能や骨の形成を促したり、また何事にも積極的に取り組む意欲を育むなど、生涯にわたって健康に、豊かに生きるための基盤を作る時期です。

この時期に「体を動かす遊び」を取り入れることで、以下のような効果があるとされています。

1. 運動能力の向上

神経機能の発達が著しい幼児期は、タイミングよく動いたり、力をコントロールしたりするなどの運動能力が顕著に発達する時期です。また、けがや事故を防ぐためにも運動能力は必要となってきます。そして日頃から体を動かす習慣をつけることで体力、持久力の向上にもつながります。

2. 健康な体の育成

人間の活動の源である「体力」をつけ、丈夫でバランスのとれた体を育みます。幼児期に適切な運動をすることで、肥満や痩身を防ぎ、大人になっても生活習慣病をはじめとする病気になりにくい体を作ることができます。

3. 意欲の向上

運動によって得られる成功体験は、意欲の向上にもつながります。何事にも意欲的な気持ちは生涯豊かな人生を送るためにとても大切なことです。のびのびと体を動かしたり、活発に運動したり、仲間と一緒に遊んだりして健やかな心の育成を促しましょう。

4. 社会適応力の発達

お友達とコミュニケーションをとりながら体を動かすことで、協調性や社会性を身につけることができるでしょう。また、ルールを守ることで自分を律することも覚えます。

5. 認知的能力の発達

タイミングに合わせて体を動かしたり、周囲の状況を見たり、予測しながら体を動かしたりすることで、脳の認知能力の発達促進に。また、ルールや新しい遊びを作り出したりすることで、創造力を育むことにもつながります。

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生活の中に運動を取り入れるということ

このように、幼児期の運動には体と心を成長させるために必要な要素をたくさん含んでいます。

幼児期は生涯にわたって必要となる基本的な体の動きを身につけやすく、動きが多様に獲得されるとともに、動きの洗練化ができる時期です。スポーツをするだけでなく、生活の中でも積極的に運動を取り入れてきましょう。

たとえば、下に挙げたような、「体のバランスをとる動き」「体を移動する動き」「用具などを操作する動き」を意識して取り入れてみてくださいね。

  • 体のバランスをとる動き:
    立つ、座る、寝ころぶ、起きる、回る、転がる、渡る、ぶら下がるなど
  • 体を移動する動き:
    歩く、走る、はねる、跳ぶ、登る、下りる、這(は)う、よける、すべるなど
  • 用具などを操作する動き:
    持つ、運ぶ、投げる、捕る、転がす、蹴る、積む、こぐ、掘る、押す、引くなど

 
幼児期における運動の大切さ2

家族みんなで運動をする習慣を!

幼稚園や小学校で運動の時間があったり、体操教室に通ったりすることで、子どもたちは運動を行うことができますが、そのほかにも「家族で運動を行う時間」を設けることをおすすめします。

お父さん、お母さんや兄弟と一緒に運動を行うことで、子どもはもっとのびのびと楽しく体を動かすことができますし、親が子どもの発育状況を確認できたり、得意・不得意な体の動きを見つけることもできます。

家族でラジオ体操

気軽に家庭で取り入れることがでいる体操といえば「ラジオ体操」。ラジオ体操には基本的な動きがほとんど入っているので、運動能力の発達に役立つほか、毎日同じ時間に同じ運動をする習慣をつけることで社会性の向上にもつながります。

<ラジオ体操のメリット>

  • 規則正しい生活習慣が身につく:
    通常ラジオ体操は早朝に行われます。朝ごはんを食べてから、太陽の下で体を動かすという習慣が身につけば、規則正しい生活習慣を作ることができますね。
  • 全身運動ができる:
    ラジオ体操は全身運動です。毎朝ラジオ体操をおこなう事で、1日の準備運動になりますから、子どもの運動としても大切だと言えます。
  • 子どものコミュニケーション能力が育つ:
    公園に集まったりしてするラジオ体操の場合、地域の人との交流にもなりますし、子どもは挨拶をする、大人とお話をする、といった社交性がはぐくまれる良い機会となります。

親子体操

親子体操というものをご存知でしょうか。親子体操とは、その名の通り親と子でおこなう体操のこと。親子でふれあい、コミュニケーションを促進しましょう。親子体操を日常に取り入れることで子どもの心身の健全化を図り、健康的な日常生活を送ることができるようになります。

医療機器を扱うテルモ株式会社はHP上で、「親子ふれあいブンブン体操」を提案しています。

[足跳びまわり]
親は両足を開いて座り、子どもはその足の上を両足踏み切りで飛び越えて、ひと回りします。できたら、片足跳びや横跳び、後ろとびなどにも挑戦します。

[グー・パー跳び]
子どもは、親の足をまたいで立ちます。次に、親は両足を開き、子どもは跳んで両足を閉じます。この動作を、声をかけ合いながら、繰り返します。二人の呼吸とリズムの取り方がポイント。

(引用元:テルモ体温研究所|【運動あそび】親子ふれあいブンブン体操

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都市化や生活環境の変化により、子どもが外で元気いっぱい遊ぶ場所や遊ぶ仲間、遊ぶ時間が減少しています。このような時代だからこそ、意識して運動を取り入れていくことが大切です。心も体も豊かに健康に育つために、幼児期からたくさんの運動の経験をさせてあげましょう。

(参考)
文部科学省|幼児期運動指針
マイナビウーマン|親子で健康的にラジオ体操に参加しよう!子どもに与えるメリットとは?
日本親子体操協会
加圧トレーニングスタジオ ライズ 子供を体操教室に通わせるメリットについて
認定こども園 若穂幼稚園 体育教室
テルモ体温研究所|【運動あそび】親子ふれあいブンブン体操