からだを動かす/武道 2018.2.28

まずは「脳」のウォーミングアップから! 『東京空手倶楽部』の「親子空手クラス」練習メニューとは!?

編集部
まずは「脳」のウォーミングアップから! 『東京空手倶楽部』の「親子空手クラス」練習メニューとは!?

空手の稽古に脳科学理論を取り入れるという、画期的な練習メニューを提供する『東京空手倶楽部』。体育大学で公開講座を持ち、体育理論について研究を続けている、瀧川英治代表が指導にあたります。

指導歴30年以上という瀧川先生は、「安全第一を最優先に子供たちの身体能力の開発向上を目指す」という指導方針。稽古をとおして、運動機能はもちろんのこと、注意力や判断力アップなど、脳機能の向上にも力を入れているそうです

「空手」と「脳」、このかけ離れているように感じる2つの言葉がどのようにつながるのか、生徒さんたちはどんな練習メニューをこなしているのか、その答えを教えてもらいに、東京空手倶楽部のお稽古に行ってきました。

親子で汗をかく! 「親子空手クラス」

見学させてもらったクラスは「親子空手クラス」。コンセプトは「親子のキャッチボール」だそう。「子どものころ一度だけですけど、厳格な父親がキャッチボールで私の球を受けてくれたのがとても嬉しく楽しかったんです。そんな親と子のコミュニケーションの場になってくれればと始めたクラスです」と瀧川先生は話します。

朝9時、正座をし、黙想をし、「正面に礼!」「師範に礼!」「お互いに礼!」と、3回の礼をしてから稽古開始です。

帯の色はさまざまですが、親子で同じ帯の色が多いという印象でした。瀧川先生いわく、「一緒に昇級試験を受ける親子も多いですよ。親子で同じ目標に向かって練習をするんです」とのこと。これは、最高のコミュニケーションといえるのではないでしょうか。

稽古はまず、「脳」のウォーミングアップから!

「さあ、頭の体操からいきましょう!」

まずは瀧川先生に「負ける手」を出すジャンケンです。これは比較的簡単だったようで、ほとんどの生徒さんが、しっかり対応していました。しかし次の、2連続ジャンケン(ジャンケンポンポンと、2つの手を出す)では、「負ける手」→「勝つ手」をテンポよく出さなければならず、「間違えた!」「あ、違った」などの声が聞こえてきました。

これはまさに「脳のウォーミングアップ」です!

そして今度は「突き」「受け」「蹴り」の動作で、体を動かしていきます。「突きは1番、受けは2番、蹴りは3番ですよ、覚えましたか?」と瀧川先生。

「はい、2番」、「次は、3番と1番」、「1番、3番、2番」と、「突き」「受け」「蹴り」を繰り返します。このころには、大人も子どもも汗だくです。見学しているこちらも、「1番、3番、2番」などと頭の中で考えているだけなのに、脳が活性化していくのがわかります。この練習メニュー、かなり脳を刺激しているといえるでしょう。

「集中する」ことを学ぶ「形」の練習

頭も体も温まったところで、いよいよ「形」の練習に入ります。

しかし、子どもに目がいってしまって、なかなか集中できない保護者の方もいるようです。それを瞬時に見抜いた瀧川先生、「集中してくださいね!」「目を閉じてください」と指示を出しました。「イチ!」「エイ!」「ニ!」「エイ!」と、目を閉じたまま、気合いの入った声を出す生徒さんたち。「手だけでなく、腰を使ってくださいね!」と、瀧川先生の技術的な指導も入ります。

このあたりから、先ほどまでの楽しそうな雰囲気がキュッと引き締まり、道場の空気が変わりました。

最年少の男の子も、一生懸命に突きや蹴り、受けを練習します。うまくできないときは、瀧川先生やアシスタントの先生が、生徒さんの手の動きをサポート。何回か繰り返すことで、上手な突きができるようになっていました。


「形」の前に「礼」をする。それは「今見えている現実の世界」から「自分の想像の相手との2人だけの空間」へ移動するためのスイッチのようなものだと、瀧川先生は言います。「礼」をして顔を上げた瞬間から、「自分の想像の相手」と戦うのだそうです。そして、「形」が終わりもう一度「礼」をして、現実の世界に戻ります。

実際に、「形」の練習を見せてもらいましたが、皆さん、自分の世界に入ったあとは、とにかく真剣な目をしていました。

親子のコミュニケーションツールとしての空手

最後は、親子で向かい合ってミットを使った練習です。お父さんお母さんが動かすミットに、突きや蹴りを当てていきます。ミットを多方向に動かすので、2月の寒い時期だというのに、親も子どももすごい汗です。

そして次は、子どもたちがミットを持つ番。先ほどのお返しと言わんばかりに、ミットをあっちこっちに動かします。なかにはミットの動きについていけない保護者の方もいらっしゃいました。稽古開始から約1時間、もう体力の限界なのかもしれません……。一方で、子どもたちの動きは最後までシャープでした。

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少し前まで、おっぱいを飲んでオムツをしていた子どもたちが、ぐんぐん成長していく時間を共有できる「親子空手」。礼儀が学べ、集中力も鍛えられて、親子のコミュニケーションまで取れるなんて、いいことずくめですね。

『東京空手倶楽部』ホームページはこちら