教育を考える/食育 2018.5.7

保育園・幼稚園の「食育活動」がアツい! “体験” を通して食を学ぶ。

編集部
保育園・幼稚園の「食育活動」がアツい! “体験” を通して食を学ぶ。

昨今、一人で好きな時間に食事をする「孤食」や、家族がバラバラのメニューを食べる「個食」といった食生活をする人が増えています。また栄養の偏りや不規則な食事、肥満やそれが原因と考えられる生活習慣病の増加、そして外国からの食料輸入に依存する問題……。今、日本では「食」にまつわる多くの問題を抱えています。

今回は子どもだけではなく親の私たちにとっても大きな課題である「食育」について、一緒に考えていきましょう。

『食育基本法』をきっかけに広がる“食育”への取り組み

このような時代だからこそ、子どものころからさまざまな体験を通して、健やかな心と体を育む「食」の大切さを学ぶことが大切です。

ひと昔前は「1日3回決まった時間に食事をする」「バランスの取れた食事を摂る」「家族やお友だちと食卓を囲んでコミュニケーションを取る」「食事のマナーを守る」……といったことは当たり前に行われていました。

しかし現代は、大人も子どももそれぞれが忙しく、一緒に食事をする時間がなかなか取れないことも多いのではないでしょうか。まずはこのような根本的な「食」に対する問題点を改めて見直し、子どもたちが食の楽しさをきちんと理解できる環境が必要です。

そのような背景のもと、2005年7月に施行されたのが『食育基本法』。

食育基本法』は、生きるために必要な食に関する知識を持ち、健全な食生活を実践することができる人間を育てる「食育」を目的として制定されました。これをきっかけに「食育」という言葉が世の中に広がったのです。それから15年近くが経ち、近年では積極的に食育を取り入れる保育園・幼稚園が増え、さまざまな趣向を凝らした取り組みが行われるようになりました。

保育園・幼稚園で食育を推進するねらい・目標とは?

食育の目標は、日々の生活と遊びを通して、意欲的に「食」に関わる体験を積み重ねること。そしてそれによって食事を楽しむことができるように成長し、「食を営む力」を育成することなどが挙げられます。

「保育所保育指針」ではこの目標の実現に向けて、子どもたちに期待する具体的な育ちの姿として次の「5つの子ども像」を掲げています。

<5つの子ども像>
1.お腹がすくリズムのもてる子ども
1日3食、しっかりごはんを食べるためには、その時間にお腹が空くよう、生活習慣を整えることが大切です。そこで保育園・幼稚園では、午前中には体を使って遊び、給食やお弁当の時間にお腹が空くようなリズムを作っています。

2.食べたいもの、好きなものが増える子ども
日本の四季の中で食べ頃に育った「旬」の食べ物を食べて季節を感じたり、行事食を通して日本の文化を体験する中で、食べ物に対して興味・関心を持つとともに、自然の恵みに感謝する気持ちを持った子どもに育てることを目標としています。

3.一緒に食べたい人がいる子ども
保育園・幼稚園で先生やお友達のみんなで給食やお弁当を食べることで、人と一緒に食事を楽しむ喜びを感じる場を設定。一人ではなく、みんなで一緒に食べることで、“美味しいものがもっと美味しく感じる”体験を増やします。

4.食事づくり、準備にかかわる子ども
多くの保育園・幼稚園では、大豆やお芋などの「収穫体験」や、子どもたち自身で料理をする「クッキング体験」のプログラムを用意しています。普段食べている料理が、畑から、キッチン、食卓へと変わっていく過程を学ぶことで食べる喜びを学び、また食物の保全への意識を育てることが目標です。

5.食べものを話題にする子ども
調理師や栄養士、農家の人など、食べ物の専門家と接する機会を作り、食事に関して興味を深めるとともに、食べ物を身近に感じ、食べ物を通じてコミュニケーションを楽しくとれる子どもを育成することを目指しています。

保育園・幼稚園では実際、どんな食育活動が行われている?

食育活動に力を入れている保育園・幼稚園は、全国的に増えてきました。その活動内容としてもっとも多いのは「農業体験」と「クッキング体験」です。

食への興味関心を引き出すためには、体験することが一番。自分たちで収穫したり作ったりした食べ物をいただくことで、食へのありがたみを感じ、作ることの楽しさを学びます。

・農業体験
地域の農家に協力してもらい、田植え・稲刈り、野菜作りなどを体験。収穫した作物は子どもたちが自ら調理します。

保護者も交えて実施するところも多く、親子で共に食育を学ぶ場となっています。なかには園内に畑がある保育園・幼稚園も。種をまき、毎日水をあげ、野菜が成長していく姿を目の当たりにし、子どもたちは命の尊さも学びます。

・クッキング体験
子どもたちは「食べること」も「ものを作ること」も大好き。この2つが同時に楽しめるクッキング体験は、子どもたちのテンションも上がります。

なかには、食育のために「クッキング保育室」を設けた幼稚園も。子どもたちは、子ども用のIH調理台を使ってホットケーキやポップコーン作りを体験。一見危険な火を使う体験も、安全に子どもたちが使える設備があればこそです。

自分で採ったもの、調理したものは、何でもおいしく食べられるでしょう。これを機に好き嫌いを克服する子どもも多いのだとか。また、これらの活動を通じて、人と協力して何かを行うことや、コミュニケーションの大切さも学べるのではないでしょうか。

(参考)
ベネッセ教育情報サイト|幼稚園・保育園での「食育」活動とは? 家庭でも「食育」を充実させよう!
はら幼稚園|食育への取り組み
学校法人三橋学園 夏見台幼稚園|食育なら夏見台幼稚園・保育園 食育へのこだわり