教育を考える/体験 2018.6.8

子どもに「自然体験」をさせよう! 正義感と自己肯定感を強くする方法

編集部
子どもに「自然体験」をさせよう! 正義感と自己肯定感を強くする方法

皆さんは普段、自然を身近に感じていますか? 自然の豊かな地域に暮らしている人や、よく家族でキャンプに行く人がいる一方、ほとんど自然に触れていない人もいるかもしれません。都市部に住んでいるのであれば、自然に触れる機会が少ないのは仕方のないこと。けれど、我が子のこととなれば、いかがでしょうか。

親子ハイキングの会「外あそびtete」を主催している東麻吏さんが2015年、「東洋経済オンライン」上で語ったことによれば、2歳の子どもと母親の参加希望者が急増しているそう。「子どもに自然遊びの体験をさせたい」と願う保護者が増えているようです。

「StudyHacker こどもまなび☆ラボ」読者の皆さんも、子どもを自然に触れさせることについて考えたことがあるはず。今回は「自然体験」をテーマに、その必要性や、子どもに自然体験をさせる方法についてお伝えします。

自然体験が子どもにもたらす影響

自然体験は、子どもにどのような影響をもたらすのでしょうか?

2015年、独立行政法人・国立青少年教育振興機構が公立学校の小学4~6年生・中学2年生・高校2年生を対象に実施した調査では、「自然体験が豊富な子ほど正義感が強い」という興味深い結果が確認されました。「野鳥を観察する」「貝を採ったり魚を釣ったりする」「大きな木に登る」といった経験を多くした子どもは、「友だちが悪いことをしていたら、やめさせる」「バスや電車のなかで、体の不自由な人などに席を譲る」などの行動をとりやすい傾向があったのです。

また、自然体験の多い子どもは自己肯定感が強いことも判明しました。自然体験の豊富な子ほど、自身について「勉強は得意な方だ」「今の自分が好きだ」と考えている傾向が見られたそうです。

加えて、「かわいい子にはキャンプをさせよ。自然体験は『生きる力』を育ててくれる。」でもお伝えしたように、キャンプには子どもの脳機能を向上させるという効果もあります。

以上を考慮すれば、自然体験が子どもの成長にとって重要な意義を持つことは明らかですね。

保育園・幼稚園での自然体験

では、幼児に自然体験をさせたいと思ったとき、どうすればよいのでしょう。まず、自然体験の機会を多く提供してくれる保育園や幼稚園に子どもを入れるという方法があります。例をご紹介しますね。

自然体験型保育園 メリー★ポピンズ

メリー★ポピンズは、さまざまな体験を通して「自分で考え、挑戦する勇気」を育むことをモットーにした保育園です。2018年5月現在、埼玉・東京を中心に20箇所以上で開園しています。

大きな特徴は、畑仕事や田植えを体験できること。たとえば4月にはラディッシュの種をまいてジャガイモの種芋を植え、5月にはラディッシュを収穫しつつトマトの苗を植えるなど、年間を通じて畑に関わることができます。また、3歳以上の希望者は、5月と9月に新潟県の田んぼへ1泊2日で出かけ、田植えと稲刈りの体験が可能。都市部で暮らす子どもにとって、貴重な経験となりますね。

みその幼稚園

みその幼稚園は、2,000坪もの敷地を誇る、板橋区の私立幼稚園です。特徴は、裸足で走り回れる芝生の園庭。板橋区だけでなく、隣の練馬区や埼玉県和光市などから集まった大勢の子どもたちが活発に遊んでいるそう。

また、併設された自然観察園および果樹園では、花や野菜・果物の観察や収穫ができます。収穫物は、「クッキングパーティー」で園児が自ら調理し、おでんやカレーライスになるそうです。

自然体験教室に参加する

子どもに自然体験をさせたい、と思い立ったとき手軽にできるのが、各種団体が提供するプログラムに申し込むことです。インターネットなどで調べ、子どもと相談しながら選んでみてはいかがでしょうか。

早稲田こどもフィールドサイエンス教室

早稲田大学の露木和男教授(教育学)が監修している、野外型の自然体験教室。年間を通して自然に触れられるよう、1年間の会員制です。対象は年長~小学校5年生。「食物連鎖」「化石」「昆虫採集」など、好きなテーマを選んで参加します。地球の仕組みを直接的に学ぶことで、理科が大好きになりそうですね。

NPO法人国際自然大学校

国際自然大学校は、東京・山梨・栃木などに拠点を構えており、全国で実施される自然体験プログラムを通じて子どもの協調性や優しさを伸ばすことを目的に掲げています。絵本の主人公になりきって森を探検したりカステラを作ったりする「ストーリーキャンプ」など、個性的な企画に注目です。

コールマンツアーズ

キャンプ用品メーカーであるコールマンは、年間を通じてキャンプイベントを開催しています。子ども限定のものや、親子で参加できるものも。家族で申し込めば、子どもだけでなく親も自然から学べることでしょう。

家族で自然体験する

特別な教室にお金を払わなくても、自然体験は充分に可能です。

周囲を見回してみてください。ちょっとしたものが遊びや発見につながるはず。たとえば、落ちている葉っぱや花びらを小川に流してみるだけでもよいのです。どの葉っぱがいちばん速く流れるか、親子で競争してみるのも面白いですね。水の流れや植物の形など、よく観察すれば興味深いものです。

家族でキャンプするのも、自然体験としては王道ですね。テントや火の扱いに自信がないなら、上で挙げたようなキャンプイベントに参加し、子どもと一緒に学ぶのもよいでしょう。親子で苦労してテントを張ったり火を起こしたりするのは、大切な思い出になるはず。

旅行先で「民宿」や「農泊」と呼ばれる宿泊施設に滞在する、という選択肢もあります。自治体の公認民泊のみを掲載したWebサイト「STAY JAPAN」では、農村や漁村の暮らしを体験できる民宿の検索・予約が可能です。農作物の収穫を手伝ったり、牧場の動物と触れ合ったりできるところも。今度の旅行では、普通のホテルではなく農泊を利用してみてはいかがでしょうか。

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子どもの心身の発達には欠かせない、自然体験。子どもの成長につながるだけでなく、大人になったあとでも素敵な思い出になることでしょう。親子で楽しみながら、好きなタイプの自然体験をしてみてくださいね。

(参考)
東洋経済オンライン|子どもの「自然遊び」で学習意欲を育もう
独立行政法人 国立青少年教育振興機構|「青少年の体験活動等に関する実態調査(平成26年度調査)」結果の概要・集計表
自然体験型保育園 メリー★ポピンズ
東京都板橋区 みその幼稚園
早稲田こどもフィールドサイエンス教室
NPO法人国際自然大学校
コールマン|大募集!コールマンツアーズ
STAY JAPAN|農家漁師体験