教育を考える/体験/食育 2018.6.2

小学校の「国語・算数・理科・社会」につながっていく! 子どもが料理をするメリット

編集部
小学校の「国語・算数・理科・社会」につながっていく! 子どもが料理をするメリット

食育が大事だと言われて久しいですが、子どもが料理をすることも食育には欠かせない要素のひとつ。そこから学べることもたくさんあります。

野菜をトントン、卵をまぜまぜ、お鍋でグツグツ……。子どもにとってキッチンで繰り広げられる料理の世界は発見の宝箱。目をキラキラさせて近づいてきます。大人がキッチンに立って料理をしているときに「これは何?」「どうやって切るの?」「何を作るの?」と子どもが尋ねてきたら、興味や関心が高まっている合図です。チャンスを逃さず一緒に料理をしてみましょう

今回は、子どもが料理をすることで得られるメリットについてご紹介します。

子どもが料理をすることで得られるメリット

忙しく食事の準備をしていると、ついつい子どもを遠ざけてしまいがちですが、実は子どもが料理をすることでさまざまなメリットがあります。

【五感が磨かれる】
五感とは、視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚の5つを言いますが、料理をすることでこれらが鍛えられます。例えば、加熱すると食材の色が変わる様子を「見て」野菜を切る音や炒める音を「聞いて」皮を剥くために野菜を「触って」フルーツを切ったときの匂いを「嗅いで」料理の仕上げに「味をみて」といったように、特別なレシピを用意しなくても子どもの五感が養われていきます

【好奇心が育つ】
「玉ねぎはそのまま食べると辛いけれど、炒めたら甘くなるね」「エビを茹でたら色が変わった」など、料理のプロセスで食材が変化することを知ると、「次はどうなるんだろう?」「他のものだったら?」と興味はぐんぐん広がり子どもの好奇心が育ちます

【達成感が得られる】
料理は毎日の身近なこと。スポーツや工作などに比べて短い時間で完成させることもできるので、比較的簡単に「できた!」という達成感を何度も得やすいというメリットがあります

【感謝の心を育む】
料理は作ることばかりに目が行きがちですが、準備や後片付けも大事です。準備や後片付けを一緒にすることで料理の大変な一面も知り、食事を作ってもらえることに感謝する心を育むことができます

国語、算数、生活――料理が小学校の勉強につながる

料理は、子どもの情操面にメリットがあるだけでなく、日ごろ学校で学んでいることにもつながっていきます。ここでは小学校低学年の教科、「国語、算数、生活」を例に挙げ、どんな関連性があるのか見てみましょう。

【国語】
料理をしながら磨かれた視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚の五感の力は、自分が感じたことや考えたことを作文や日記で表現する力を豊かにしてくれます。また、料理をしながら培われるコミュニケーション力は、自分の考えをまとめて発表する力、相手の言っていることを聞き分ける力につながります。そしてレシピを読み、作業工程を理解する力も国語力と言えるのではないでしょうか。

【算数】
4人家族の料理を作らなければならないのに、レシピは2人分の量で書かれていれば、食材は必要な分量に計算し直さなければなりません。調味料を計量するときに、大さじに記された15ccと小さじの5ccに関係性を見出すこともあるでしょう。また、準備から片付けまで料理に必要な段取りを順序立てて考える力は、ロジカルシンキングの力も伸ばします。

【生活(理科・社会)】
野菜は、葉、茎、根、つぼみ、花、実と食べる部位もさまざまで、どこを食べるのか考えるのは植物の勉強につながっていきますし、水を火にかけると温まり、湯気が出て、沸騰させ続けていると水の量が減っていくことに気づけば、蒸発について考えるきっかけになり、理科の勉強につながります。また、食材の産地を見て、あとで地図を開いて調べてみたり、料理で出たゴミの分類を手伝ってもらいリサイクルについて話してみたりすることは社会の勉強に含まれるでしょう

毎日のことで私たち大人は見落としがちですが、料理は学校の勉強に関連づけやすい格好の教材と言えます。

子どもが料理をすることで得られる大人のメリット

子どもに料理をさせることで得られるメリットを紹介してきましたが、実は大人にとってもメリットがあります。

【コミュニケーションが増える】
子どもと一緒に料理をすると、「何を作ろうか」「玉ねぎはこうして切るんだよ」「ここは熱くなっているから気を付けて」など、子どもに話しかけながら作る機会が増えます。料理を作り終わってからも、食べながら感想を話したり次は何を作ろうかと話したりすることで、忙しい毎日の中でも親子のコミュニケーションが生まれます。

【子どもが料理をしてくれる】
料理を一緒にすることを繰り返していくうちに、作ることに慣れてくると子どもは「これだったら1人でもできる」という得意料理が出てきます。すると、親が手を貸すことが減るばかりか、手を出されることを嫌うこともあります。子どもに任せることで、料理を作る負担が少しでも軽くなるのは親にとって大きなメリットと言えるのではないでしょうか。

「今日は全部、ぼくが作るからママは座っていて」と言われるようになるのは、まだまだ先のことかもしれませんし、子どもが1人で料理をしてくれるようになるまでには多少の忍耐も必要になるかもしれませんが、いずれにしても大人にも得られるメリットがあることは確かです。

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子どもが料理をしたいというと、ついつい「包丁は危ないからダメ」「火は使わないでね」と言ってしまいがちです。しかし、これだけメリットがあるのですから、「料理は学び」と思って、心に少し余裕をもちながら一緒に楽しんでみてはいかがでしょうか。

(参考)
ウチコト(東京ガス)|【生きる力を育む!】子どもと一緒に料理するメリット7つ
学研ゼミ|「子どもと料理」は効果的な体験学習
All About|子供にお手伝いをさせるメリットと親が心がけるべき事